ルパン三世 イタリアン・ゲーム

   




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現在、新TVシリーズが深夜枠で絶賛放送中のルパン三世。
無駄に話を壮大にすることなく、基本一話完結の
安心して観れるルパン。僕はこういう作品を待っていた。
まぁ、シリーズは後半戦に突入し
物語はこれから少しずつ大きなネタを中心に絡んでいくことになりそうだが
それはそれで期待している。
そんな中、2年ぶりのTVスペシャルが金曜ロードショーに帰ってきた。
実は、簡単なあらすじ以外、
映像も含めて事前情報をほとんど得ることができなかったのだが、
今やってるTVシリーズとの関連性が容易に想像できたため
例年のTVスペシャルとは異なり
クオリティについては心配していなかった。
しかし、クオリティも含めて、その出来は残念なものだったと言わざるをえない。
以下、ネタバレを含むのでご注意を。
TVシリーズと設定を同じくしているため、
物語の舞台はサンマリノ。
そこで、歴史上の詐欺師として名高い
カリオストロ伯爵の子孫から依頼を受け、
伯爵の残した宝を巡る争奪戦が繰り広げられるのだが・・・
TVシリーズありきで、そこにこのSPをねじ込んできたのか
逆にSP企画のプロットを膨らませてTVシリーズを作ったのか、
とにかく、この「イタリアン・ゲーム」は一本筋が通っていない。
シナリオも作画も、非常にブレブレ、実に散漫な出来で見ていてイライラする。
レベッカやニクスといった、新しい主要キャラクターの説明が必要なので
TVシリーズの01話と03話をほぼ全編流用し
そのそれぞれの財宝にまつわるバックストーリーを芯に
「イタリアン・ゲーム」を構成した感じだ。
TVシリーズを複数話流用したため
絵柄が定まらないことは目をつむろう。
しかしなぁ・・・よりによってカリオストロ伯爵とは・・・。
史実として、カリオストロ伯爵は
マリー・アントワネットの名を利用した「首飾り事件」に関わっているので
そのあたりのアイテムの整合性は、TVシリーズとSPで取られているようだが
もっともっと、それ以前のお話として
カリオストロ伯爵が、
サンジェルマンとかブラド・ツェペシュくらい有名ならいざ知らず
ルパンに、今さら史実のカリオストロ伯爵(自称)を登場させるのは
誰がどう考えても問題があるだろう。
いや、実は
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宝塚歌劇の演目である「ルパン三世 -王妃の首飾りを追え!-」は
まさにこの首飾り事件とカリオストロ伯爵に関連する話だったりするので
ない話ではないのか・・・
ただ僕的には、なぜわざわざその人物を選んだのか、理解に苦しむのだ。
宝塚ですでに使われたネタなら尚更だ。
それから、
本作には、例年のTVSPにお約束の「ヒロイン」が登場しない。
ヒロインが出てこないTVSPもあるにはあったし、
今回はレベッカがその役割を担っていると言えなくもないのだが
TVシリーズでは
レベッカが過去に抱えた心の闇をルパンが解き放ち、
本作の結末よりももっと深く二人は結びついている演出がなされているため
本作ラストシーンの教会でのレベッカの物思い・・・には
物足りなさを感じざるを得ない。
TVシリーズを観ていない人にも分かるように
本作だけで完結してはいるものの、何もかもが物足りない。
要するに、「イタリアン・ゲーム」は
これから佳境に入る、絶賛放送中のTVシリーズへの視聴者誘導のための
番宣番組に過ぎなかったということだ。
余談だが:
サンマリノは確かにイタリア内地に存在するが、れっきとした独立国家だ。
世界で5番目に小さい最古の共和制国家と言われているそうで、
歴史的な話はあんまり僕は知らないが、
この物語を「イタリアン・ゲーム」と言い切ってしまっていいものか
それだけが甚だ疑問である。
本編とはまったく関係ない、実にかっこいいOPムービーでも
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キャストの名前がイタリアの国旗カラーに塗られているし
(サンマリノの国旗はスカイブルーと白)
一体何が「イタリアン」なのかと、小一時間問い詰めたい。

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