コミックス5巻04章~07章。
さぁ、いよいよ第一部最終回です。
スタッフも少し気を抜いたのか、細かい粗が散見されます。
ウインドナイツロットのディオの居城
コミックスよりも遙かに切り立った断崖絶壁に建っており
カリオストロ城みたいな離れの塔が存在するなど
16世紀の貴人が建て居住していたとするにはいささか無理があるが
悪魔城ドラキュラを彷彿とさせる
魔物の巣窟としての演出はほぼ満点。
落下中のディオが必死で腕を動かし
波紋が脳まで達する前に、間一髪、首を切断するその腕が左腕。
これは地味な表現だけど右手ではいけない。
右手は一度ジョナサンに切断されているので
波紋の回りが早い事が想像できる。
このとき右手は動かせなかった・・・
もしくはすでに蒸発していたと考えるべきでしょう。
しかしこの高さからひらりひらりと落ちたディオの衣服は
ひとところにまとまって落ちていなかっただろうに
拾い集めて焼却したジョナサンたちの苦労は想像に難くない。
ジョナサンとエリナ 結婚
ふたりはアメリカへ新婚旅行に。
その記事を新聞の社交欄に確認するスピードワゴン
しかし、
ロットの事件はともかくとして、
ジョースター家での火事(?でジョナサンは瀕死の重傷を負い、
前宰主ジョージの死と警官の死者多数
養子であるディオは行方不明(おそらく死亡と公表されないだろう)
これらにまったく触れず、
わずか二ヶ月後にめでたい結婚報道とは恐れ入る。
「喪に服す」という文化がなかったとしても・・・だ。
しかし
報道されるほど話題性のある婚姻だったにもかかわらず
身分や階級にうるさい当時の富裕階級の結婚式で
見送りがチベットのモンクと、庶民の姉弟と、
貧民街のごろつき三名。
これは一見
「人を見かけで判断しない」
という、当時の富裕層には稀有というべき
ジョナサンの人柄を表しているようにも見えるが
もし本当にそうなら、
ペンドルトン家だって黙っていないハズだし、
新聞記者も提灯記事など書かないだろう。
(逆に社会問題として罵倒することすら考えられる。
原作にない表現として甲板から手を振るふたりの画があり
こちらだけではなく
やや違う方向にも笑顔で手を振る様子が描かれている。
ここから
表向きは貴族や富裕層に大いに歓待された二人の結婚式には
スピードワゴンやポコなど育ちの卑しい者たちは列席できず
彼らは有志として、見送りのためだけに集まった
と、些か切ない事情を汲んであげるのが妥当だろう。
トンペティとストレイツォが
あれから二ヶ月もイギリスに滞在していたのか
今回わざわざチベットから再来英したのかは分からないが
いずれにせよ、このためだけだとしたら大変な苦労である・・・。
-大西洋上 アメリカ航路-
あぁ、よかった。
実は、例の劇場版では太平洋上と記されていました。
お前はイギリスからアメリカ行くのに
どこ通って行く気かと、各所で批判されていましたね。
ふたりの至福のひとときを打ち壊す
さりげなくこの後出てくる赤子を抱いた婦人も写っています。
一方、偶然乗り合わせたスティクス神父
くそーッ下は機関室か…
ダーティなところに十字架を落としちまったぜ
原作では「船倉」でしたが「機関室」に変更されています。
この後の展開を考えると、
ディオの棺が機関室にないとおかしいからでしょう。
どちらにしても豪華客船の床に
足を取られるほどの大穴が開いているのはトラブルの元だし
蒸気船の機関室天井にキャビンへ通じる大穴が開いている
なんて絶対にあり得ない話なのですけどね。
(熱風が漏れて絶対苦情が来る
しかも、ディオの棺の回りには積荷が置かれています。
蒸気機関のすぐ横にワイン樽を置いたまま
数日間も航海するなんてキチガイ沙汰ですね。
ワンチェンを追って船倉機関室まできたジョナサン
そこで出会ったのは
首だけになったディオ!!!
