旧作においての第06話に相当
ガミラス軍銀河方面作戦司令長官ゲール
二等臣民で立場が弱い部下シュルツの報告を聞き入れず
強きに媚びへつらい、弱きに権威をふるう、ゲスで卑屈な小役人
中間管理職の「イヤなヤツ」。
旧作では、その金満趣味やこれまで築き上げてきた地位を
ドメルにすべて否定されて、保身のためにバラノドンを独断で運用するも失敗
あげく、強引なドメルの作戦の疑正当性を本星に密告するなど
意外に、やることやって記憶に残る、こすずるい小悪党の見本を演じていたが
・・・さて本作ではどういった役どころになるものやら。
(ま、知ってるんだけど、今は書きません。
ここで少し補足すると
シュルツたち「二等臣民」というのは
ガミラスに征服され、その後併合された惑星の出身者のことを指しており
純粋なガミラス人ではない。だから肌の色が青くない。
(旧作でデスラーやヒスもはじめは青くなかったのは無かったことに…
果たして「二等臣民」という階級がガミラスの民法上存在するのかどうかは怪しいが
第二次大戦時、日本軍人として戦地に赴いた朝鮮人を想像すると
理解しやすいかもしれない。
ヤマト艦内、今後の航路についてブリーフィング
後顧の憂いを断つために冥王星基地を叩きに行くべきと訴える古代と
最短距離で主任務に徹するべきとする島の対立
しかしここで、航路を大きく外れる土星の衛星エンケラドゥスから救難信号を感知
さらに加えて、波動エンジンにトラブル発生
コンデンサーの一部が溶けかかっており、このままでは航行不能に陥る可能性もあり
修理には「コスモナイト90」という稀少な鉱物が必要だという。
旧作での破損は、エネルギー電動管が焼きついたと言っているが、
エネルギー電動管ってつい先週、浮遊大陸で修理したばかりの箇所なんだが
そのときはどうやって修理したのやら・・・
ともかくコスモナイトを削窟しにタイタンへ。
本作では
偶然にもエンケラドゥスに放棄されたコスモナイトの採掘場があるので
古代・島両名の感情的な意見よりも優先的に進路決定。
ちなみに、旧作でタイタンだったのがエンケラドゥスに変更されたのは
おそらく、現実の土星探査機カッシーニがタイタンを調査し
近年、その環境がいろいろと明確になったため、SFの舞台として使用しにくいなど
いろいろな事情があるのだと思う。
「エンケラドゥス」とは、タイタンと同じく
これも土星の60以上ある衛星のひとつで、
「ひび割れた鏡餅みたい」とか「地表の亀裂から間欠泉がある」などは
wikipediaによると実際に確認されている事柄のようだ。
今回、その間欠泉をうまく物語中のしかけとして使っているので
それらの特徴と知名度の低さがエンケラドゥスが選ばれた理由なのだと思う。
エンケラドゥスでは、真田がコスモナイト採掘の指揮をとり
古代、雪、原田、アナライザーが救難信号の確認に向かう。
旧作では救難信号を受信していないので
古代、雪、アナライザーがコスモナイトを探しに行く。
そこで“偶然”兄のコスモガンを拾って助かる。
という展開に無理があると感じたのだろう。はじめから難破船へ向かうことに変更された。
ガミラスのロボット兵:ガミロイド
彼らはアンドロイドなので
会話に用いられているのがガミラス語かどうかはやや疑問だが
「戦車ヘ連レテ行ケ」という意味の「ツバクカンサルマ」は
旧作に登場したガミラス兵のセリフそのまんま。
もともとは意味不明の言語という意味で、脚本に「○△×」と書いてあったのを
カタカナに直して逆から読んだのだそうだ。
本作では「ツバク」が戦車の意味として使われているとかなんとか、
そこまで拘らなくてもいい気もするな・・・
で、古代は兄のコスモガンを拾い、
間欠泉のせいで戦車を失ったことに気を取られたガミロイドを倒し
残った一台の戦車は、駆けつけたコスモゼロ二番機が撃破
コスモガンから難破船が「ゆきかぜ」だと気付く。
と、立て板に水を流すように
重要イベントが滑らかに連を紡いでいく。
今回は、ゆきかぜ轟沈&生存者なしという現実に直面しながら
裏では兄:守の生存の可能性を暗に示唆しているというのが話の中心だが
そこに絡めて、古代と雪の「吊り橋効果」による(?)感情の変化と
父親を誇りに思う島の強い気持ち、あと山本玲の実績づくりを
うまくひとつのエピソードにまとめていると思う。
実は、この「島の父への想いの強さ」というのが
後々重要になってくるので、チェックしておくように。試験に出ます。
余談ですが:
初めて描かれるヤマトの食堂
金曜のおすすめメニューが「海軍カレー」とは
どうやら自衛隊の流れを酌んでいるらしい。強制的ではないんだな。
O・M・C・Sという食糧供給システムがあらゆるメニューを作り出しているそうで
宇宙でその原材料をどうやって調達しているのか。
何から作られているかは、真田曰く「知らない方が幸せ」だそうだ。
あれか、未来少年コナンで廃棄プラスティックからパンが作られていたような
あんな感じか。確かに想像したくないな。
ただ、ちょっとだけ気になるのは
メニューの中に「合成さんまの蒲焼き」なるものがあることだ。
先の真田さんの話を聞いた感じでは、
O・M・C・Sで作られるメニューは、正規の食材を使っていない。
要するにほとんどのメニューが「合成」なワケだ。
メニューにあえて「合成〜〜」などと書く必要はない。
例えばそれが塩焼きや煮付け、甘露煮などであれば
味や食感のみならず、魚の姿形までも再現する必要があるため
「これは合成さんまなので、形はカンベンしてね」という意味合いで
メニュー名に「合成」と、敢えて付けることもあるだろう。
しかし蒲焼きにそこまでの再現性が求められるとも思えない。
まぁ極めてどうでもいい事と言ってしまえばそれまでだが
いつかこの疑問が晴れることを、一応祈っておく。
余談というには非常に重要な追記:
TV放映版は01・02話まで予告があったのに
03話から予告が放映されていない。
この理由は簡単だ。尺がないからである。
03話からは冒頭にナレーションが付いたことにより
その分、予告の時間が取れなくなったに違いない。
ま、予告だし、旧作でもタイトルだけだったし。
と、軽く考えてはいけない。絶対にダメだ。
何故か。
予告のナレーションが沖田艦長役の菅生隆之だから?
まぁ、それもある。
だが僕が言いたいことは違う。
予告をカットしたことで非常に重要なものがなくなっていることに
みんなは気付いているだろうか。
旧作では、毎回本編のラストにナレーションが入っていたのが
本作にはそれが無い。
そのため、
旧作でそのナレーション中に収められたお約束の文言が
本作では予告で語られているのだ。
気付きましたね。
人類滅亡の日まで あと三百と六十五日
これが無くなってるんですよ。ありえない!!
全体通しての流れが重要な作品なので、
これまでのあらすじを冒頭に入れるのはいい。
しかし、予告が沖田艦長なのに、このナレーションは別の人だ。
これをクオリティが落ちていると言わずして何と言うんですか!
主題歌や雪の乳だけじゃなかったよ・・・大問題だ。
お願いだから、お願いだから考え直してほしい
僕の魂の懇願です。