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ジョジョの奇妙な冒険 第三部 #37「ホル・ホースとボインゴ その2」

おことわり)
アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」 のレビューは
「原作準拠」の検証の意味も込め、コミックとの比較をするスタンスで書いています。
往々にして揚げ足取りの文章となるため
ファンの方には、しばしば不愉快な思いをさせることがあると思いますが、
筆者は決して悪意を持ってはいないことをご理解の上読み進めていただけると幸いです。
また、検証・認識の甘さから、的はずれなことを書くかもしれません。
その場合は、遠慮なくご指摘ください。

コミックス 23巻09章~24巻02章までに該当。
前回に引き続き、今回も27話同様に、敵スタンド使い視点での物語。

前回、もうやぶれかぶれでマンガの予知通りに
ポルナレフの鼻の穴に指を突っ込んだホル・ホース。
何がどうなるのか理解も、予測すらできないうちに
しかし、鼻に指を入れたことに起因する
クシャミ → ずっこけ & 壺割る → 車スリップ
の、ミラクルコンボで予言通りの結果に。

印刷に出た予言は、絶対なんです、運命なんです。
予言の通りに行動すれば、すべてうまくいく。

エンディングの歌詞の通り、
ボインゴのスタンド「トト神」の予言は100%ハズれない。
いや、実は「ハズれない」と言い切ってしまうと齟齬が生じる。

毒入りの紅茶を飲んでしまいました ゴク!
と予言が出たのに、
実際は口に含んだだけで飲み込んでいなかったこともあるし、
なにより表現が非常に貧困で曖昧なため、
ねじ曲げて解釈すれば、如何ようにも受け取ることができるからだ。
まぁ、ノストラダムス然り
所謂「預言書」というものは、そういうものなのかもしれない。

ともかく、マンガの予言は100%当たる。
仮面ライダーライアの占いよりも当たる。
27話での失敗は、オインゴがうっかり承太郎に変身してしまったためで
そんなことをしなければ、オインゴではなく本物の承太郎が
爆弾でふっ飛ばされていたはずだ、とボインゴは言う。
すなわち、予言に描かれたことは
「何らかのカタチで」100%実現するということで、

身長・体重・臭いまで完璧に再現したことで、
決して承太郎ではないし、学ランも着ていなかったオインゴが
予言の対象となる可能性を自ら作ってしまった。ということになる。
しかし果たしてそうだろうか。
オレンジ爆弾を仕掛けた流れで逃げられなくなったことも含め、あれは
変身しなければ本物が爆発していた、のではなく、
最初から
「オレンジ爆弾を仕掛けたオインゴが、
逃げられないまま「承太郎」というキャラで爆発する」

という予言だったのだと思う。
なにせ、100%当たる予言なのだ。
予言に出た通りの結果を導きたいからといって、
無理やり予言に沿った行動などしなくとも、
放っておいてもそういう結果が出るはずだ。
読んだ人間に努力義務が課せられるものなど「予言」とは言わない。
せいぜい「占い」か「お告げ」だ。
おそらく、これまで兄弟でケチくさい使い方しかしてこなかったので
ボインゴは自分のスタンドでありながら
「トト神」の能力の本質を理解していないのだ。
なので、

予知どおりなんだってやるぜ!
指もつめるし、クソだって迷わず食うぜ!

というのは、もう前提が間違っている。 
が、それだけの必死さはヒシヒシと伝わってくる。
気持ちはわかるぞ、気持ちはな。
12時ジャスト!

このコマには、もともとセリフもト書きも書かれてはいないが
ページを戻って読み返せるマンガとは違い
見過ごすと、時計が12時を指していた事に気づいてもらえない
アニメというメディアならではの、苦し紛れのボインゴナレーションだ。
その分、命中のコマの
「正午キッカリに」という文言を音読しなかったことで、
この後の演出とその緊張感に拍車がかかっている。
しかし実はこれは大いなるミスリードなのだ。
まるで緊張感のない下水工(当たり前だが)、
迫るタイムリミット、散らばる小銭ww

パイプの中に弾丸をありったけブチ込めば・・・

外れた!!
しかも、外れた主要因は「鼻に指を入れた」ことだ。
ここで衝撃の事実
ホル・ホースの腕時計はすすんでいたッ!

すっ…するとオレは正午前に弾丸を射っていたことになるッ
今から正午だッ!何が起こるんだッ!

そう。これから起こることはすでに予言されていた。
ホル・ホースは予知どおり12時ちょうどに弾丸をブチ込み有頂天になっていたが
重要なのは、12時に撃つことではなく、12時に命中することだ。
ま、通常、撃った弾丸が命中するまで何秒もかかるものではないので
「撃つとき=命中するとき」なんだが・・・
マンガの予知では
「正午ピッタリに命中する」のだ。
しかも「承太郎」の額に命中するとはどこにも書いていない。

命中! そして予知も的中!
ホル・ホース再起不能
ボインゴも、せっかくの精神的成長の第一歩につまづき再起不能に。
次回:地獄の門番 ペット・ショップ その1
余談だが:
トト神のマンガ本は、基本的に原作コミックの完全トレースなのだが
27話のときと同様、一部文字が消されていたり修正が加えられている。
ちなみに
ボインゴのシャツの名前は、
海外版では違う名前で呼ばれている都合上、消されているのではないか、と
情報をいただいた。
しかし、それも、本の表紙の文字やフキダシが海外版では消されているため
日本語版においても消す必要があったのかどうかは疑問が残るのだが。
ホル・ホースに向かって突っ込んできて、
オイルで滑って、承太郎たちを巻き込んで激突したトラック・・・

原作では荷台に土木資材が積まれていたが、アニメでは空のトラックなのに

マンガの中では原作と同じようにセメント袋やツルハシが描かれている。
これは無様だ。どっちか修正しておくべきだった。

あと、背景の建築物の
丸いとんがり帽子の屋根が、根こそぎ削除されているのは
なぜなんだぜ。
イスラム風なのがまずいのか? またなのか?
いったい、なぜなんだぜ。

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