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ジョジョの奇妙な冒険 第四部 #38「クレイジー・Dは砕けない その2」

2017/06/17
 




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コミックス 46巻04~08章に相当。

今回は、ちょっと余談から:

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「猫草」こと「ストレイ・キャット」は、
仮死状態になっていた猫が、スタンド能力の発現と同時に肉体の死滅、そして、そこに植えられた植物の肉体(?との同化(?などを経て、とにかく、なんだかよく分からない効果で、猫とも草ともつかない未知の生き物として生まれた。

ただ一つ間違いないことは、こいつは「スタンド」であるという事実。
だが「猫草」は、川尻しのぶや川尻早人にも見えているし、猫草が放った空気弾も早人は視認できている。
これはすなわち「ストレイ・キャット」は、実体を持つスタンドだ、ということ。

実体を持つスタンドといえば、「力」の貨物船、「運命の車輪」の自動車、「黄の節制」のスライム体(の変化)、「サーフィス(うわっ面)」の人形などがこれまでに登場しているが、どれも物質に取り憑き同化しているということらしい。
(チュミミンもそうなのかな・・・?

「猫草」の場合は、本体が瀕死で、自我がおぼつかないうちに植物に同化してしまったため、植物っぽい実体に猫の精神を持ったスタンドが生まれたと考えることができる。
ただ、実体を持つスタンドの大きな欠点のひとつとして「自由に出したり引っ込めたりできない」ということがあるのだが、「ストレイ・キャット」の場合は、「猫草」自身が本体でもあるので、引っ込めることなどできるはずがない。

そこで疑問なのだが
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「キラークイーン」の腹部に収納された「ストレイ・キャット」は、吉良吉影が「キラークイーン」を引っ込めているときは、いったいどうなっているんだ。

「キラークイーン」は、「ストレイ・キャット」が打ち出した空気弾に触れることで、それを爆弾に変化させている。

腹部に収納したのは「ストレイ・キャット」の活性化を司る日光量を調整するためであり、ふたつのスタンドは、決して合体して進化したわけではない。

「キラークイーン」は実体を持たない幽波紋。
「ストレイ・キャット」は物質と同化した、実体を持つスタンド。

お互いスタンドなのだから、触れ合ったり干渉するのはわかる。しかし、「ストレイ・キャット」は姿を消すことはできないしましてや吉良吉影の意思で出したり引っ込めたりなどできるはずもない。
「キラークイーン」の腹部がヴァニラ・アイスの「クリーム」の口のように異空間につながっているというなら理解できないこともないが・・・。

そう仮定すると・・・なんだ・・・
お腹に「異空間に繋がるポケット」を持ち、そこに「秘密の武器」を隠し持つ「ネコ型」のスタンド・・・と考えると面白いわな。
そもそも、スタンド能力のヒントは、ドラえもんの「ひみつ道具」に着想を得ているという説もあるしな。

本編:
家屋に逃げ込んだ仗助と早人。
限られた狭い空間では不利と見た吉良吉影は踏み込んでこない。

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窓のない部屋の壁に身を潜めていたが、空気弾が背後の壁をすり抜けてきた!

前回のレビューで、石壁はともかく「鉄板でもすり抜けて自由に爆撃できる」根拠は何だ!?と書いたのだが、
アニメでは、早人の背後の壁に、原作には描かれていなかったヒビ割れが。やはり空気が通り抜ける隙間がないとダメだと、明確に設定しなおしたらしい。
まぁ、そりゃそうだ。

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吉良吉影は門より外にいるのに、空気弾は仗助を正確に追ってくる。

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仗助被爆。

しかし油断した吉良吉影の背後から、仗助流「自動追尾弾」が命中。
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吉良吉影の目には「最後のあがき」に見えたガラスの破片の投擲には、すでに固まって生体細胞ではなくなった「仗助の血の破片」が封じ込められていた。

「乾いた血の破片」が元の「乾いた血の塊」に戻ろうとすることを利用してガラスの破片をブーメランのように戻ってこさせた。

その際、敵に自ら近づくことで軌道を調整し
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「さっき飛ばした血のシミ」とも同化する作用で、吉良吉影に命中させたのだ。

