サイトアイコン 我思う故に・・・新館

宇宙戦艦ヤマト 2199 #26 青い星の記憶 

地球との通信が回復する距離まで戻ってきたヤマト。

ヤマト計画本部に芹沢の姿がない・・・
ヤマトに起きた、イズモ計画推進派によるクーデターの件が
すでに地球へ報告されていたとは思えないので
本部は本部でイズモ計画派のなんらかの動きがあって
首謀者:芹沢が更迭されたんだろうか。
国連宇宙軍極東司令部と呼称していた本部が
「こちらヤマト計画本部」と言っているので
イズモ計画派が排斥されたのかもしれない。
ガミラス兵の凶弾に倒れた雪は
地球で設備の整った治療を受けるまで保ちそうにない身体の
せめて現状を維持するべく

自動航法室のカプセルに入れられていた。
兄の死を知り、最愛の女性が今にも死にそうな中
虚勢を張り、艦内の雰囲気を和らげる古代。
その勢い、艦内で結婚式を挙げることになった加藤と原田だが
なんと出来婚でしたwww
うん・・・まぁ
生家が寺だというだけで、加藤自身は僧職ではないので、
もっとも最前線で敵兵を屠る戦闘機乗りだろうが
手順を踏まず出来婚しようが、別に構わないが
妊娠はちょっと蛇足感あります。
結婚式を強行するための理由付けに加えて、
前回のスターシャのしぐさに気付かせるための仕掛けではないかと
僕は思っとります。

ヤマトを巡る脳の神経回路様のネットワーク
死んだ古代守の記憶が何らかの方法で保存されていた・・・
そしてその意識は、コスモリバースシステムを起動させる核となった。
今や、古代守がコスモリバースシステムそのもの、
いや・・・ヤマトそのものなんだ

充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない。
これはSF作家アーサー・C・クラークが唱えた法則のひとつ。
ファンタジーを理解しやすくする言い訳にも聞こえる一説だが
ある意味真理。
地に足のついた最先端科学者である真田がこれを口にすることは
自身が持つ科学常識の敗北を認めるに等しい。
旧作の真田であれば、意地でも科学的に解明しようとしたかもしれない。
他ならぬ親友古代のことだし、新見のこともあるし
なにより、これによって地球が助かるのだから・・・
と、ため息混じりの納得。
本作の真田は旧作よりも人間らしい。
雪、死亡。
悲観に暮れる古代の雪への告白

きみが好きだ・・・この世界の、誰よりもきみが。
きみのいない地球に・・・
きみのいない地球なんかに意味があるのか・・・

すると

進・・・俺がお前にしてやれるのはこれくらいだ・・・
艦をお返しします・・・沖田さん・・・

突然起動するコスモリバースの効果で
雪、蘇生。

そして、旧作では完結編までまったく描写されなかったふたりのキスシーン
・・・まぁ、周りに誰もいないし、いいんじゃないか。
花を咲かせる碧水晶
しかし・・・
なぜだ古代、なぜ今動かしたんだ
古代、いやヤマト・・・これがお前の意思か?お前が望んだことだというのか!


真田さん、そら焦るわ

地球か・・・なにもかも・・・みな懐かしい
沖田艦長、死亡の名シーン。
ここも展開とセリフが旧作とまったく同じで嬉しい。
・・・すると
守の魂が抜けたユニットを、沖田の魂が補完するように

