原作:87話
気配を察知するために肉体の主導権を取り返したリン
闇夜の戦いに急遽、帰還・参戦したランファンとともにグラトニーを圧倒。
シン国独特の体術っぽさがまるで感じられない。
コミック版は荒川弘の趣味が多分に入っているとはいえ
ここは中身がリンであることを強調するような戦い方をしてもらいたいところ。
どう贔屓目に見てもこのケンカ殺法はリンらしくない。
(この作品のレビューで”贔屓目”に見たことがあるのかと問うてはいけない)
ランファンが戦っていると聞いただけで
さも知っていたかのように
機械鎧オートメイルをつけて戦っていることについて語るエドが少し不自然。
手術から半年で復帰なんて無茶 → 案ずるな
その流れだとランファンがエドの想像を超えた超人になってしまう。
あとで肝心なところで痛むわけだけど、
ここに挿入しておく方が「わかりやすさ」という点では効果的ではないかと。
セリムの正体を知ったエド
ここへ来てようやく悪役らしい顔に描かれるようになったプライドですが
グラトニーを取り込んだプライドに対して怒りの表情を見せるリン
声とコミック版でのカタコト喋りからして、
グリードではなく怒っているのはリンのようですが
腕が硬化していく描写があります。これ不要な描写だと思う。
怒りによって覚醒し、グリードの能力をも手に入れたのか
と思ったらどうやらそうではなく
コミックではこの後のシーンから中身がグリードに戻っているので
怒りのあまり肉体と精神の制御をおろそかにしてしまい
グリードに再び乗っ取られたというところか。
まぁ次回もう一度検証してみようか。
細木数子マダム・クリスマスからセリムに関する報告を受けるマスタング大佐
中身の資料や写真が年代物なのは理解できるが、しかし
調査資料の保存性や運搬性を考えると
封筒は新しいものを使った方がいいと思いますよ。
大佐は現政権を打ち倒した後に自ら大総統の座に付くと明言。
コミックにないこのセリフは非常に違和感がありますが、
国を変えるためにはトップに立たねばならないと
大佐がずっと考えていることを再確認するためには、仕方ないのでしょうか。
コミック版のように、申しわけ程度でも
これじゃあ自らの野望に部下をただ巻き込む傲慢な正義漢のようだ。
これからマスタング組の行動はテロリズム色が濃くなる展開なのに
こんな描写だと
まんま自分たちが正義だと信じて止まない、ただのテロリストじゃないか。
大人しく付いてきていただければ危害を加えるつもりはありません。
大佐、そのセリフはアウトだよ
注)
鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST のレビューは
「コミックとアニメはあくまで別物」という大前提のもと、
今回の再アニメ化に際しては原作準拠のストーリー展開で。という製作趣旨をあえて真に受けて、
コミック版との比較をしてみようというスタンスで書いています。
決して原作マンセーな人ではありませんし、アニメスタッフに喧嘩を売るつもりもありませんが
思ったことは言うというブログ自体の姿勢は崩すつもりもありませんので
ファンの方には、しばしば不愉快な思いをさせることがあると思います。
それはもう、ご了承ください。