うん・・・ちょっと無理があるね。

バラバラにした「血だったもの」同士がひとつに戻ろうとするのは分かる。
仗助の体を早人にを引っぱらせたのは、その効果を利用するためだものな。

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そして「さっき飛ばした血のシミ」ってのは、前回空気弾を切り裂いた、血の「波紋カッター」のこと。
血の波紋カッターは、飛ばしたとき瑞々しい流れたての血液だった。

生きている仗助の細胞を治すことはできないのだから、仗助の生体細胞ではなくなってはじめて、スタンドの効果を及ぼせるはず。後から乾いて、今は同じような状況になっているとはいえひとつの塊から別れたものでない限り、元に戻ろうと引き合うことはない。
もし、体から流れ出た時点で、もう仗助の生体細胞ではないという理屈ならば、ギリ、つじつまを合わせることはできる。
その前提の上で、血の波紋カッターを飛ばしたとき、その血の何滴かが手に残っていたならば、それをガラス片に封じ込めることで引き合わせることができるかもしれない。
(それでも血がついていた手が逆なんだが・・・

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しかし、どうにも「体外に流れ出て固まった血」に拘っている。
条件の分岐が血が固まる以前である以上、この拘りは適用されない。

まぁ異論はあると思うけど・・・「さっき飛ばした血のシミ」云々は、ない方が良かったと僕は思う。
一説によると、第四部の連載終盤頃、強くしすぎた「キラークイーン」をどうやって倒せばいいか荒木先生も大いに悩んだという。やっと見つけた光明、苦労が水泡に帰する絶望展開、天が味方するかのような奇跡的挽回、何度も何度も、切り返して切り返して、キレイに縦列駐車するように荒木先生が苦悩した跡が、まざまざと見て取れる。

空気弾が壁をすり抜けるくだりは調整できたがこの不整合はアニメでも調整できなかったようだ。

〜閑話休題〜

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想定外の傷を負わされた。その反省も踏まえた上で放たれた「キラークイーン」最後の一撃!(厳密には最後ではない
それを仗助は逆手に取る。

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吉良吉影に屋内の状況を伝えていたのは
早人のポケットに忍び込んだ吉良親父だった。

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仗助はその携帯電話を奪い取り、親父の方へと空気弾を誘導した。

父親を自ら爆破したことを聞かされた精神的ショックと、追い打ちにもう一発のガラスの破片に打ちひしがれる吉良吉影。
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瀕死の両雄、遂に射程距離に相対す。

ショートレンジの殴り合いは完全にクレイジー・Dの独壇場。
しかしパンチが届いたのは始めの数発だけだった。

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「ストレイ・キャット」が自らの防衛本能により空気弾でパンチを防いでいたからだ。

これこそ吉良吉影にとっては千載一遇のチャンス!
超スピードで飛んでくるクレイジー・Dの拳はつかめないがゆらゆら浮かんでいる空気弾に触れることは簡単だ。

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トドメの接触弾。仗助にこれを躱す体力はもはや残されていない。



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億泰復活。

空気弾を削り取り、さらに「キラークイーン」から「猫草」を奪い取った。

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承太郎たちまでが到着し、屋敷の爆発に消防や野次馬が集まりはじめた。
もはや人知れず、穏やかに事態を収束させることなどできない。

吉良吉影、万事休す。

次回:さよなら杜王町─黄金の心
いよいよ最終回だ!決着や如何に・・・!!!

おことわり)
アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」 のレビューは
「原作準拠」の検証の目的で、コミックとの比較をするスタンスで書いていましたが
第四部は、三部までほど「原作準拠」に拘っていないようなので、比較はもちろんしつつ、
筆者の勝手な推察や持論を、多めに盛り込んで書いてゆきます。
基本的に、揚げ足取り中心の文章となることはこれまでと変わりないので
ファンの方には、しばしば不愉快な思いをさせることがあると思いますが、
筆者は決して悪意を持ってはいないことをご理解の上読み進めていただけると幸いです。
また、検証・認識の甘さから、的はずれなことを書くかもしれません。
その場合は、遠慮なくご指摘ください。
ご指摘・お叱り・応援、あらゆるご意見を歓迎します。

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