Cogito, Ergo Sum

我思う故に・・・新館

ONEPIECE 798「ハート」

 




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ひとり姿をくらましたローが向かった先は、
やはりセンゴクのところだった。
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七武海の称号を剥奪されたローである。
センゴクが現役の頃なら、穏便な目通りは叶わなかっただろう。
しかし、今は元帥職を退き「大目付」の立場であるセンゴク。
「大目付」というのがどういう位置づけなのか、いまいち分からないが
すでに退役した海兵による”嘱託”なのだとしたら、
職務より自己の感情を優先することもあるだろう。
何より、ロシナンテの謎の死についての情報を持ち
死を悼む感情を共有できる唯一の相手がローなのだ。
座を設けてじっくり話すことはできなくとも、
最低限の言葉のやりとりくらいは許されてもいい。
自分が息子のように愛したロシナンテ。
そのロシナンテが、命を賭して生かしたローに、
ロシナンテの気持ちを代弁した言葉を告げる。
op_798b.gif 自由に生きろ。
エースの処刑時、ルフィ討伐を躊躇したガープに「貴様も人の親だ」と言を下した
これは元帥時代のセンゴクでは考えられないことだ。
ドフラミンゴを倒し、ドレスローザを救ったことで、
13年間の本懐を遂げたロー。
ふと立ち止まってみると、自分の人生は
本当にコラさんが望んだものだったのか、分からなくなった。
「D」が何なのか、漠然としか分からないのだから無理もない。
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それを諭すセンゴクの言葉は重い。
しかし、ゴールに辿り着いてしまった。
ローはこれから何を考え、何を求めて生きていくつもりなのか。
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まぁ、脱出時の行動から、生き延びる意志は感じるし、
仲間を先にゾウへ行かせているということは、
ドフラミンゴを倒せばそれで終わりなのではなく
何かその後のことを考えていることは間違いない。
ローのこれからの行動に期待する。
ゾウに着いたら、同盟は解消・・・かなぁ・・・。
その頃、逃げる海賊・闘士たちに迫る、大将藤虎の能力。
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こんなのどこにも逃げ場がない。
しかし、遅れて駆けつけたルフィは
op_798f.gif 喧嘩上等!
「いつか倒す」じゃ、もうダメだ
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「大将」だろうが、「四皇」だろうが、
全員ブッ飛ばして行かなきゃ
おれは「海賊王」にはなれねェんだ!!!

魚人島でホーディを相手にした時にも言った。
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2年の修業は、その為だったのだ。
ようやく来た。大将との直接対決!・・・なんだが・・・
この二人のバトルを本気で描いたら、すごく長くなるよね。
物語の展開としても、個人的にはこの戦いは先延ばしにして欲しいんだが
藤虎が手を引く、というのは考えにくいし、
もちろん、あっさり勝負がつくとも思えない。
藤虎が献ポポし過ぎで力尽きるってのも、ちょっと無理があるか・・・。
ルフィが大将にも一歩も譲らない強さを見せつけながら、
ここでは勝負がつかずに、ひとまず脱出する気がするなぁ。
横槍が入るのかなぁ・・・・
余談なんだが:
先日、TVスペシャルの「エピソード・オブ・サボ」を観た。
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その冒頭でサボがエースの墓参りをするシーンがある。
668話の扉絵になってるあのシーンだ。
白ひげとエースのこの墓標は、590話において、
シャンクスの手引で白ひげ海賊団の団員たちが建てたものなんだが
590話と668話では、ふたりの墓標がなにか違うように、僕は思う。
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海賊旗が両話で同じようにはためいているにも関わらず、
590話で風にたなびく白ひげのコートが、
668話の方ではずっしりと垂れ下がっている。
モノクロ原稿では黒く塗られていたエースの帽子も、白っぽく
エースの短剣、白ひげのコートと同じようなテクスチャーで描画されており
これは思うに、
590話の追悼時は帽子やコートは本人のものが飾られていたが
後に、それらを模したモニュメントに作り替えられたのではないか。
この668話扉絵での点描のテクスチャーは、
石造りであることを意味しているのだと僕はかねてより考えている。
まぁ、2年間も風雨に晒されれば、
色は褪せ、布のしなやかさも失われるであろうから、
布製のコートも帽子も風化し、
すっかりカピカピになっていることの表現である説も否定はできないのだが
それではロマンがないし、故人の扱いがあんまりだ。
いずれにせよ、TV版のように
2年経った今も、往時のまま色鮮やかに現存している
なんてことはあり得ないと思うのである。
追記:
解答出た。
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コミックスのカラー版ではこうなっている。
カラー版コミックスの彩色は、もちろんオダッチがしているわけではないが
特に指示がなければ、彩色スタッフはTV版のように往時の着色をしたはずだ。
素材が石かどうかはこの際関係ないとして、
これは、オダッチから
「グレーで塗ってね」という指定があった証拠にほかならない。
つまりはそういうことだ。
こういう部分を徹底できていないのが、アニメ版の非常に残念な部分だ。
あげくこんなのまであったしな。

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