ディオが入っているカプセルの意匠が
中途半端に原作を継承された結果
妙に未来的になってしまったことには
この際目を瞑らないと仕方ないな・・・
我が肉体となって生きよ!ジョジョーーー!!
放射線の角度が、どんなロンパリから発射されていたとしても
不自然なほど広いが、気にするな
この女性は、二部で重要なある人物の母親であり
すなわちある別のキャラの祖母にあたるのですが、
どちらともまったく似ていません。
原作ではいいかげんに描かれていただけなので
きちんと描くなら、そういう今後の経緯も踏まえて
描いてもらいたかったですね。
もはや呼吸が出来ないジョナサンは
体内に残されたかすかな波紋で抵抗を試みる。
腕の中、唇を通して実感する夫ジョナサンの「死」
ともに死ぬ決意をするエリナに
ジョナサンの指さす先には
これはもちろん、
憐れな赤子を助けろと言っているのではなく
赤子を守れ → そのためにエリナに生きのびろと言っているのです。
エースが死に際にルフィにみんなへの伝言を託したのと同じですね。
※ONEPIECE 68巻102ページSBS参照
その残酷な懇願に困惑するエリナ
原作のこのシーンのエリナは
肩から腕にかけての曲線がこれ以上ないほどに艶めかしい。
それが微塵も再現できていないことは非常に残念だが
左手はジョナサンを抱いたままという表現も悪くない。
爆発は始まったが、
ジョジョが波紋を出せない今こそ肉体を乗っ取れるッ!
なんかもう当たり前に使ってるけども
この太さ10ミリもありそうな『血管針』ってのは血管なの?
どうやって延ばしてんの?
うねったり締めたり、筋肉ついてンの?
波紋こそ使えなくともジョナサン最期の抗い
このシーン、原作のエリナは赤子を抱いておらず
その後、倒れ込んだところにいる赤子を抱き上げる。
心象のイメージとしては三者以外誰も不要なシーンだが
ふたりから目を離せないこの事態で、
エリナが気持ちを赤子に移せるかどうかは確かに疑問。
この時すでに抱いていた方がエリナの心情としては自然か。
1889年2月7日 ジョナサン・ジョースター死亡
「Part1 ファントムブラッド」ってここに来て初めて銘打った。
次回からは第二部スタートです。
さぁ!どこまで続けるの?wktk
なんてヤボ言っちゃいけません。
第二部で終わりになるに違いないからです。
なぜなら、この結末でエリナがディオの棺に乗っちゃってるから。
第三部を作る予定があるのなら
ここを改変したと思うのです。
ディオの棺に似た別の”何か”に乗ってる・・・?
いえいえ、
箱側面の装飾まで同じなのでそんな言い訳は許しません。
もちろん、まだ決定していないだけで
人気やDVDの売上如何では続行するかもしれません。
そのときにディオが生き残っていた方法として
別の手段が提示されることにことになるのか。
それはそれで、何だかなぁ・・・・
とりあえず現状で第三部を作るつもりは、無いと確信しました。
余談です。
詳しく調べていないので
もし詳しい人がいたら教えていただきたいのですが
19世紀末ごろのイギリス-アメリカという長距離航路の旅客船として
蒸気機関による外輪船が使われていたかどうかが
実は僕にとって昔からかなりの疑問なのです。
外輪船はそれまでの帆船にくらべて
機関室や燃料庫などの関係で船倉が著しく狭かったはずで
湖や河川の遊覧船や、小中規模の商船ならともかく
結婚が報道されるほどの名家の子息が乗るような豪華客船が
英-米航路という長距離を、はたして航走していたか?
という素朴でいて激しい疑問が湧き上がるのですが
それを改訂してしまうと船を爆発させにくいし
爆発を爆薬などの別の原因に差し替えるのも
展開的に、いや、
何よりファン心理的に無理がある。
外輪船が英米航路を走っていたなら、もちろん問題ないですが・・・