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ジョジョの奇妙な冒険 第三部 #41「ダービー・ザ・プレイヤー その2」

おことわり)
アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」 のレビューは
「原作準拠」の検証の意味も込め、コミックとの比較をするスタンスで書いています。
往々にして揚げ足取りの文章となるため
ファンの方には、しばしば不愉快な思いをさせることがあると思いますが、
筆者は決して悪意を持ってはいないことをご理解の上読み進めていただけると幸いです。
また、検証・認識の甘さから、的はずれなことを書くかもしれません。
その場合は、遠慮なくご指摘ください。

コミックス 25巻05章中頃~10章中頃までに該当。
jojo-SC_41a.jpg
ハリケーンミキサー!!(違
花京院の28番がァーッ
例のスピンでダービーの車をコース外にふっ飛ばしたァーッ!!

ゲームの裏コマンドなので、技自体は受け入れよう。
そういう裏技がプログラムされているゲームなのだ。

しかし、一車両分以上の差があると
同じ限界速度で宙を飛んでいるマシンが何をしようともカスリもしないはず。
原作では、花京院の28番は

辛うじて触れることの出来る位置に居るし、
両車ほぼ同時、しかしわずかにダービーが先に着地する衝撃のその瞬間に
距離を詰めて接触させた、とも受け取れる描写が為されているのだが、
本作では、宙に浮いた状態で「なぜか」追いつき、弾き飛ばした。
ただでさえ杜撰なゲーム描写なのだ
こういう細かい部分だからこそ、説得力を持たせてほしい。

裏ワザを読み(あえて誘発し)、
さらにそれを逆に利用するというダービーの恐るべき計算と技術に
敗北を認めてしまった花京院は魂を抜かれた。
さてここで、前回ご指摘いただいたアトゥム神の左手だ。
本作では原作にあった
「肘から先をちぎり飛ばすくらいの力がある」という説明を省いたため
「右腕を人質に取られた」と言うよりは

「なんだか気持ち悪いハンデを負わされた」くらいにしか見えなかったが

確かに「アトゥムの腕を承太郎の魂にくい込ませたまま”置いてきた”」
と言っていたにも関わらず。

花京院とのレース中にアトゥムの左手は明らかにパッドを握っていた。

原作ではレース中アトゥムの左手は描かれていない。
さらに、

花京院が魂を抜かれるときにアトゥムは左手を使っているが
原作ではその直後、
承太郎が、自分の右腕にアトゥムの左手がもう憑いていないことに気付く。
何の不自然なところもない流れだ。
ところが本作では
承太郎が次の勝負を承諾し「魂を賭ける」宣言をしたあとに
言質がとれたのでもう人質は不要とばかりに戒めが解かれる。
では、ゲーム中はもちろん、
さっき花京院の魂を抜くときに
フェルト人形にせっせとパンヤを詰めるがごとく
器用に使っていた左手は何だったのか。
承太郎が勝負を受諾したあとに腕を外すように
順番を変更したのはわかりやすくて良いと思うのだが、
アトゥムの左手の扱いは、どうにもいい加減すぎて腹立たしくさえある。
承太郎との勝負は野球ゲーム
承太郎の「ジャガーズ」vs.ダービーの「レッド・ドラゴンズ」
プレイボール!!
ネット裏の塔中央にたなびく「LUCKY LAND」の旗。
意味分かって使ってるんだろうな・・・
F-MEGAのマシンには書いてなかったので、その替りのつもりだろうか。
ゲームはまったくの初心者である承太郎
一回の表の攻撃でブザマな空振りを繰り返すが
三人目の打者の三球目
ホームラン。
そしてそのまま連続ホームランで、スコアは一挙4-0。
すごくいい目と、素早く超精密な動きをするスタープラチナの本領発揮。
なるほど、過去の知識および随時適切な判断と技術を求められるカーレースや
長期に亘る戦略の先読みが必要なチェスなどとは違い、
投球ゾーンの限られた範囲のみに反応すれば良く、
反射神経だけで得点を重ねられる野球はスタプラの独壇場かもしれない。
ただし、その優位は攻撃回に限られるので
野球ゲームを選び、先攻を選んだ承太郎の狙いは、ここまで上首尾だ。
ところがここから様子が変わる。

ここまで持ち前の「知識と技巧」で純粋にゲームで戦っていたダービーが
アトゥム神の能力を使うからだ。
キミはどこを狙っている…? 高めかな? 低めかな?
承太郎の投球直前
「揺さぶり」とも取れるダービーからの問いかけのタイミングが
原作と少し違うのは、その能力が判明した際に齟齬がないようにだ。
館の入り口での一合のときから感じていたアトゥムの謎の能力。
「相手の心の中を読む」
かつてない能力にどう対応すればいいのかわからない。

ここで強気に出た承太郎は、いかにして勝利するのか。
次回:亜空の瘴気 ヴァニラ・アイス その1
・・・ん?
今回、ダービー弟編は最後までやると思っていたんだが届かなかった。
前回が原作ベースで5.5話分、今回が5話分。
ダービー弟編は、あと1.5話分残っている。
終盤になるにつれ、アニメの話数に余裕がなくなってきたのか
それとも綿密な計算のもとなのか
中途半端なところでエピソードが続きになることが増えてきた。
いや、「ここから承太郎が逆転するぜ」という
絶好の盛り上がりどころで”続く”なのだから
次回への”引き”としては、かなり優秀な部類だとは思う。
しかし、予告でこの続きのダービー弟とのやりとりだけを見させられて

このサブタイトルは、さすがに違和感を禁じ得ない。
そして気になるのは、ヴァニラ・アイスのCVだ。
OVA版では青野武さんが演じていたが
これがなんとも渋すぎて・・・
アイスの猟奇性やエロティシズムを再現できているとは言い難かった。
誰が演じるのか、非常に気になるところだ。
・・・まぁ、OVAではDIO役ですら、田中信夫さんという、
若々しさやセクシーさを微塵も感じないキャスティングだった訳だが。
「大物」としてのラスボス感は出ていたが
100年生きる魔性のカリスマという感じではなかったなぁ・・・

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