美少女戦士セーラームーン20周年プロジェクトとして、
2012年に制作が発表され、なんだかんだ紆余曲折を経て
本年7月ようやく公開された本作。
もはや説明不要だと思うが「美少女戦士セーラームーン」とは
1992年に原作の雑誌連載とほぼ同時に放映開始され、
それから5年間、5シリーズを通して
女児から大きなお友達までに大人気を博し、まさに一世を風靡した
「美少女バトルもの」の先駆け的アニメである。
そのセーラームーンの新作が作られる。
・・・
ぶっちゃけ、オワコン・・・もとい、
「今さら」感は、ゴシゴシ擦ってもちっとも拭えないのだが
ジャパニメーションの一時代を築いた
エポックメイキングな作品の新作であるからして
旧作をリアル視聴していた身としては
とりあえず第一話くらいは観なければならんだろう・・・
事前に入手した情報はキャラ絵とCVくらいだったので
「あ〜今度は原作絵っぽいタッチでやるんだねぇ」くらいの印象だった。
蓋を開けてみれば、新作ではなく、
旧作の完全リメイクともいえる内容(今のところ)で
僕は、武内直子による原作コミックを読んだことがないため
原作っぽい絵であることが、ただのイメージ戦略なのか、
昨今よくある「原作準拠によるリメイク」なのかは判断できないのだが
まぁ、とにかく一番の印象は
やはりというか、あれから20年経って
今さら14歳の声を演じる三石琴乃が、かなりキツイwww
主題歌が「ムーンライト伝説」じゃないのが少し残念ではあるが
旧作の主題歌をたとえば中川翔子に歌わせるというのもいささか安易だし、
戦う5人の少女たちの図式にあわせて、ももクロが歌う新主題歌は
「Pretty Guardian Sailor Moon」と歌詞にも詠われ
個人的には悪くない印象だ。
例によって、うちのサイトらしく旧作と比較していこう
本編の基本的な流れは旧作第一話とほぼ(というかまったく)同じ
寝坊してあわてて家を出たうさぎは
謎の黒猫の額に貼られた絆創膏を剥がす。
旧作では子どもたちにいじめられていた黒猫を助けるところ
本作では道端で弱って倒れていた黒猫をうさぎが踏んづける。
とりあえず、野良猫にキスはやめておきなさい。
遅刻して廊下に立たされ早弁
なるちゃんと海野からセーラーVの話を聞く
あ、セーラーVが半袖になってる。
幻の銀水晶を求めるダークキングダム
その四天王第一の刺客ジェダイト。
この第一話にはクイン・ベリルはまだ登場しない。
本作が全何話の予定なのかは知らないが
1クールやそこらであれば、四天王の扱いは相当ひどいものになるだろう。
ネフライトやゾイサイトはいいキャラしてたので勿体無いな。
なるちゃんの母親が経営する宝石店前で、守との出会い。
30点の答案をぶつけて馬鹿にされるところも同じ。
本作の守は、平時なのにタキシードを着ているww
弟の慎吾は美少年に。
しゃべる黒猫ルナからもらったブローチで、いざ変身
変身シーンは美麗なCGに描き変えられ、
カメラワークや細かな演出もより豪華にエレガントになっている。
ムーンプリズムパワー・メイクアーップ! には
恥ずかしながら少し鳥肌が立ったわwww
印象的な名乗りもそのままリメイク。
愛と正義の
セーラー服美少女戦士
セーラームーン
月にかわって・・・おしおきよッ!
変身はしたものの、戦い方も知らず何も出来ないセーラームーン。
泣き声が超音波になる攻撃(?と
タキシード仮面の登場が旧作とは逆になっている。
旧作ではタキシード仮面に
「泣いてばかりでは何も解決しないぞ」と言われてからも泣いていたが
本作では超音波で敵が怯んだ隙に
タキシード仮面が影から「やるなら今だぞ」と助言、
我に返ったところで必殺技。という流れになっている。
ムーンティアラ・アクションは、ムーンティアラ・ブーメランという
いかにも武器らしいネーミングに変更され(ティアラの形状も変わっています
投げるアクションがかなり簡素化されている。
薔薇を投げて颯爽と登場しなかった代わりに
マントを翻し颯爽と去ってゆくタキシード仮面。
翌日、校庭には第二の戦士が。
さて、率直な感想を述べさせてもらうと
絵は綺麗になったが、知っている話すぎてつまらなかった。
あまりにも旧作第一話と同じすぎる。
なんでまったく同じストーリーにしたのか意味がわからない。
原作準拠で、今新たに現代の視聴者にアピールするということならば
WEB公開という手法を選択することはないだろう。
うさぎのCVのみを旧作と同じにする拘り方からして、
どうやら本作のターゲットはお子様でないのは言うまでもなく
かつて旧作を観ていた人たち、そうでないとしても
少なくとも旧作を知っている層をターゲットとしているとしか考えられない。
旧作を観ていたママが、自分の子どもと一緒に観るというのも正直微妙だ。
当然この先ストーリーは大きくまとめられて
オリジナル要素を強めていくはずだと思うが、
仮に今回だけとしても、ストーリーの大筋だけでなく、
細かな内容までまったく同じにする必要があったのか。
演出上、第一話をあえて同じにすることで、
今後の変化に驚きをもたせる「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」方式もありだが
それほど驚きの新展開になるとも思えない。
第二話以降いきなり観る気を失った僕だが
評判次第では、改めて視聴し、再度レビューすることになるかもしれない。
一応「期待してます」と言っておきます(観ないけど。