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ONEPIECE 799「親と子」

ルフィvs.大将藤虎の一騎討ちは、
戦場上空に藤虎が集めた国中のガレキのせいで、海兵による野暮な邪魔は入らないが、
正面から正々堂々、しかし一種異様な様相を呈していた。

ルフィが殴るの蹴るの、叫んでから手を出しているからだ。
いや、ルフィはいつも技名を叫んでいるが
それは外連味と「少年漫画だから分かりやすく、真似しやすく」という事情を除けば
ルフィが自身を鼓舞するためにしていることだろう。
今回は少し様子が異なる。

なんとルフィ、目が不自由な藤虎との戦いにハンデがあることを嫌ったようだ。
理由は、イッショウのことを嫌いじゃないから。
男には退けない戦いがあり、ルフィだってそのときはきっちり腹を括る男のはず。
ウソップが申し込んだ決闘には手を抜かず全力で応えた。
つい先だっても、ベラミーの心情を理解したからこそ最終的にKOしたし、
マリンフォードでは心を痛めながらもガープを殴った。
そのルフィが、
海賊王になるためには、なんぴとたりとも打ち倒す。
一時的に逃げたりもしない。
と言った舌の根も乾かぬうちに、
なんとも半端な覚悟で藤虎に挑んでいる。やはりルフィはルフィだ。
藤虎にしてみれば許しがたいことだろう。
必殺の覚悟で臨んだ戦いで情けをかけられたのだ。
しかし、それには藤虎の側にも理由があった。
藤虎は、海軍の掲げる「正義」を背負いながらも、
それとは別に、自身の信じる確固たる「正道」を持っている。
職務と個人の感情は、別と割り切っているプロフェッショナルである。
そう、イッショウ個人の感情としては
ルフィを打倒するべき「悪」とは認識していないのだ。

男の戦いには「立場」がある。こっちは我慢して「立場」を貫いているのに…
これがイッショウの本音だが、
職務に私情は挟まないはずだった。
しかしあまりにも純粋なルフィの「好きだの嫌いだの」に当てられ
本音を吐いてしまった。

結局、ドレスローザ国民だけではなく、
周囲をたちどころに味方につけるルフィの能力に、
イッショウも魅せられてしまった。
元帥サカズキの命に背くかたちとなった藤虎。
今後、海軍での立場はどうなるのか。
麦わらの一味にふたたび剣を向けることはあるのだろうか。
さて、ドレスローザの恩人のためにと体を張った国民たちのおかげで
ガレキを落とされることなく退路を進む一行。
人心地ついたところで、話はおかしな方へ向かいだした。
ドンキホーテファミリー戦でともに戦った
キャベンディッシュやバルトロメオをはじめ、
サイ率いる八宝水軍に、オオロンブスの大船団、
レオをリーダーとするトンタッタの戦士たちと
あとばらばら・・・と、彼らの率いる総勢5600人が

それぞれの代表7人がルフィと親子の契りを交わすことで
麦わらの一味の傘下に加わりたい、と申し出たのだ。
8000人の部下を持つキャプテンに憧れていたウソップには
とても魅力的な話だが、
ルフィはおそらく「めんどくさい」と考えるだろう。
しかし、今この申し出を無下に断ったとしても
ゾウへ向かうのに誰かの船に厄介にならねばならない実状は変わらない。
「勝手にしろ」「勝手にします」では
契りを交わしたことにはならないだろうから、
何らかの決断をしなくてはならないことには違いない。
さぁ、ルフィはどう返事をするのだろうか。
余談だが:
バルトロメオは、ルフィが自分の船を見たら驚くだろうと言う。
その理由はいずれわかるだろうが、まず考えられるとしたら
メリー号とそっくりの船である可能性。
しかしバルトクラブは56人の海賊団。
メリー号で56人が航海するのは無理がある。
では、メリー号と設計を同じくする中型の姉妹船ということならどうか。
幸いというか、バルトロメオは東の海出身。
シロップ村に立ち寄り、
メリーに設計してもらった可能性なんて無いだろうか。
ちょっとわくわくする。
それから、今回下部組織結成を申し出た者たち・・・
その中に、
さすがに、一国の王であるエリザベローや
あからさまに裏切ったファンク兄弟は居ないようだが、
ウーシーはどこかに居てもいいと思う。
気難しいようだから、誰でもいいわけではないだろう。
一度背中に乗せたアブドーラ&ジェットあたりと一緒にいればいいのにな。
キュロスの家を一緒に出たはずのベラミーが今どこに居るのかと、
ジーザス・バージェスが、その後どうなったのかもちょっと気になるね。

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