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宇宙戦艦ヤマト 2199 #25 終わりなき戦い 

いたって平和なイスカンダルからの帰路。

意外と言うか、やっぱりと言うか、航海の遅れを取り戻すために
帰りもバランの亜空間ゲートを使用するという。
まぁ、残り1年で人類が絶滅するといっても
365日後に全人類が一斉にコロッと死ぬわけではないので
例えば絶滅とされる日の前日に戻っても、人類の大半はすでに死んでいるだろう。
それでは手遅れだ。
帰るのは早いに越したことはないのだから、ゲートが使えるなら使えばよい。
しかし、航海が遅れているとな? はて・・・
第六章のDVDで確認できる範囲では
サレザー恒星系に到着したヤマトをデスラー砲が迎え撃った
22話ラストの次回(23話)予告で、人類滅亡まで210日と言っている。
その直後、ガミラス本星に特攻し、第二バレラスが崩壊して
ヤマトは雪を拾ってイスカンダルへ。この間に何日もかけたとは考えにくい。
すなわち、
ヤマトが地球を旅立って、イスカンダルまでに要した日数は
155〜6日 約5ヶ月だ。
ガミラス←→バランが3ヶ月の距離であることを考えたら
亜空間ゲートを使用する予定がなかった出発当初の日程よりも
大幅に短い期間でイスカンダルへ到達したはずである。
それなのに、たいした邪魔も入らない帰路の航海が遅れているとは
イスカンダルにそれだけ長い期間滞在していた以外に考えられない。
(ちなみに旧作でのイスカンダル滞在は30日間)
どこかで日数の計算間違えてないか?と思わざるを得ないのだが
DVDが出たらもう一度確認するとしようか。
あ、あと太田が

「ゲートが使えたら6万光年をひとっ飛びですね」と言ってるが
往路でビーメラからバランまでの亜空間ゲートで短縮できた距離は3万光年。
破壊して使えないマゼラン側のゲートを、間違えて計算に入れているのか、
それとも、ビーメラではない
もっと地球に近い別のゲートまでワープするつもりなのか、
どちらにせよ
まだ使えるかどうかさえ確実でないゲートについて
ずいぶんと脳天気な皮算用をしていることに呆れてしまう。

ガミラス本星へ帰還したディッツ提督の一行。
軍の序列でいうなら、
デスラーの次に地位の高かったゼーリックが死亡したため、
軍を束ねるべきは、航宙艦隊総司令のディッツが適任かもしれないが、
そもそもディッツが収監された理由が濡れ衣であったといえ、
また、従うべき永世総統が国家を裏切り、現在、無政府状態とはいえ、
まがりなりにも、ディッツは政府に叛意を示した人物である。
そのディッツを歓迎し、なんとか国家再建を為そうという
政府及び軍部の混乱ぶりが窺える。
反政府軍と旧政府の間ではすでに和平が締結されているのだろう。
生きていたデスラー。

手に持つグラスがいつものと違うな。
ま、旧作にはこのシャンパングラスのように下部にトゲトゲがついた
こういうのも登場し、

このグラスが「デスラーグラス」として実際に売られていたりするが
この画像、中に入ってるの飲み物じゃなくてガス生命体だからね。

旧作24話でヒスがデスラーにぶっかけられた飲み物は
このグラスに入っていたが
僕的にはやっぱりデスラーのグラスといえば
こっちだなぁ。

遭難中のセレステラを救助。
彼女ひとりしか乗っていなかったことや
デスラー亡き今、故郷でもないガミラスに戻る気を失っているところから
自暴自棄になって飛び出してきたか、もしくは
ディッツを仰ぐ新体制に反発し、逃げ出したかどちらかだろう。
同様に(?)
ゲール以下30数隻は、ディッツ提督の召還を無視して離反。
権力におもねるしか、およそ処世術を持たないゲールが
デスラーの裏切りと死亡を(おそらく)聞かされてなお
離反する気骨を持っていたとは意外だったが
物事の本質を見ようとしないゲールにとって
デスラーの生存は、輝ける錦の御旗以外の何ものでもなかっただろう。
よかったね。生き場所(と死に場所)が貰えて。
ヤマトを銀河系側のゲートに入らせるため
システム衛星を起動させているんだが
軍艦何隻もの動力を直列で繋いで無理矢理動かしている姿が滑稽なことと
この迷彩塗装・・・意味あんのか?
ゲールの艦隊に追い込まれゲートへ突入するヤマトの正面から
突如現れたのは、ディッツの命でゲールを追ってきた次元潜航艦。
当然ヤマトには敵対しない。

このガンバスターを思わせる腕組みと
ハーロックのような生身を晒した口上がイカす!

