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宇宙戦艦ヤマト 2199 #17 記憶の森から 

旧作の第18話に相当。
デスラー総統暗殺の罪で軍事法廷で裁かれるドメル中将。

秩序を守るには「疑わしきは罰せよ」が鉄則。
ガミラスに推定無罪のルールはないようだ。

旧作21話でも、
地球攻略の重要拠点であるバラン前線基地を
自ら破壊してしまった作戦の指揮官として罪を問われるドメル。
確かにドメルが言うとおり
ヤマトさえ沈めれば地球勢の脅威はほぼ皆無となるため
大事な中継基地を失おうとも、ヤマトを下せば
もうバランは重要拠点ですらなくなっていたのだが
その作戦を「もったいないから止めて」と総統が判断した以上
ドメルの言に正当性はない。
しかもタイミング的に
作戦失敗のトリガーが、そのデスラーの直電であるからして、
責任はデスラー以外の誰かにおっ被せる必要があっただろう。
さらに旧作のドメルは、有能なんだが
自信家で正論しか吐かず、まったく自らを省みることがない。
結果、彼を疎んじた勢力に排除されたとも考えられる。
本作では、そういったドメルの不器用な傲慢さは描写されていないが
彼を疎ましく思っている人は確かにいたようだ。

そしてゼーリックは、意気揚々と艦隊をバランへ向けて発進させる。
総統不在のこのタイミングで観艦式とはどういうことか。
余談だが、

本作でも旧作でも軍事法廷を取り仕切っているのはヒス副総統。
旧作では、おそらく
単に視聴者が顔を覚えている有力者に断を下させただけだと思うが
本作のヒスは軍人ではなく文官(内政官)と設定されており
「お飾りの副総統」と呼ばれる所以もその辺りにありそうだ。
しかし、先のギムレーの断罪からすると
どう考えてもガミラスは民主国家では無さそうなのに
総統に次ぐポストが文官というのは、少しちぐはぐな印象を拭えない。
(ヒスのモデルと思しき、ナチス副総統のヘスは親衛隊指揮官)
再登場のメルダ
父であるディッツ提督は、
ドメルとともに総統暗殺の嫌疑をかけられているはずだし、
彼女自身、ヤマトとの直接的接触を得てその成果を報告しないという、
軍人としてあるまじき、
ややもすれば反逆者・非国民と非難される行為をしておきながら
収容所へ送られる反政府ゲリラを憂いの目で見守る
なんてことが見逃されるはずはない。
彼女をマークする男達がゲシュ・・・ ゲフンゲフン 公安か何かかと思うと、
そうでもなかったりする。
政府への不信や、反政府運動に思うところがあるのか
はたまたドメルの妻エリーサと顔見知りなのか
ヤマトとの接触のあと、
いったいメルダの心境にどんな変化があったのか気になります。
雪が持つスターシャのメッセージには
土方のメッセージも添えられていた。

航海の途中でお前は真実を知るかもしれん・・・
だが迷うな・・・必ず戻ってこい。
  
第02話で「必ず還ります」と雪が言っていたのは
土方のメッセージへの返事だったということですね。

亜空間ゲートを使用できれば3万光年を一気に短縮できる。

持ってきちゃって良かったのかどうか、いささか疑問だが
ビーメラ4の遺跡にあったコアには
太古の昔に作られた亜空間ゲートを
ガミラスが運用・管理していることが記されていた。
真田さんがそれを勿体ぶって言うのには理由がある。
コアから読み出した亜空間ネットワークの海図をもとに
ガミラスが現在も遠洋航海にこれを活用している前提で
とある作戦を思いついたからだ。
それにはまず
ゲートを使用するシステム衛星を攻略しなければ話にならず
今回はそのお話。
作戦そのものは、また次回に決行されることになる。

ゲートを動かすシステム衛星に潜入
ここでの一連の流れは、旧作18話の焼き直し。

衛星内部を徘徊する警備ロボットも同じ形だ。
雪を同行させたのは
今は古代のそばに居させるのがもっとも良いと判断したからだろうか

真田の口から、雪とユリーシャが同時に事故に遭遇したことを告げられる。
それ以後、雪は記憶を、ユリーシャは意識を失ったというが
はたして、これは真実か。
雪とユリーシャが、髪の分け目が逆であることと瞳の色以外そっくりで
声まで同じであるのは、単なる創作上の偶然なのか。
旧作からして雪とサーシャが瓜二つだったという設定があるとはいえ
もっと深い真相が隠されていることは間違いないだろう。
メッセージカプセルを雪が持っていた理由もはぐらかされてしまった。
制御室に入り、装置の起動ともに室内に降り注ぐ中性子に
ひとり犠牲になるつもりの真田の昔語り

新見の思い出をリンクさせているのは
中原中也の三角関係と関連させているのだろうか。
なるほど、新見は真田にも先輩以上の感情を持っているようだ。

極秘だった第01話冒頭の冥王星海戦が陽動であることを
親友に告げられなかった後悔
その弟:進に未来を託し、ただ自責の念で犠牲になるつもりか。
旧作18話は
機械を分解させるマグネトロンウェーブを発する無人要塞を破壊する話。
そこで真田は親友:古代守の艦「ゆきかぜ」を
間に合わせ程度にしか整備できず送り出した後悔を古代に打ち明ける。
また、小学生の頃の志郎少年は

遊園地で無理にロケットカーを運転し、同乗していた姉を事故死させてしまった。
原因が自分にあることは理解しつつも
人間を豊かにするための「科学」が人を傷つけることに怒り
科学を屈服させるために、憎むべき科学に傾倒した。
人間は科学を利用し、越えていく
彼の数々の発明もその証だったのである。

要塞中枢の触手に絡め取られてもただでは死なない。
作り物の四肢には爆弾・・・
科学を利用し尽くして科学を駆逐する
それが、自らの責任で肉親を失い、四肢を失い
親友を死なせた男の背負った十字架であり、レーゾンデートルだった。
汚れちまった悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れちまった悲しみは
なにのぞむなくねがうなく
汚れちまった悲しみに
なすところもなく日は暮れる
どうやら本作では親友を見殺しにしてしまったことのみを
自責し、自嘲し、
ここでケジメを付けるのも悪くないと考えているだけのようだ。
中原中也・・・そんなに深い意味なかったね・・・
中也を知っているから、雪は地球人に違いない
という論理に転用されたのも、いささか蛇足にすぎる。

ゲート起動
真田は・・・・

手がニュっと出てきたときにはドキッとしましたが
四肢を外して難を逃れるとか
そんなアクロバティックな展開ではありませんでした。
まぁ、四肢全部が作り物とか
今は放送できないのかもしれませんね。
沖田艦長の口から公表されたユリーシャの存在

その肉体と、精神。
スターシャの真意が明らかになるのも近い・・・のか?
次回、亜空間ゲートをくぐると、そこは・・・

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