サイトアイコン 我思う故に・・・新館

ジョジョの奇妙な冒険 第三部 #09「黄の節制」 

コミックス 15巻04章中盤~07章に該当。

ひんやり冷えたヤシの実の果汁
この店はアイスクリーム店で、アンはアイスクリームを求めているのに
セールストークでゴリ押しする店員。
実際の相場(しかも当時の)は知らないが、
これは原作でアンが言うように観光客向けのボッタクリ商品に違いない。

アニメでは、単にアンが値切っているだけなので
この微妙な感じが伝わってこない。
荒木先生の現地取材で、こういう店が気に留まったのだろうね。
こういう現地の風俗描写は、
せっかくなのでテキトーにしないで欲しいものだ。
加えてアニメでは
「ナチュラルピュアテイスト100%」と言っていないとはいえ
なんかナタデココみたいなものが浮いてるぞ・・・
(ナタデココは加工食品です
グラスならともかく、実から直接飲むスタイルのものは
氷入れて提供したりしないだろうし・・・何だコレ

財布をスられた花京院、怒りのバックブリーカー
正しくは「アルゼンチン・バックブリーカー」だが
どうせなら、ジャンプ漫画なのだから

タワー・ブリッジとでも言っておけばいいのに。

カブト虫が、コーカサスだか、アトラスだかの
何やら希少っぽい種に変更されてる。
シンガポールでは公共の場での昆虫採集などが禁じられているらしく
(間違ってたらごめんなさい)
それを採って、さらに、食う、という異常さを
そもそも表現したかったのだと思うのですが、
「昆虫はキモい・怖い」という理由で
ジャポニカ学習帳の表紙から昆虫が消え失せた昨今、
今どきは日本人でも昆虫を触れない子どもが増えたようで、
劇中の時代は1980年台末だが
子どもたちがカブト虫に興奮するのが、現代日本で伝わりにくいためか
希少種のカブト虫が集まっているという描写に変更されたものと推察する。

おれの体格がだんだん大きくなっていることに気づかなかったのかい?
カブト虫とチェリーごときでそこまで巨大化はしないだろうから
それ以外にも見えないところでいろいろと同化していたのだろう。
カブト虫を食べた後と、チェリーを食べた後に
アニメでは実際に二段階大きくなる描写があった。これはナイス。

節制のカードを暗示するスタンド使い
黄の節制イエローテンパランスのラバーソール
実は今回のエピソードは、突っ込むところが在り過ぎる。
(原作がそうだから仕方がないとか言うな
そもそも花京院(?が3人分のジュース代を払うところからしておかしい。
花京院の挙動不審に注視させるネタ振りなのでマンガ的には必要な演出だが
買うと言った承太郎に支払わせれば済む話で

自前の財布(原作ではシャネル)をギられたら、そりゃあ怒るのはわかるが
自分大好きラバーソールが、そこから身銭を切るのはあまりにも不自然だ。

法皇の緑はどうやって出した?
いや、本物ではなく出したと見せかけただけだとしても、

財布をギられて捕まえるまでの一連の流れを承太郎は見ていないし
アンにはスタンドは見えない。
法皇の緑を装ってまで、スタンドを出してみせる必然性はどこにもない。

ケーブルカーに乗って、シンガポール駅へチケットを予約に行くぜ
前回少し触れたが、一行の泊まっているホテルはマーライオンのほど近く。
マーライオンはシンガポールに大小いくつか在るそうなので
そのどれかは特定できないが、
原作でホテルシャングリラをモデルとしていることもあるし
町並みから考えてもシンガポール本島にあるホテルに間違いない。
しかし、このケーブルカーは本島とセントーサ島を繋ぐもので
海を渡るしろ、丘へ登るにしろ、
ホテルからシンガポール駅へ行くのにケーブルカーに乗る必要はない。
原作には「海外取材の成果」を誌面に載せる必要があったのだと思う。
しかし、「ケーブルカーに乗って」駅へ行くと
わざわざ原作にない表現を付け加えるくらいなら、
「せっかくだからケーブルカーで寄り道していくか」とかした方が
まだ、いくらか自然だったのではないだろうか。

原作ではずっと所在不明だった花京院、本作では途中で本物が登場。
このエピソードの間、花京院はどこで何してたの?
という疑問は連載時からあったのだが
不自然な問題がいっぱいある中、これだけがフォローされた形になった。

今回はそのまま言った「田ゴ作」
「田吾作」ではなく「田ゴ作」だが、語感は同じだ。
第06話で
「この田吾作どもッ!」が「チンピラどもッ!」に改められたのは
レーティングにまつわる蔑称への配慮ではなかったようで、
「田吾作」という活字によるビジュアルの印象と、実際にそれを発声した音感、
それらをより伝わりやすく、シーンに相応しい言葉にしたとも考えられるが
本作は極力原作のイメージ通りに作られることが基本なので、
単に、脚本家の判断の違いではないかと僕は思う。
そういうのを統合するのは、シリーズ構成の靖子にゃんの仕事だぜ。

ジョースター家伝統の戦法「逃げる!」
逃げることで相手を翻弄しつつ、逆転の機をうかがう、
かの名将 沖田十三艦長もとった戦法だ。
この場合、逃げると見せかけて、水の中に引きずり込むのが狙いなので
底を破った時点で、穴の下が水面であることが見えるのは演出としてよろしくない。
ここは、ラバーソウルにも視聴者にも
「どこへ逃げるのさ」「逃げるとどうなるのさ」と思わせなければならない。

水面へ落下途中でも、なお余裕ぶっこいてるラバーソールは
自分のスタンドがパワー型ではないことを自覚していないか
単に頭が悪いか・・・だ。
ザリガニが青いのは・・・まぁいいか

排水口に水圧のパンチ
僕は理系ではないが、これは笑うしかない。
排水口は当然、ラバーソールが立っているマンホールだけに
繋がっているわけではない。中の空間は無限だ。
そこにパンチを撃ったとて、パンチの勢いはいくらでも逃げ道がある。
仮に排水管が狭く短かったとしても
さっきまでチョロチョロしか流れていなかった排水で
排水管が満たされているとは考えにくく、排水管の中は
承太郎の腕を固定している黄の節制のスタンドでかさ増しされている
と考えるべきだろう。

黄の節制は「力を吸い取るよろい」
黄の節制で満たされた空間は、衝撃を伝えないハズなのだ。
なんだかなぁ・・・

ま、とにかく、黄の節制のラバーソール敗北
一行はインドへ
次回「皇帝と吊られた男 その1」
はじめてエピソードが分割される。
これまで1話につき一人の敵、原作2〜4章分で構成してきたが
今後、6章分に及ぶエピソードが多くなる。
ここからは各話のペース配分が難しくなるだろう。
靖子にゃんの仕事だぜ。期待してます。
余談だが:
レロレロ・・・・
想像以上にレロレロだった・・・
注)
アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」 のレビューは
コミック版との比較をしてみようというスタンスで書いています。
決して原作やOVA版崇拝者ではありませんし、アニメスタッフに喧嘩を売るつもりもありませんが
思ったことは言うというブログ自体の姿勢を崩すつもりはないので
ファンの方には、しばしば不愉快な思いをさせることがあると思います。
それについては、何というかもう・・・ご了承ください。
また、検証・認識の甘さから、的はずれなことを書くかもしれません。
その場合は、遠慮なくご指摘ください。

モバイルバージョンを終了