やにわにゲートへ飛び込むヤマトだったが、

藪が次元潜航艦に乗っていたことは誰も知らない。
しかしヤマトより先にレプタポーダを去ったフラーケンが
いつ藪を拾ったのかはちょっとだけ疑問だな。
次元回廊通過中

デスラー艦に拿捕され、大量のガミロイドの襲撃を受けるヤマト
この光景は、旧劇場版第二作
「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」におけるvsデスラー戦だ。
「さらば〜」では、第一作の星の崩壊でガミラス人は生存数が少なく
デスラーとタランしか登場しない。
不足分の戦力をロボット兵で賄ってるとか、そんなだったと思う。

ダーツの的とチェスの駒のような制御板や
コントロールを失ったロボット兵が
銃を乱射しながら落ちていく描写などが、そのまま引用されている。

セレステラを閉じこめた部屋は、どうやら雪の自室。
メルダも入れられた営巣をなぜ使わないのかはさておき、
外から封鎖できる仕組みに違和感を感じる。
あと、旧作23話のような
子供たちにパパとママの青春を語る古代との写真をいつ撮ったのか
また、ヤマト艦内服で土方と写真を撮るヒマなどあったのか
スペースに余裕があるのに、なぜ写真を重なるように貼るのか
など、ツッコミ処がいろいろあるな。
そして、デスラー御自らお出ましに。

旧作26話では、放射能ガスを送り込んで乗り込んできたが
本作におけるガミラス人は地球人と同じ環境で生きられるので
そういった描写はない。
従って、ここでコスモリバースを起動するような展開もない。
※旧作でも13話の捕虜は地球型の大気でも平気だったけどね・・・。
デスラーが生きていたことに感極まったか、
感情の限りを尽くしてデスラーに呼びかけたセレステラ

ジレル人は感応波、すなわちテレパシーを使えるらしく、
敵地でいきなり脳に干渉されたデスラーは
脊髄反射的にこれを射撃した。
あんなにあなたを慕っていたのに、どうして・・・
地球もガミラスも、戦う必要なんてなかったのに
お互いに相手を思いやって・・・愛し合うことだってできたのに・・・

戦いは必要だった・・・
星々を従え、この宇宙を救済に導くため・・・
そして、ただひとり・・・私の愛するひとのために・・・

愛のために手を取り合う。
愛のためにすべてなげうってひとりに尽くす。
愛のために全宇宙を統べる。
交わらない感情論。
しかしデスラー本人の口から、
覇業がスターシャのためだったとは聞きたくなかったセレステラは
死を選ぶ。
死なせまいとして巻き込まれる雪。
セレステラを失い、自らも傷を負った。
さらに機械化兵が機能を失ったことも知らされ、
どこか心折れた様子でヤマトを後にするデスラー。

誤って撃ってしまったときの表情をみる限り
デスラーに対するセレステラの想いは知っていたようだ。
そして、デスラーは強い人間ではなかった。
雪との会話に認めたくない自己矛盾を感じたか、
また、あってはならない「敗北」という汚点、
とにかくヤマトをこの世から消し去りたい衝動に駆られたデスラー
ビーム兵器の使えない次元回廊でデスラー砲を使用する。

邪魔をするなタラン、私は戦争をしているのだ。
タランを呼び捨てにしている辺りに余裕のなさが見て取れる。
このセリフ。
旧作では、残存全戦力とガミラス本星の環境特性をフルに活かして
ヤマトを陥れる作戦が順調の折り
一息入れてはどうかと進言するヒスを一喝するセリフだった。

私は戦争をしているのだよ。
私の一番楽しい時間をくだらん飲み物で邪魔しないでくれたまえ。

そう。旧作のデスラーは戦争をしていた。
国家の命運と自身のプライドをかけた最終決戦だった。
しかし本作のこのセリフは何とも空しい。
これこそ「たった一人の戦争」だ。
旧作TV版では
反射衛星砲をヒントに、真田が密かに開発していた空間磁力メッキで
デスラー砲をはね返した。
しかし、本作における波動砲(デスラー砲)は、次元爆縮砲。
ブラックホールで対象を消滅させる兵器のため、
はね返すことはできないはずなのだ。

デスラー砲に対し、艦を転進、横腹を見せるヤマト。
まさか・・・w
と思ったら、違った。よかったwww

実体弾で砲撃してくるヤマト。
主砲で実体弾を撃てるようになっていたのも
今思えば、このときのためだったのかもしれない。
それに対し「野蛮人め!」と罵るデスラー。
砲弾による攻撃は原始的だと言いたいようだが
次元潜航艦は実体弾の魚雷を使用していたし、
単に周囲の環境に適した戦術というだけだ。もう負け惜しみまで悲しい。

混濁する意識の中、それでもスターシャとの約束のため引き鉄を引くも

デスラー砲の発射に耐えきれず暴発・崩壊する船体。
ヤマトは無事ゲートを抜け、銀河系外縁へ。

凶弾に倒れた雪、悲しみに暮れる古代を乗せ、次回ヤマトはとうとう地球へ。
コスモリバースとはいったい何か、乞うご期待。
しかしなんだ、
ガミラス本星は旧作のように崩壊することなく、
盟主を失い再建の道は確かに困難だが
皮肉にもイスカンダルと手を携え、新たなガミラスに生まれ変わりそうだ。
と、いうことは・・・
もし、デスラーが死んでいなかったとしたら
私欲のために国民を裏切ったデスラーは、もう総統でいられない。
よしんば、続編が作られたとしても、ガミラスの総統:デスラーではないわけだ。
まぁ、まだ最終回を見るまで分からないことも多いのだが、
僕は、はじめから本作に続編はありえないと考えているので
たったひとりへの愛のために道を踏みはずしたデスラーの死と
ガミラスの平和への再出発、そして地球の再生。
これで決着をつけることに大団円を感じている。
たのむから続編は作らないでほしい。ちょっと早いか・・・

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