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宇宙戦艦ヤマト 2199 #02 我が赴くは星の海原

旧作においての第02・03話

ヤマトを攻撃する敵機襲来。
旧作では、古代と島は一度本部に戻り
佐渡先生とともに沖田艦長直々に第一艦橋へ迎えられてからの襲来だが
先の偵察機の飛来と一度にまとめられている。

シェルターに避難する人たち。
唐突だが、この人たちはヤマトの正規訓練兵で
各セクションの責任者になるはずの者たちらしい。
彼らがこの爆撃で戦死してしまうので
経歴が未熟な古代や島が班長を拝命するという
なんとも言い訳とするには苦しい展開だ。
彼らは何をするためにこんな危険な地表近くに集まっていたのか
皆目見当がつかない。

しかも直後ヤマトは砲塔を動かし空母を攻撃。
どうせここでヤマトを動かしてしまうのなら
後のクルーたちをシェルターなんぞに避難させず
なぜヤマト内部に入れてやらなかったのか
これはもう、死ぬために登場させられたとしか思えない。
旧作では沖田、古代、島、森、佐渡、アナライザーという
よくわからない面子のほかは作業員しかいない状況で
ヤマトは起動する。

地面がひび割れ、偽装が剥がれ
ゴゴゴゴとヤマトが起きあがる印象深いあのシーンはここ。
勘違いしてる人が多いのだが
なんと旅立ちの発進のシーンではないのだ。
旧作では「イズモ計画」という名称はついていないが
ヤマトは、選ばれた人間や動物を乗せて
地球を脱出するために建造されたらしい。
そこへ波動エンジンを入手したので
ヤマトに載せたらいいじゃんよーとなったワケだ。
ガミラス打倒を目的としない戦艦なら
地下の安全なところで造ればいいのに
大和にこだわった理由は何・・・?
護衛艦もつけず片道だけの燃料を積んで・・・って
戦艦大和の解説入れといて
当のヤマトはもともと闘う男の艦ではなかっただとぅ?

冥王星前線基地のシュルツとガンツ
はじめてガミラス語らしき言語が登場。
もちろん本作オリジナルの創作言語だ。
マクロス愛おぼえていますか のゼントラーディ語もそうだったが
なんでこういう敵対軍事国家の言語ってドイツ語っぽく作るんだろうか。
ドイツってそういうイメージ?
確かにデスラーのモデルはヒトラーだし
独裁軍事国家としての下敷きはドイツ軍なのかもしれないが
戦艦大和が造られた第二次世界大戦ではドイツは日本の同盟国。
そもそも敗色濃厚での最後の望みとして
無理ゲーに旅立つ戦艦大和をモデルとしながら
なぜ仮想敵国がドイツなのか、旧作の企画意図を図りかねる。
この辺は西崎×松本の考えの相違なのか
ややちぐはぐな印象を拭えないところだ。

EU、USA、UN、ME…
世界各勢力が貧窮する中、最後の望みとなりそうなヤマト。
そういえば1年前から分かっていた、此度のサーシャの来訪に際して
戦力を投入していたのは日本(国連宇宙軍極東支部)だけだった。
もはや日本以外に、世界には稼働している宇宙軍がないということか。
ユリーシャのもたらした情報を国連で等しく共有していたならば
恩恵にあずかりたい勢力は、そりゃもう必死で協力を申し出るはずだ。
仮に編成可能な兵器がもはや極東にしか残っておらずとも
兵卒だけを派遣するとか、物資を供給するとか
いくらでもやり様はあるはずだし、
逆にこれだけの格差が生じているなら、
日本が他国に兵力や物資を分配することもあって然るべきなのだ。
ところが、情報から1年経ってこの格差。
これの意味するところは、
ユリーシャの情報を日本が独り占めするべく1年間隠匿していた可能性、
さらには、ユリーシャおよびサーシャの来訪がなかったとしても
イズモ計画で日本人だけが脱出することを画策していた可能性
という、些か穿ちすぎな考えを持つのは僕だけだろうか。
1年の準備期間を与えながら
波動コアが一つしかないため
複数の”ヤマト”を用意しても意味がないようにしてあるのは
多少の工夫を感じた。

