ONEPIECE 878 「ミンク族 侠客団 団長ペドロ」

   




「人には必ず出番がある」

その昔、ただの憧れでロジャーの旅についていきたいと懇請したまだ幼いペドロは、「お前はまだ”待機”だ」とロジャーに諭された。

感情だけを逸らせ、無策無謀に先走っても良い結果には繋がらない。焦らずとも、求める者には必ず「出番」が訪れる。その機会を逃さないよう、いつか訪れる自分に最適な「出番」に、今は「備える」のだ。

その後、ある一定の結果と、巨大な謎とロマンを世界に残して、ロジャーは死んだ。


「出番」とは「役目」。人生の目的を果たす要となるであろう自分の活かしどころ。
自分の夢や野望ではなく、ネコマムシが遠く見据える「世界の夜明け」に我が身を寄せているペドロとしては、戦力を蓄え、知識と経験を積み「その時」に備えることに努めるしかなかった。

5年前に、ビッグ・マムの眼前で命を散らせることは、自分にもいつか必ず訪れる「出番=役目」を果たさずに人生を終えるということ。死を恐れてはいないが、断じてそれを受け入れることはできなかった。
そして、今こそその「出番」のとき。ルフィたちを生かして先へ進ませることこそ、世界を夜明けへと導くことに繋がると確信し、今、ペドロはその「役目」を果たした。

出航を妨げていたペロスペローによる枷は解かれた。
ペドロの行動と、何より気持ちを無駄にすることはできない。


ルフィの決断。


「クー・ド・バースト」で強引に戦線を離脱。その後のママとのカケヒキも含めて、仲間にあとを託し、


ルフィ自身は、鏡台から様子をうかがっていたブリュレを使って、カタクリもろとも鏡の世界に飛び込み、中から鏡を割った。
※「必ず戻る!」のサンジとの使い方の違いに注目。


ルフィ vs.カタクリ、因縁の戦いが始まる。


この戦い・・・、カタクリはルフィに対し余程の脅威を抱いている。ここでルフィの首を取る、もしくは倒せずともビッグ・マム海賊団に敵対するデメリットを痛感させる必要がある。ファミリーのNo.2としてルフィとの一騎打ちは望むところだろう。
だが反面、ルフィの将来性に何かを感じたのだとすれば、そこから一つの結論として「和解の道」にたどり着いても不自然ではない気もする。

ルフィの覚悟がハンパないので、生ぬるい手打ちはなさそうだが、さてどうなるのか・・・。

「人には必ず出番がある」

2年前レイリーは「我々は歴史のすべてを知ったが、君らは事を性急にせず、自分たちの船で一歩ずつ進め。」と言った。

真実を知ったとしても、今できることはない。
ゆっくりと世界を見渡して、その後に導き出す答えがロジャーたちと同じとも限らない。我々も、オハラもまた、少々急ぎすぎたのかもしれない。

「偉大なる航路」に入り、戻ってきた海賊は大勢いる。そんな中、ロジャー海賊団だけが、25年前に「偉大なる航路」を制したと言われているが、その証は立てられていない。ラフテルの位置も、歴史の真実も、そしてワンピースとは何なのかも、すべてに口を閉ざしたままロジャーが死んだからだ。

「ひとつなぎの大秘宝」を誰かが見つけたとき、世界はひっくり返る、と白ひげは言い残したが、ロジャーが「偉大なる航路」を制したときには、世界はひっくり返らなかった。その時は「ひとつなぎの大秘宝」を見つけるには至らなかったということだ。

何十年かに一度だけ起きる奇跡的な出来事のことを指しているのかもしれないし、25年前にロジャーが種を撒き、実るために数十年を要する植物や生物、または装置かもしれない。余命僅かなロジャーには、そのときに「ひとつなぎの大秘宝」を見つけることはできなかったはずだ。

ロジャーは「偉大なる航路」の制覇と、それに纏わる冒険を、自分が成すべき、または自分にしか成せない、もしくは周囲の他の誰にも任せられないと考えたに違いない。それがロジャーの「出番=役目」だったのだ。

ロジャーもまた、「ひとつなぎの大秘宝」を見つけ世界ひっくり返すという夢を、後世に託すための「出番=役割」を果たしたにすぎないのかもしれない。


あいつらは、我々の待ち望んだ海賊たちだろうか…、なァ…ロジャーよ


ロジャーが待ってる男は、少なくともお前じゃねェ…

ルフィにしか不可能、ルフィこそが為さねばならない場面は、これまでに何度もあった。だがその人に運命づけられた「出番」が人生で一度きりとは限らない。

その行く末に、ルフィ最大の「出番」がやってくるのは、一体いつの日なのだろうか…。

余談だが:

画太郎については…とくに言うことはない。

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