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宇宙戦艦ヤマト 2199 #18 昏き光を越えて 

旧作に該当する話はないが、第20話に少しだけ関連。

前回、真田の命がけの働きで
その機能を蘇らせた亜空間ゲート。
現状出ている35日の遅れ。
このゲートを使って約3万光年を短縮すれば
そこはようやく中間地点のバラン星。

前回の島の説明では
そこまでの航路短縮しか語られていなかったが
真田の計画にはまだ先があり
百合亜に憑依して覚醒したユリーシャの協力もあり
実行に移すことと相成った。
イスカンダルまでの半分の地点にあるバラン星は
ヤマトにとって進路を示す灯台の役割でしかなかったが
実は、ガミラスが用いる亜空間ネットワークの
ハブステーション、すなわちターミナルであり、
うまく利用できれば
そこから更なる超長距離ワープを望めるというのだ。
ヤマトのクルーたちは
バランがガミラスの銀河系方面軍司令部であることを知らないが、
ガミラスの艦艇が行き来しているハブステーションには違いないので
この作戦の是非を問うための重要な哨戒任務に篠原が名乗り出た。
篠原は時間制限付きで
ゲートの使用状況、ゲートの向こうの安全と敵勢状況、
そして再突入するマゼラン側ゲートの確認をして戻らねばならない。

ちなみに
このガミラス機は、前回のシステム衛星に放置されていたものだが
よくメンテナンスできたものだ。
旧作ではこういうのは何でもかんでも真田さんの手柄だったが
技術部自体のスキルが高いのだろうな。
この鹵獲機は、後日、あの人の乗機となる。
ワープゲートの中の亜空間は、通常のヤマトのワープと異なり、
時間の経過や、通行時の周囲状況を認識できるようだ。

イデオンやバルディオスの亜空間描写にも似ている。
ところで、
篠原の憧れ、343航空団の4偵:ソードスリー
山本の兄:明生のことなのだが、それについてはまた後日。
これは旧日本海軍第343海軍航空隊がモデルだそうだ。
(僕はまったく知らなかったのだが友人からネタを提供して貰った。
新鋭機:紫電改を駆る精鋭部隊で、
太平洋戦争終盤に戦勢挽回するべく組織された二代目を通称:剣部隊と呼ぶ。
ソードスリーの名称の由来もおそらくここからであり、
343空は偵察行動を重視し、非常に練度の高い戦術を用いたとか。
〜閑話休題〜
バラン星は中心部にエネルギープラントを擁する人工の星

現在、バランでは
ガミラスが大規模な戦力を集結中、その数1万超。
にも関わらず、沖田艦長の判断は作戦決行。
極力、戦闘を避けてイスカンダルを目指したいとはいえ
航海の遅れを取り戻す絶好の機会、またしても「死中に活を見出す」作戦だ。
波動エンジンの武器転用を訝しく思うユリーシャに
「行動で示せ」と言われた答えがこれなのだろうか。

大ガミラス帝星中央軍総監にして、国家元帥:ゼーリック
(モデルはおそらくナチスのゲーリングだろう
ゼーリックがデスラーの死を悼む猿芝居のさなか、

観艦式のど真ん中に割って入ったヤマトはすでに臨戦態勢
第一戦速で攻撃しながら進路をこじ開けるつもりのようだ。
(なぜ最大戦速でないのかはわからない
ここでヤマトを討つことこそ神の啓示
舞い上がっちゃってるゼーリックは、友軍の被害拡大もかまわない。

さすがのボンクラ司令官ゲールですら危機感を抱く展開に。

真横からの直撃にようやく被弾
バランの重力に引かれて雲海に沈むヤマト
それを見て満悦のゼーリックに対し

絶妙のタイミングで出てくる、生きていたデスラー。
どうやらフラーケンの次元潜水艇に隠れていたようだ。
第14話で「次の任務は総統直々の特命だ」と言っていたのが
この作戦のことだったのです。
必死で取り繕うゼーリックに裁きを下したのは
なんとゲールだった。
この男の方がよほど憂国の志を持っていたのは
旧作からゲールを見ている者なら誰でも驚きだろう。