とにかく、サーシャはユリーシャの宣言通り来訪。
事態は全世界にとって最良の方向へ転び
日本人だけが地球を脱出するイズモ計画w は
地球を救うヤマト計画へと無事シフトされた。
ま、国連主導とか言ってるけど
計画の名前からしても日本の発案だろうし
イニシアティブは日本がガッツリ鷲掴みにしていたことは
どのみち間違いがない。


計画変更の全容を公表する沖田艦長
スターシァのメッセージを包み隠さず公開。
突飛な発想の計画変更を説明するにはこれほど説得力のある材料はない。

映像の先進科学的イメージは、旧作と比較すると時代を感じる。

スターシャの声は旧作の神秘的な声とは異なり
絵柄同様、艶めかしい永遠の17歳に。
ガミラスの攻撃が旧作と異なり「放射能」によるものではないため
「放射能除去装置コスモクリーナーD」ではなく
「汚染を浄化し、惑星を再生させることができるシステム」となっている。
これがコスモクリーナーのような機械なのか、
種子や微生物を使った生態系システムなのか、
はたまた魔法やひみつ道具なのかはまったく不明である。
旧作ではこの告示のあとヤマトまで乗員のパレードがあり
そこに登場する雪の両親。
本作では雪は天涯孤独であり両親は登場しない。
さらにここ1年の記憶しかもっておらず
それがどういう意味なのかは、追々分かるはずである。
※天涯孤独じゃなかった。両親は1年前に死亡したそうです
次々とヤマトへ集まってくるクルーたち

そのため専用のシャトルバスが運行されているようだ。ちゃんと車輪がある。

旧作では、当時未来的表現の代表格だった透明チューブを走るエアカー。
21世紀の今、2199年に実現不可能と考えたのか
現代科学の延長上にエアカーはナンセンスだと判断したか

そういえばヤマト艦内の「動く歩道」もなくなってるな。
※動く歩道は大阪万博当時の「未来的」先進技術でした。
旧作で、古代と島にヤマト艦内を案内する沖田。
波動砲の発射口に立つのはいいが…

風吹いとる・・・オッサン、その風、放射能やで。
迫り来る大型ミサイルに波動エンジンの始動が急がれる
始動するのに多大なエネルギーを必要とし
それを待つのは旧作も同じだったが
本作では極東管区すべての電力を回しても足りず困窮
このとき本部の芹沢は、ヤマト計画続行に懐疑的な言葉を漏らす。
後に分かるが、芹沢はイズモ計画の可能性を捨てておらず
ヤマト内部にそのための連絡員を搭乗させている。
そのことが、旧作でオミットされたエピソード
「真田の反乱」に繋がるのかどうかは現状では不明。

世界中から集まる電力。
人類すべての希望でありながら、
ヤマトにはなぜか日本人しか乗っていないが
世界中から最後の望みを託された艦であることを象徴している。
アメリカ結構余力残してたんじゃん・・・
このピンチ描写に置き換わったため
印象深い「艦長!動きません!」「もう一度点検せよ」
のシーンがカットされているのは残念だ。
まぁ「一発で始動に成功しないと取り返しがつかない」
という意味がよく分からないし
劇場版では一発でかかるんだけどね。(ようするに尺の問題

で、いよいよ抜錨。
本作ではここではじめて偽装解除となる。キムタク主演の実写版もそう。
実写版では、いきなりここで波動砲撃っちゃうけどね。
ヤマト発進!!

大型ミサイルを撃破し
爆煙から颯爽と旅立つわれらがヤマト

余談だが

大気圏内用安定翼はちょうど喫水線上に格納されており、
喫水線と同じく
翼の上面はグレーの甲板色、下面が赤く塗られていて
上からと下からでは見た目が異なるという拘りを
出渕監督は語っているが、う〜ん…どっちでもいいんじゃないかな。

あと、第一艦橋が旧作より狭く感じるのは
実際の縮尺に照らし合わしているからだと思われ
各機器は、液晶パネルが巨大化し
時代に合わせたのか、別の事情か、松本メーターの存在感が薄い。
次回:一気にワープと波動砲いくよー!

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