旧作における第07話に相当
冥王星
ここに、ガミラスの銀河方面軍テロン(地球)攻略前線基地がある。
2006年に準惑星に格下げされるまで、長らく太陽系第9惑星とされており、
ゴッドシグマのエンディングを例に出すまでもなく
水金地火木土っ天海冥(ちいさな「っ」は必須
と、一括りで覚えた、ヤマト世代には今だに馴染みの深い星だ。
その冥王星までが完全に制圧され、
ガミラスの勢力図は太陽系をすでに浸食しはじめているという脅威。
さらに、ここから先はまったくの地球の勢力圏外に出る
ヤマトの旅の前途を占う基点となる星。
そういった意味合いも込めて
ガミラスの最前線基地は太陽系の内と外に面するここに設定されたと思う。
しかし現代では、
冥王星はほか数個の太陽系外縁天体と同じ扱いとなり「準惑星」。
ここに前線基地を作ることの戦略的意味、
地球を威圧する精神的効果などを考慮すると
旧作と同じく冥王星である必要性がいささか疑問だ。
カロン、ニクスの衛星が出てくるのも時の流れを感じさせる。
※旧作当時は発見されていませんでした。
しかし…やはり冥王星は変えられないわな。
反射衛星砲
この、へぇポタンの上にアスパラガスが乗ったような
独特のデザインはそのままに
本作では遊星爆弾の射出装置として登場した。
確かに、
わざわざ報告しなくていいとまで言われる
外宇宙へ出たこともない劣等種族(地球人)の制圧に
ガミラス軍の最新兵器が配備されるというのもおかしな話。
(旧作では最新兵器と言われていました。
超強力だが射程が短い砲台を一基だけ擁していた不自然さも
攻撃用の兵器ではないとすれば説明がつく。
旧作でも
「波動砲には太刀打ちできないので頭を使って闘うのだ」
と、反射衛星砲による戦略を思いついているので
そもそも襲撃者を翻弄するためのトリッキーな兵器というわけではなさそうだ。
それなら、いっそ兵器でない機器を転用する方がおもしろい。
これを撃破することで
今後、遊星爆弾の脅威はなくなると確信できるのもいい。
その分、旧作で遊星爆弾がどのようにして発射されていたのかは
描写がないのでわからないが、一度に20発とか発射していたものが
本作では1発ずつの定時発射となっており、
冥王星基地の人の少なさや、
僻地へ追いやられた閑職兵のそれでいて律儀な仕事ぶりを垣間見ることができる。
反射衛星砲で20発同時には撃てないしな。
今回の作戦は、ヤマトを囮に敵基地を特定し艦砲射撃でこれを殲滅。
波動砲を使えばリスク無しで一発じゃん
思慮が浅く、古代に反抗心を持っている南部のキャラクターが
よく現れているセリフだが、旧作ではなんと真田の進言だった。
冥王星には現住生物がおり、その生態系や住環境を傷つけることは
太陽系の共有財産の損失でありそれは許されない。と沖田艦長。
本作では、空想の域とするには微妙なため生物云々には触れないし、
波動砲は感情的に使用しない。これは出渕監督の決定事項でもあるらしい。
前回少し触れたが、波動砲の運用にはポリシーがあるそうな。
キムタクヤマトの制作陣にも聞かせてやりたい。
軍テイストのヤマトを創ろうとして降板させられた樋口真嗣が
本作に参加しているのも興味深いね。
第二艦橋はCIC=戦闘指揮所に改められている。
実際の自衛隊の艦艇なんかもCICはこんな感じらしいけど、
第二艦橋って第一艦橋よりも広いはずなのに、この閉塞感は何?
コスモファルコン
旧作でのブラックタイガーに相当するヤマトの主力戦闘機だが
イスカンダルからの技術を使用して
ヤマト艦載のために開発されたブラックタイガーとは異なり
コスモ・ゼロの量産遅延をカバーするべく国連地上軍から供給された機体
ということになっている。
モデルは旧日本陸軍の隼だというから徹底してるな。
加藤隊長機は尾翼に「誠」の文字が。
カラーリングも新撰組をイメージさせるだけでなく
「マコト」つながりで
原田真琴とのロマンスありか・・・と余計な勘ぐりもしてみる。
加えて、旧作では一機しかなかったハズのコスモ・ゼロ
※たまに間違って複数描かれてましたが・・・
二番機が設定され、どうやら正式パイロットは山本玲。
キャラクターの女性化といい、この山本の特別扱い・・・
古代・雪との三角関係発展を予感させる。
謎の攻撃に被弾するヤマト
旧作ではシュルツ目線で、ヤマトをおびき出し反射衛星砲を撃つ経緯が
克明に語られているが、本作ではヤマトクルー目線で突然の被弾。
綿密なブリーフィングにCICからの戦闘指揮、波動防壁の展開と
万全の体制で作戦に臨んだ瞬間の衝撃。この演出はナイスです。
この反射衛星砲
反射させられるということは光線兵器かと思いきや
その軌跡の速度は物質的に空間を移動しているようであり
原理がいまいち不明。
本作では
反射板を破損しないためか、エネルギーの欠損を少しでも防ぐためか
反射の際に衛星直前にリフレクターを展開させている。
そもそも、照射することで隕石を遊星爆弾化できる原理がわからない。
エネルギー弾なら隕石を破壊してしまわないのか?
逃げ場を失い冥王星の海に着水したヤマトに直上からの追い打ち。
ヤマトは冥王星の海に沈没する・・・。
砲撃を受けたヤマトは横転してから艦首を上にして沈没。
旧作では、同じく横転した後、艦尾を上にして沈没しました。
この差違は、
実際に船が沈没するときどうなるかがリアルに反映されているのか
それとも単に画的な演出なのか・・・
何にせよ、ここまではほぼ旧作通り。
ここからの作戦は、旧作とは一変しますがそれは次回。
余談ですが:
前回コスモゼロを勝手に持ち出した山本玲。
作戦中に自身の任務を放棄し、独断で艦載機を運用。
結果オーライとはいえ、重大な軍規違反だ。
階級や科部署の設定、言葉遣いまで
海軍テイストをそれっぽく取り入れているのに、これはナイ。
こんなにユルユルで、狭い艦内の規律が守れると思っているのか。
いかなる理由があろうと、
こういうことしでかしたヤツが希望通り航空隊に転属などできるはずはないし
本来なら営倉入りは免れず、
直属の上司である平田だって監督責任を問われるはずだ。
航空隊への転属許可、俺にその権限はない。
いや、今回だけ大目に見る権限だってあんたには無いよ。
あと、素材が何かは知らないが
ロッカー殴っても、
こんな大友克洋が超能力出したみたいなつぶれ方はしませんから。