バラン赤道付近からヤマト緊急浮上!
そのままマゼラン側ゲートまで直進し180度回頭
波動砲撃て!
狙うはバラン星のエネルギープラント
ここで地味に重要なのは
南部のセリフ「重力アンカー解除準備よし!」
波動砲はその衝撃でヤマトが後退してしまわないように
重力アンカーで反動を制御している。
そのアンカーを解除すれば、
波動砲はメインエンジンよりも強力な推進力を生むのだ。
これは旧作TVシリーズの宇宙戦艦ヤマト2 第12話で
デスラーの罠に掛かったヤマトが空洞惑星を脱出するのに使った手段。

旧作ではヤマト2のみに登場する技術班の新米あらこめが発案
タイミングを合わせて手動でレバーを引いていたが

本作では爆砕ボルトのような装置になっている。
表現がアナログだがこの画的な説得力はなかなかだ。

そしてそのまま波動砲の反動を推進力として
亜空間ゲートへ突入
同時にエネルギーコアの爆縮崩壊によって

周囲の艦隊ごと、バラン星基地は壊滅 大艦隊も散り散りに。
これが何を意味するかというと、
全宇宙各地から集まったガミラスの主力艦隊のほとんどを
バランに残したままゲートが使えなくなったということだ。
今、ガミラス本星に主力艦隊はいない。
わずか単艦のヤマトが
宇宙に冠たる大ガミラスの本土決戦に勝利する希望が出てきた。
いや、ヤマトは決してガミラスの打倒を目的としているのではないが
本土決戦を避けてイスカンダルへは行けないことを僕らは知っている。
多少強引ではあるが
・ガミラス軍上層部の人間らしいゴタゴタ
・ヤマト自身の小さなワープでちまちま距離を積み重ねることと
 少ない強敵に相対する機会のメリハリ
・ガミラス本土に単艦で乗り込める説得力

これらを解決するうまい絵を書いたものだと素直に感心する。
・・・まぁ、帰り道には使えなくなったけどね。

かくしてヤマトは
大マゼラン銀河へ到達した
次回:いよいよドメルが動く。
ってか、2本立ては意表をつかれました・・・
19話レビューは、しばらくお待ちください。
余談ですが:
今回の火中の栗を拾う死中に活を見出す戦法は
敵の虚をつき、一点突破。
沈んだように欺き、ジョーカーを切った。
ヤマトに敵の攻撃が当たりにくい理由付けも為されていたし
テンポよく迫力のある戦闘シーンは見ごたえがあった。
ただ、
このとき、主砲:ショックカノンが

ガミラス艦を撫で斬るように両断するのが、
痛快だがちょっと違和感ありだと思ったのは僕だけだろうか。
実弾じゃないので、弾頭部分だけでなく
エネルギー弾の”軌跡”部分にも破壊力があるという描写だ。
「こういう使い方もできるのか」と感心する一方で、
じゃあ平時の貫通砲撃は、的中面積が狭く効率が悪いじゃないかと思うわけで、
こうやってイデオンソードの様に振り回せば
広い射角に一度に攻撃できるし、
相手は武術家じゃないんだから、ヘタな鉄砲も振り回せば当たるだろう。
普段からコレをしないのは、
艦隊戦のケレン味が失われる(おそらくこれが重要w)こともあるが
50歩譲って
狙い定めて貫通させる方が破壊力は高いと理解するべきだろう。
今回の様に、周囲を囲む無数の敵に対しては
この方が効果的と判断し、異例の使い方をした・・・と。
う〜ん・・・好意的に解釈したいが・・・ちょっと破壊力ありすぎたね。

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