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宇宙戦艦ヤマト 2199 #15 帰還限界点 

旧作の第20話に相当

ガミラス帝星親衛隊長官ギムレー
親衛隊とは本来、国家元首の身辺を警護する部隊のことだが
反乱分子の鎮圧のほか、諜報機関まで指揮下に置くとなると
いわゆる近衛兵的な親衛隊というよりも
ナチス親衛隊に近い存在であろう。
その統括指揮を執るのがハイドム・ギムレー。
ナチス親衛隊の指導者だったハインリヒ・ヒムラーを
モデルとしていると思われる。(顔は全然違うけど・・・
見るからに冷酷な性格をしてそうで、
第08話にて、タラン(兄)が、
被支配星系の人民に二等臣民として徴用される機会を与えることが
帝国繁栄の礎となっていると説いた際には
顔を背けて笑みを浮かべていた。

隣で大きく頷いていた、軍事バカのディッツを嘲笑すると同時に
有能単一人種による絶対支配こそ正義
と考える、まさにナチズムの崇拝者と見受けられ
今回、反乱を起こしたオルタリアを
逃げ遅れた移民団ごと容赦なく焼き尽くす様は

ガミラスの…というよりは
ギムレーの意思によるホロコーストであった。

艦長・・・塩が足らんのです・・・
OMSISの不調は、ビーメラに降りる理由を付けるためと、
艦内に不和不満を蔓延させるための制作側の都合。
詳しくは次回。
その、クルーに蔓延しているストレス発散のためにも
地球型惑星への上陸は有価値であると
ビーメラ接舷をここぞとばかりにプッシュする新見の狙いは
もちろん移民適合惑星の調査のはずなんだが、
同じようにほくそ笑む伊東の狙いは少し違うようだ。

波動砲の理論の話題に夢中になる真田。
百合亜の髪型の変化にまるで気づかない、科学バカというか朴念人ぶりを発揮。

綻んだ表情の真田は超レアです。
百合亜(ユリーシャ)が波動砲に「はてな?」と思ったのは
イスカンダルが技術を提供した本意とは
異なる使われ方がされていたため。
後にわかることになるが
イスカンダルが地球に救いの手を差し伸べる理由は、旧作と少し違う。

第12話でデスラーがホットラインで言っていた
きみが彼らを憐れんで、また悪い癖を出してしまったかと思ってね
というセリフに係っているので覚えておこう。

古代のことを密かに憎からず想う山本は、
雪と古代の仲に軽くショックを受けつつも、
積極的に分け入ってくるようなことはないようです。
これからは篠原とともに行動することが多くなりそうですが、
乗り換えたとかではなく、
色恋に賢しい篠原になら、適度な心の距離を保つことができるだろうし、
そんな気持ちも理解してくれそうだと無意識に判断してのことでしょう。
しかし、三角関係に発展しないのなら
わざわざ女性にキャラクターを変えてまで登場させた意味が、
イマイチ薄くなった気もする。
メルダの件は別の人に置き換えても成立するしな。
雪も色恋には疎そうでしたが
この表情を見た感じでは
雪=わかってる / 古代=わかってない ですよね。
バラン星にて手ぐすね引いてヤマトを待つドメル旗下の隊長たち。

ハイデルン、ゲットー、バーガー、クライツェ

クライツェは、旧作ではクロイツという名だったが
おそらく「鉤十字」をイメージさせるため変更されたのだろう。
旧作では七色星団の戦いに向けて
ドメルの作戦に適合した空挺団をかき集めたことになっていたが
本作では、皆長きにわたってドメル艦隊を支える
肝いりの主戦力たちであり
彼らの乗艦も旧作とは大きく異なるのだが、
戦闘空母や第1〜第3空母も(ちょっとワケありだが)
あとあとちゃんと出てくるので心配しないように。
今回、度重なる威力偵察に神経をすり減らしたヤマトを
その進路にある特殊な星系で罠にはめる。
これは旧作における七色星団の戦いと同じ導入。
ドメル艦隊の戦略性・戦闘力の高さに期待が高まる。
旧作におけるドメルとヤマトの戦いは3回。
一度目は旧作15話における亜空間での戦い。
バランに着任したばかりのドメルは、
ゲール指揮下で弛んだ前線基地全軍を率いて四次元演習場にて大演習を行う。
ヤマトは、その演習にばったり遭遇
次元の狭間でうまく機能しない機関に苦戦するが
スターシャの助力もあって逃走に成功。
二度目は20話
バラン星の基地を囮にして、人工太陽でヤマトを押しつぶす作戦
この「基地を囮にする」という強引な作戦が本星で問題視され
(密告したのはゲール)絶好の機を逃す。
そして軍法会議で死刑を宣告されたドメルに与えられた
最後のチャンスが七色星団の戦いである。

中性子星の磁場の影響でワープ航路に影響
そこに網を張っていたドメル艦隊に囲まれるヤマト

死中に活を見出さねば、この包囲を破ることはできない!
一時復帰した沖田艦長の提言は

前面に波動防壁を最大展開し、敵艦隊を一点突破するというもの。
なるほど、
数百・数千の敵艦隊に対して、ヤマトは護衛艦もなくわずか一艇。
取り囲まれて、蹂躙されて、被弾して、
もともと旧作の時代より、
砲雷撃戦を真っ向から受けて立って、轟沈しないことの方が不思議だったヤマト。
都度、常識では考えられない戦術をとらねば
生き残ることなど、無理な話。
これが沖田十三の戦い方なのだ。
旗艦めがけて突っ込んで来るヤマト 

ヤマト・・・侮り難し・・・
旧作ではタイプライターで打つ報告書でのセリフだった。
接触し、砲撃し、すれ違う名将ふたり

そして
旗艦を凌ぎ全力で振り切ろうとしたその時

前方にワープアウトする無数の戦艦
絶望の淵に追いやられるヤマトだったが・・・
本星より「待った」をかける通信が。
旧作20話では

ヤマト一隻ごときのためにバラン基地を犠牲にするのはやめてくれたまえ
と、デスラー直々に空気を読まない通信が入り
結果、今にもヤマトを押し潰さんとしていた人工太陽は波動砲で撃破され
直下に降り注いだその破片でバラン基地は壊滅

と、ガミラスにとって全てが裏目に出ることとなった。
本作では、

今にもヤマトを駆逐しようが、打倒しようが、
そんなことよりも重要な事態が起こったという展開になった。
たしかに旧作のドタキャンはお粗末に過ぎる。
次々に撤退していくドメル軍
見逃された? 敵に何かが起きた?
敵の意を汲めないヤマトは、いずれにせよ満身創痍。

次回、ビーメラに降り立ちます。

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