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ジョジョの奇妙な冒険 第三部 #17「恋人 その2」 

コミックス 18巻01章~03章までに該当。
「恋人」は髪の毛一本動かす力もない史上最弱のスタンド。

しかし「史上最弱」が最も恐ろしいマギィーッ!
弱いながら、持ち前の特殊な能力を駆使して
花京院とポルナレフを翻弄する「恋人」だったが

法皇の緑の能力に本物を見破られ、あえなく敗北。
たまらず敗走し、ダンの元へ戻ってくる「恋人」。

あぁ・・・この構図はアレ・・・だな

今回のエピソードの下敷きになってるセブンにはないんだけどな。

で、今度はスタプラに捕まって
反省の色がないのでお仕置き倍率ドン!さらに倍!

20秒間の特盛りオラオララッシュは

原作でも、実に3ページ半にも亘っている。
よほど溜まっていたのでしょうね。
まぁ、ぶっちゃけ今回はこれだけのお話なのですが
スティーリー・ダンは「史上最低な男」というよりは
思慮の足りないただの馬鹿でした。
・敵の強さについて何も予習してこなかった。
・最も怒らせてはいけない男に
 つかの間の優勢に調子に乗って、不要な「恨み」を買いまくり
・立場が逆転した途端に、心の篭もらぬ土下座・靴なめ
・あげくに金で解決を図ろうとした。

漫画的に誇張されているが、
こういう性格の悪いどうにも救えない奴は、実際にいる。
それに、悪役がゲスいほど、承太郎の正義が引き立つし
それを長尺延々とぶちのめすカタルシスは、この上ない爽快感なので、
マンガの構成的には鉄板とも言えるが・・・
まったく・・・やれやれだぜ・・・。
そもそも
自分のスタンドの弱さを本当に熟知しているなら
こんな戦い方は絶対にしない。
姿を現さず、素知らぬふりをして
エンヤ婆のようにひとりずつ殺していけばよい。
「正々堂々」の真反対に生きてるんだから名乗る必要なんて無いんだよ。
こうやって真正面から、自分の能力がいかに恐ろしいかを高説して
相手の「怒り」のみならず「恨み」までもつのらせてしまったら
仮にジョセフを倒せたとしても、その瞬間
他のメンツにぶっ飛ばされることは火を見るより明らかだ。
だいたいが、イソップ童話の「うさぎとかめ」は、
力が弱くても自分の能力を熟知していた者が勝つ、という話ではない。

うさぎは自分の能力を過信し、余裕ブッこいてたから油断が生じ、敗北した。
亀は自分の能力の限りを、ひたすら出し尽くした。
すなわち「おごる平家は久しからず」
慢心することなかれ、実直に努力・研鑽を重ねなさい
というのが「うさぎとかめ」の教訓であり、
この場合、ダンは
「能力を過信し余裕ブッこいた」うさぎだったというオチ。これはわざとだ。
「史上最弱」が最も恐ろしい
なるほど、確かに恐ろしい能力だったが、
本体のダンが愚かに過ぎた。これに尽きる。
今回のレビューが遅くなったのも
この数々のホームラン級の愚かしさ、バカの数え役満が
書いててしんどかったからだ。
まだJ・ガイルやラバー・ソウルの方がキャラクターとして数倍魅力的だわ。
「背中をかけ」「クツみがきしろ」「橋になれ」
人の自尊心をズタズタにしたいのなら
もっと屈辱的な仕打ちはいくらでもある。
ジョジョは少年マンガであるからして
誌面(TV)で表現できることには限界があるだろうが、
それにしても、やること為すこと中途半端で
ダンの馬鹿さ加減には、父ちゃん情けなくって涙出てくらぁ
さて余談ですが:
「恋人」が職場放棄して敵前逃亡し始めると同時に
花京院に促され、波紋疾走で肉の芽を処理するジョセフ。

この描写は原作にはなかった。
スタンドは逃げたが、肉の芽を放置してたら
ジョセフの脳は食い破られちゃうじゃん!
 てな発想だろうが
ぶっちゃけ蛇足だ。
これを見せてしまうと、脳に「恋人」が居ようが居まいが
肉の芽だけは波紋で処分できたんじゃねぇの?という疑問が生じてしまう。
あと、ついでに
最後に人質に取ろうとした女の子の耳から

「恋人」が引っぱり出される様子が描かれているが、これも原作にはない。
どうせスタンド使いが再起不能になったらもう悪さもできないだろうし
これはどっちでもいいけど、肉の芽と同様の発想だと思う。
そう思うと、やっぱり蛇足・・・かな。
注)
アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」 のレビューは
コミック版との比較をしてみようというスタンスで書いています。
決して原作やOVA版崇拝者ではありませんし、アニメスタッフに喧嘩を売るつもりもありませんが
思ったことは言うというブログ自体の姿勢を崩すつもりはないので
ファンの方には、しばしば不愉快な思いをさせることがあると思います。
それについては、何というかもう・・・ご了承ください。
また、検証・認識の甘さから、的はずれなことを書くかもしれません。
その場合は、遠慮なくご指摘ください。

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