モコモ公国の昼の王と、夜の王。
正式な国の王イヌアラシ公爵と
神聖な”くじらの森”を守るネコマムシの旦那
元は海賊として共に海に出た親友だったはずの二人が
現在の仲の悪さを回避するため
昼と夜に勢力を二分させて、国を平等に治めている。
前回のドレスローザ編が、アラバスタ編との対比に注視されていたので
今度は・・・と思えば
ウォーターセブンの表の顔アイスバーグと裏の顔フランキーの図式と
規模は違えど、比較してゆけるかもしれない。
そういう視点でも一応見ておこう・・・あくまで参考程度にな。
くじらの森に侵入したルフィを見逃す際にワンダに言われた
「月夜でなかった事に感謝しろ」とは
ネコマムシの旦那の活動時間でなくてよかったな。という意味らしい。
というのは、ネコマムシの旦那は
話が通じない、粗暴な男だからだ。
なぜだか土佐弁(っぽい言葉)を話す、侠客団のボス
確かに話が通じそうには見えない。
二人のボスは、この未曾有の国の有事においても共闘することはなく
それにはイヌアラシ公爵の戦略も見られるとはいえ
結果として、
このあと1週間に亘ってジャックの軍団との諍いは続き、
あげく、イヌアラシ公爵は磔にされ拷問まで受けることになる。
そのときネコマムシの旦那がどういう抵抗をしていたかは
まだ分かっていない。
さて、
われわれとはスキンシップの文化が異なるとはいえ
ワンダの、イヌアラシ公爵に対する思い入れは
単に、敬愛する国のトップに対して・・・と見るには少し深すぎる気がする。
しかし、少しばかり穿って見たとしても
「親子」とか「個人的な想い人」というわけでもなさそうだ。
そのカギを握るのはこの男ではなかろうか。
ネコマムシの旦那が寝ている昼間に、森の侠客団を従えていた男。
昼型の銃士隊に猫やライオンも居るし、
夜行性の侠客団にも狼が居るように
ミンクの種類で公爵派と旦那派に分かれているわけではないようだが
このペドロが犬型に見えることが、僕には少し気にかかる。
ペドロとワンダのやり取りには、只ならぬ雰囲気が漂っていたからだ。
このふたり、恋仲とまでは言わないが、
かなり深い仲なのではないだろうか。
幼なじみで子供の頃は仲が良かったとか、
喩えるなら、ビビとコーザみたいな関係ではないか。
そして、
さらにペドロはイヌアラシ公爵の息子ではないかと僕は考える。
公爵と旦那が仲違いした原因も、ひょっとするとその辺りにあるのかもしれない。
ま、妄想だがね・・・。
余談だが・・・:
股引き・腹巻き・お守り・どてらに下駄履き、煙管と・・・
まさに絵に描いたような渡世人な風貌。
わしはネコマムシ!世界の夜明けを待つ男!!!
土佐弁を話すということもあり、
これは「日ノ本の夜明けは近いぜよ」という
坂本龍馬が言ったとされるセリフに関連付けていると思われるのだが
龍馬がこのセリフをどんなシーンで誰に言ったかは、実は定かではない。
というよりも、
司馬遼太郎だか誰ぞが創作で勝手に考えたセリフである可能性が高く、
「日本の夜明けは近い」といえば、
むしろ鞍馬天狗の印象が強い人も居るだろう。
土佐弁には少々面食らったし、
いまいちネコマムシの旦那のキャラが掴みきれないのだが、
世直しや改革を求める者に違いない事はわかる。
彼は、世界からほぼ隔絶されたこんな閉鎖空間から
いったい何を発信し、何を改革しようというのだろうか。
追記:
夜はすなわち、旦那の時間。
「世界の夜明けを待つ」とは、
旦那が荒事に首を突っ込む必要がない平和な世界を待っている。
もしくは、平和な世界に変えてみせる。
という意味でしょうかね・・・