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ONEPIECE 770「エルバフの槍」 

崇拝していた男に裏切られ進む道を失ったベラミーの最後の意地。

しかし、もはや友だちと位置づけている男との不毛な敵対関係に
ルフィは戦う意義を見出せない。
我々から見ると、ベラミーはひたすら哀れである。
ルフィはそういう「上から目線」で相手を見ることはないし
真剣に命をかけて戦いを挑んできたベラミーの気持ちを
茶化すことはできないとはいえ、
ルフィにはベラミーをぶっ飛ばす理由がない。死なせたくもないだろう。
だが
片腕を失い1対2の超絶不利に立たされているローに早く加勢しないと
肝心の目的を遂げられない。

やはりここはひとつ、ベラミーには悪いが
ワンパンで黙らせるのが最善だろう。
そのワンパンは、かつての戦いのような「怒り」も「爽快感」もなく
ただ虚しいものになるかもしれないが・・・。

僕にはウソップとの戦いが思い出されてしかたない。
さて、今回の見せ場を持っていくのはハイルディンである。

新進気鋭、エルバフ出身のルーキー、ハイルディン。
全巨人族の王となるヒュージィな夢を抱え、傭兵をしているようだが
「海賊傭兵」とは、本業は海賊だが訳あって傭兵の身ということか。
ドリーとブロギー率いる巨兵海賊団が100年間開店休業中のため、
エルバフの海賊は現在活動していないのかもしれない。
新世代と言われているように、若者らしく夢が大きいのは良いことだ。
しかしドリーやブロギーに感じた、
エルバフの桁外れに壮大な存在感・威厳・伝統などは、彼からは感じられない。
若さゆえ、実力が伴わず思い上がりも甚だしいが
彼にもエルバフの魂「誇り」は受け継がれていたようだ。

受け継がれる「誇り」こそエルバフの宝。
試合にゃ負ける、オモチャにされる、
助けてもらって恩も返せねェ・・・

死ぬ気で臨んだ「恩返し」で恩を返せず死ぬことも、
おめおめ生き延びることも、
それはエルバフの戦士の誇りが許さない。
全身の骨が砕けようとも、腕一本残っていれば敵を倒せる。
「命あるかぎり戦え」と沖田十三艦長も申しております。

かくしてマッハバイスの1万トンを「英雄の槍グングニル」で突き返した。
・・・そんな馬鹿な
これはパワーや技術ではない。
彼の中のエルバフの血が成し遂げさせたと考えようじゃないか。
まぁ、ハイルディンが誇りをかけた恩返しの内容は
「ドフラミンゴを討ち取る」ことだったんだが、そこまでは望むまい。
ところで、僕が気になるのはマッハバイスである。

マッハバイスは「超体重人間」
ワルを意味する「VICE」ではなく「VISE」の意味は「万力」。
設定当初は、異常な力自慢の能力だったのかもしれないな。
ミス・バレンタインのキロキロの実の能力は
「1キロ〜1万キロまで体重を自在に操る」とのことだったが
では、バイスの能力は1トン〜1万トンかというと、そうではない。

見た目の体重以上に軽くすることもできるようなので
これはもう「キロキロの実」の完全上位互換と言ってもいい。
この能力の弱点は、攻撃の仕方にある。
直接的な攻撃力が「重さ」しかないので、
踏み潰すか、押しつぶすしか攻撃方法がないのだ。
避けられれば何の効果もなく自爆する能力であり、

事実、自爆したバイスはその後、腹が痛くて動けなかったこともある。
確かに上空から勢いをつけて落下してくる超重量は脅威だし
重力加速度をつけた衝撃は実際の重量をはるかに凌駕するだろうが
仮にサファイヤの鎧を奪い取っても(謎w)早く落下することはなく、
一対一で対峙した場合
自由落下する物体を避けることは、さほど難しいことではない。
ハイルディンの場合は巨体が災いしたと考えるべきだろう。
この能力は、
まず至近距離から相手に倒れこむことで腕や足を潰すことからはじめ、
相手を逃げられなくしてから、
ムーンサルトなり、シューティングスタープレスなり自由に決めればそれでよい。
いきなり飛びかかるのは愚の骨頂だ。ちっとも能力を活かしていると言えない。
それはそうと、バイスには「たぬき」っぽい尻尾があることをご存知か?

過去編では、ファミリーの面々が臨戦態勢に入るときに
その前のカットでは描かれていなかった尻尾が描かれている。
能力を発動するときに生えるのだとすると、
バイスの能力はキロキロと同じ超人系パラミシアではなく
動物系ゾォンである可能性がある。

左:連載時 / 右:単行本
一部、連載時に描き漏らしていた尻尾を単行本化の際に描き足しているので、
次の76巻で、この762話の過去編に同様の描き足しがないようなら
バイスは動物系ゾォンで確定だ。
一体何の動物だろうか・・・? ぶんぶく茶釜・・・違うな・・・
余談ですが:
マッハバイスって・・・
テレンス・リーに似てるよね。

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