コスモリバース再起動。
この一連の流れが、いまいち腑に落ちない。
旧作でも沖田艦長の死と入替となるかのように雪が蘇生したが、
これは沖田艦長と命を交換したわけでも
地球の光を浴びて奇跡が起こったわけでもない。
激しく後付けくさい公式の解説によると、
旧作で雪は死んでいたのではなく
コスモクリーナーD起動の瞬間の酸欠状態から
操作者の生命の危険を回避するため、一次的に仮死状態にさせられていた。
すなわち「機械の仕様」だったそうです(ンなあほなw
この旧作の流れは、ハッピーエンドにしたかった為の
苦肉の策だったと思われますが
情緒的にはともかく
本作の流れも旧作に負けず劣らず論理的には理解しにくい。
充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない。
地球最先端科学の権化がそう語っているんだから
魔法のような奇跡が起きるのはいいだろう。
問題は真田さんが言うとおり、なぜ今動かしたのか。
他の乗員全てを失ったゆきかぜ、艦長一人だけが生き残ってしまったことを、
この上ない恥辱と感じるでもなく
「できることなら俺も一緒に地球へ還りたい」と
ぬけぬけと訴えた古代守。
自身の命の炎の最後の使い道に
全人類の悲願:地球の再生ではなく、
弟の悲しみを取り払うことを優先するとは・・・
俺がお前にしてやれるのはこれくらいだ・・・
これくらいじゃねぇよ、これ以上ないことしてるよ!
弟好きにも程がある。
おかげでヤマトが戻っても地球救えないかもしれないじゃん!
兄さん何考えてんの!
そこでだ、
沖田艦長、古代守の夢を見たと言ってましたね。
きっと話をしたのですよ、守と。
守がそうしたように、死した後の精神の使い道を悟ったのでしょうね。
松本零士による旧作初期のプロットでは
生きていた古代守がハーロックとして終盤に登場する予定だった。
これが、話数短縮でカットされたのか、
他のスタッフの猛反対でオミットされたのかは知るよしもないが
魂が艦に宿るという発想はむしろトチロー。
地球を守るために後事をハーロックに託し
自身の意思と記憶をアルカディア号のコンピューターに移植した
大山トチロー的アプローチだが、
記憶や意思を人工的に移植したというわけではなさそうだ。

わしのこの命の炎もまもなく消えるだろう・・・
だが、この艦は死なん。
この魂は、若いやつらに託したい。

守兄さんが極私的にコスモリバース起動しちゃったのは
やっぱり「なんだかなー?」だし
沖田艦長の感動の死が単なる「器の死」であって
精神には別の使い道が・・・と考えると
あのシーンでちょっと泣けなくなっちゃうんだが
沖田艦長は、自身の肉体の死と精神の死を経て
これから地球で生を育む世代へ、
ヤマトを引き継いだと言えるのかもしれない。
※これで脳死に至ってなかったとか言ったら怒りますよ。

2199年12月8日 ヤマト、地球へ帰還。
ちなみにこの日は大東亜戦争の開戦記念日であり、沖田艦長の誕生日。
沖田艦長は誕生日と命日が同じということに。
旧作では、ヤマト帰還は2200年9月6日になっているが、

どういう意図によって日付が変更されたのかは分からない。
タイトルが「2199」だから、2199年中に戻ってこさせたかったのか?
だとすると、

この完全新作劇場版は「2199」ではないな。2200かな?
続編は不要だと思っていた僕ですが
「さらば〜」をリメイクして完結にするならOKと思い直しました。
平田とかフラーケンなど、
2や3のキャラクターやエピソードを持ってくるのなら
斉藤を出さない意味が分からないし、
真田さん、徳川機関長、加藤にも死んでもらわないと
僕的には、ヤマトとして話が締まらない。
しかし、そこまで本作でやると別の話になっちゃうので
続編しかも映画というのが、なるほど正解かもしれない。
まぁ、続報でるまで待ちましょうかね。
ところで、
結局、森雪の正体は何だったのか?

第14話 リンケの精神感応攻撃で雪が見た夢を
ただの夢で済ませていいとは思えないし
雪の居る場所を感知するとか、
ユリーシャと雪に特別な繋がりを示唆するような描写が度々あった。
さようなら、もう一人の私
というセリフからは、雪が自身の分身であるかのようにも受け取れる。
完全新作の劇場版というのが「さらば〜」のリメイクになるのなら
土方からその答えがもらえるのかもしれない。
「永遠に」の要素も加味し、守とスターシャの娘が出てくるなら
イスカンダルについても、もう少し掘り下げられるかもね。
しかし、前回も書きましたが
デスラーの扱いはどうするつもりだろうか・・・
半年に亘ってお送りしてきたヤマト2199のレビューはこれで終了
長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
個人的には、あれこれ文句を言いながらも大満足でした。
来年の劇場版は観に行くと思いますが、
レビューをどうするかは未定です。
その前に、
第七章のDVDが出たら気付いたことを書くかもしれませんね。

モバイルバージョンを終了