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ジョジョの奇妙な冒険 第三部 #44「亜空の瘴気 ヴァニラ・アイス その3」

おことわり)
アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」 のレビューは
「原作準拠」の検証の意味も込め、コミックとの比較をするスタンスで書いています。
往々にして揚げ足取りの文章となるため
ファンの方には、しばしば不愉快な思いをさせることがあると思いますが、
筆者は決して悪意を持ってはいないことをご理解の上読み進めていただけると幸いです。
また、検証・認識の甘さから、的はずれなことを書くかもしれません。
その場合は、遠慮なくご指摘ください。

コミックス 26巻7章~27巻1章までに該当。

身動きできないまま「クリーム」の暗黒空間に姿を消したポルナレフ。

意識が朦朧としながらも、ヴァニラ・アイスの目から未だ執念の炎は消えない。
しかし・・・

ポルナレフは瀕死のイギーの「愚者」に救われていた。

ザマァミロ、とばかりに不敵な笑みを残して、イギー死亡。
野良犬に誇り高き魂などない、とアイスは言った。
だがスタンドとは魂の発露。
イギーの魂はひとりでに動いていた。動かずにいられなかった。

原作にはない大川透の力強いナレーションが
死に瀕してまで仲間を救う崇高な戦士の魂を印象づける。
反撃一閃
眉間を串刺しにし、頚椎をへし折った。

それでも起き上がるアイスの不死身の肉体は
DIOの血によって吸血鬼になりかけているからだった。

陽光に滅するアイスの肉体。

「魂まで薄汚れた吸血鬼」
原作と微妙にセリフが異なるのは、
原作のままだと、DIOと同じ吸血鬼の肉体を持てたことに
アイスが歓びを感じてしまう可能性があるからだと推察する。
DIOの体質・存在を愚弄することでアイスを煽り
さらに、イギーの誇り高い魂をを侮辱した罪を責めているのだ。
尊敬はできなくとも、
一部、関心するほどの忠誠心と執念を持っているかに思えたが、
もはやこの敵は名誉ある好敵手ではない。
「魂まで薄汚れた吸血鬼」なのだ。
もうまともに剣を交える価値もない。
日差しの中へ背中をトンと押すだけだ。
「地獄でやってろ」とはそういう意味だ。
ポルナレフが守り切った仲間の誇り。
その成果だけを胸に天に召されるアヴドゥルとイギーの魂は

ポルナレフに檄を飛ばしているかのようだった。
この、魂がふるえる感動の幕切れ。
ちなみにOVA版ではどうだったかと言うと・・・
少し次回のネタバレが入ってしまうが、
まずアヴドゥルは
DIOの棺を開けた瞬間、いつの間にか致命傷を負わされ棺に寝かされていた。
DIOの能力の秘密を皆に伝えようとしたそのとき、

天井から現れたヴァニラ・アイスに、手足を残して一瞬で消された。
その際
ずっと憎まれ口を叩いていたポルナレフをかばっており
命を救われたポルナレフの自責の念はかなりのものだとは思うが
そういうくだりはインドですでに似たような展開があったし、
(インドの「吊られた男」と「皇帝」の話の方が、後で制作されているんだが)
アヴドゥルのこの最期は、あんまりだ。
アヴドゥルがいきなり殺されたことと、
目の前のDIOにビビって、キャーンいうてイギーは逃げ出す。
畜生感まる出しだ。
結局ヴァニラ・アイスとは、ポルナレフひとりで戦うのである。
傷つき、追い詰められ、もう動けない。

先のアヴドゥルをマヌケ呼ばわりする憎っくきアイスに
悔しくて涙するポルナレフ。(泣くなよ…
そこへ

通路の向こうから怒涛の勢いで押し寄せた「愚者」がアイスを壁にプレス。
見下していたイギーを見直し、仲間と認め素直に感謝するポルナレフ。
しかしアイスはまだ死んでおらず、

哀れイギーはAパーツだけになって死亡。

怒ったポルナレフは奮起して斬りつけ、アイスを倒す。
不死身はどこいった・・・DIOの血もらったし、牙生えてたろ・・・
浅い…浅すぎる・・・
仲間への想いも、敵への思いも、実に中途半端にしか描かれていない。
OVA版屈指の残念エピソードだ。
話は戻って
一方、承太郎、ジョセフ、花京院は
待ち伏せていたヌケサクの罠をあっさり回避。

女でも平気で殴る承太郎はまぁ分かるとして、
若い頃はけっこう女性に弱かったジョセフが
明らかに怪しいヤツがいたとしても、
仮にも女性の「顔」に鉄拳を叩き込むのを平気で見ているのには少し違和感がある。

フェミニストの花京院は、原作ではダンマリだ。

いくら吸血鬼だろうが、てめーをこま切れにもできるんだからな
吸血鬼を脅すならジョセフが波紋を使えば一発なんだが
そこまで面倒な相手ではないことがわかっているらしい。
まぁ、ヌケサクというのはそういうキャラクターだ。
ふたたびポルナレフ
いよいよお出まし
悪の枢軸
DIO!
次回:DIOの世界 その1

ありのまま…今起こった事を話すぜ!
余談だが:

50年前知り合って以来、
期待を裏切られたことはただの一度としてありません…

家族の絆、信頼って素晴らしい。
期待したことは裏切らないんだろう。しかし・・・
まだこのときスージーQは知らないが
すでに東方朋子は仗助を産んでいますけどねw

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