これはケッサクだ!
ネットで見かけ、
またどこかの小器用なファンが作ったネタ画像かと思ったら
マジで講談社からリリースされてて驚いた。
圧倒的戦力を誇る「巨人」を駆逐するために
一方的に「永遠のライバル視」をし、
長年蹂躙され続けてきた人類=阪神ファン=関西人 というわけか。なるほど
分かったような、分からないような・・・
また、分かりたくないような・・・
実際には「関西弁」というよりは「大阪弁(河内弁を含む)」っぽいが
一緒にしてほしくないであろう京都の人は、別に相手にしないだろうし、
何より関西以外の人にはその微妙な違いは、拘ったとて意味が無いので、
大きな括りで「関西弁版」でもいいだろう。
「巨人ファン」が悪口www
「大阪人でもこんなこと言わへんで」というような言葉や表現もあるが
いわゆる「ベタ」というやつだ。
それっぽくて面白いなら「そやで」と許容できてしまうので
この作品に限らず、間違った大阪弁が横行しようとも
ある程度なら大阪人から不満が出ることはないだろう。
内容はオリジナルとほぼ同じ。
しかし・・・
こうも変容するかと驚愕するほど受ける印象がまったく違う。
言葉遣いと会話の掛け合いのノリ以外で大きく異なるのは固有名詞だ。
たとえば、エレンたちが鍛えられた訓練兵団は「NSC」と呼ばれており
なぜだか皆はNGKの舞台に憧れているらしい。
(成績優秀者はいいネタを書いてもらえるとかな
また、兵士のエリート「憲兵団」は「新喜劇」に。
人類を守護している三重の壁の名称が
外から「ウォール・ウメダ」「ウォール・ナンバ」
「ウォール・テンノウジ」となっている。
中枢が天王寺で、一番僻地が梅田というのは一瞬「?」なんだが
日本一の超高層ビル「あべのハルカス」のおかげで
去年急激に知名度を上げた天王寺を重要地に持ってきたようだ。
(はや、ピークは過ぎたらしいが・・・
あと、キャラクターの名前はオリジナルとほぼ同じなんだが
「ミカっさん」「ハンネっさん」「サッしゃん」みたいな
関西弁ならではの呼び方は、個人的に好感度が高い。
そして、エレンと同期のメンバーで唯一ジャンだけが
なぜだか「川藤幸三」という名前に。
(川藤幸三が誰だかわからない人はググりなさい。
田淵でも掛布でもなく、なぜ川藤なのか、
この絶妙にビミョーなチョイスからも、
巨人vs.阪神の構図が企画の下敷きにあることがわかる。
いずれ、エルヴィン団長あたりが
金本知憲という名前で登場するかもしれない。
細かいところでは、冒頭の壁外調査で帰らぬ人となった兵の名前が
「ブライアント」になってる。(オリジナルは「ブラウン」でした
阪神には居なかったと思うので、近鉄のラルフ・ブライアントのことだと思うが
設計上人間にはムリとされた東京ドームの天井に打球を当てて
長嶋の度肝を抜いた、あのブライアントのことだとしたら
ずいぶんひどい扱いだと思わざるを得ないな・・・
あとは、
東京では「二人いたら漫才がはじまる」と言われているらしい
大阪人同士のひつこいくらいにウェットでウィットなやり取りを楽しめばよい。
「ノリ天」など少し難易度の高いネタも織り交ぜながら
キャーンゆわす、
巨人(でっかいおっさん)を駆逐する(ぼてくりまわす)、
スパワールド、大花師匠、ヘレンちゃうエレンや! などなど
擬音もいいね。
「ガッサー」とか「ガーーッと」とか
大阪弁コミュニケーションの機微が分かる、こまかい表現が満載だ。
ルビまでしっかり読み込んでほしい。
しかし、この面白さが、
関西弁ネイティブ以外の人にも、本当に理解して貰えてるのかちょっと不安だ。
余談だが:
痛快エブリデイ、ナイトスクープは一度でいいわ。