前半24話、後半(エジプト編)24話の全48話構成だった第三部「スターダストクルセイダース」は、原作コミックスでは全152話だった。
第四部「ダイヤモンドは砕けない」は全174話と、三部よりも15%ほど長い。これを全何話で最終話まで描ききるのかわからないが、エピソードを削ることはおそらくしないと思われるので、原作の構成的に尺に余裕ある話と、怒涛のセリフラッシュになる話が生まれるであろうことは、これまでのシリーズから想像できる通りだ。
冒頭の提供クレジットの背景のモノクロ画に登場人物たちが描かれている。
仗助たち、メインキャストはもちろん
山岸由花子、東方朋子、仗助の祖父、間田敏和、小林玉美、アンジェロ、虹村形兆、虹村父、音石明、トニオ・トラサルディー、ジョセフ 以上の面子が確認できる。
前後半に別れるとしても、杜王町に起こっている奇妙な事件の真相が皆目触れられないまま前半を終わることはできないだろうから、ラスボス吉良吉影と、キーマン杉本鈴美が登場する第36巻あたりまでで前半を終え、後半は吉良吉影を中心に繰り広げられるのではないかと予想する。
赤ん坊はジョセフの手元にいるが隠れて見えておらず、杉本鈴美とアーノルドはコンビニ横の路地から動けないので、
ここに描かれていないのだろう。とにかく、長い付き合いになりそうだ。
では本編、#01「空条承太郎!東方仗助に会う」いってみようか。
コミックス 29巻01章~04章前半までに相当。
冒頭、原作にはないシーンが挿入されている。
手際よく朝食を作る女性の手元が映っているのだが、セッティングされた食卓を手前にズームアウトすると
その女性の手は千切れており、血が滴っている。
少しネタバレをすると、これは、本シリーズのラスボス:吉良吉影の性癖のひとつなのだが、原作では、これに似た事件は、物語中盤に差し掛かるまで出てこない。しかし、アニメでも同じように話を進めると、四部は物語がどこへ向かって進むのか、視聴者が見失ってしまいかねない。2クールの後、半年間中断とかするつもりなら尚更だ。
そのため、何やら不可解な事件が続発している杜王町で最も根深い闇が現在も進行中なのだ・・・というネタ振りを、初めにしているのだろう。これは親切な演出だ。
次に、タクシーで杜王町へ向かう一人の男。承太郎だ。
仙台S空港(仮称)まで飛行機で来て、S市(仮称)のベッドタウン杜王町までタクシーで移動しているのだろう。確かに鉄道で移動するより似合っている。12年前より金持ってるだろうしな。
これは、本作ではじめて「ジョジョの奇妙な冒険」を見るジョジョビギナーに対し、原作通りの登場では唐突すぎるから追加されたシーンだろう。
タクシーに乗るのなら、住所もわかっているのだし、なぜ仗助の自宅に乗り付けないのかという疑問は、運転手が杜王町にさほど詳しくないから、という説明がなされている。
余談だが:
1999年頃のタクシーに、運転席の防犯仕切板が設置されていたかどうかは
あまり覚えていないが、付いていた車両もあったような気はする。
凶器を持ったタクシー強盗が増加して、標準装備になるのはもう少し後だったはずだ。
駅前で康一とぶつかった承太郎。
10年経って、なんだか人間丸くなったね・・・って、違う!
太い描線は好みだが、ずいぶんとタッチが柔らかい。承太郎らしい「ゴツさ」と「精悍さ」がまるで感じられない。一番の要因は「鼻筋」だと思うんだが・・・ま、そのうち慣れるだろう。
ちなみに原作では、まだこんな感じ。
四部の途中くらいから、荒木先生のトレンドが、ガチムチマッチョからファッショナブル細マッチョにシフトするからな。アニメでははじめからガチムチを描く気がないのだろう。
東方家を康一に尋ねて、バスを案内される。ちょっと待っていればすぐに来る、と。
原作ではタクシーはこの時間あまり来ない、と言われるんだが、アニメではここまでタクシーで来たからな。
そこへ登場!われらが仗助
おい先輩…あんた…今おれのこの頭のことなんつった!
キレてる感が絶望的に足りない。これはアカン。
あと「アトムみたいな頭」というのは、原作では、当初リーゼントの後ろ上部に2ヶ所ハネっ毛があったからなのであって、アニメの仗助にはそれがない。
襟足はいわゆるリーゼントと少し違うが、送り襟足の特殊な意匠だけで「アトムみたい」とは形容すまい。これは違う表現に変更するべきだったと思う。
このヘアースタイルが「サザエさん」みてェーだとォ?
格好よく描けているんだが、これもキレてるというよりは、冷静にポリシー語ってるように見える。しかし、他局で絶賛放映中のアニメのタイトル出したのはエライ。
ふたりのジョジョ
もっとも、さっき先輩に一度呼ばれたきり、今後、仗助が「ジョジョ」と呼称されることは二度とないのだが。
ジョセフの年齢を、現在78歳、東方朋子と不倫した当時が62歳に訂正。血縁上は「甥」に当たる。これらは単純に訂正。
スタープラチナ
グローブが白くなっているなど、四部の承太郎に合わせたカラーリングに変更されている。
それはいいんだが・・・・弱そう・・・
クレージー・ダイヤモンドもかっこ悪い・・・こんなんだっけ?なんだか原作版キン肉マンのロビンマスクみたいだ
あ、こっちはカッコいいわ。
仗助の家族
母:東方朋子と
祖父:東方良平
ナンパしてきた男をブッチめてバックレる朋子を擁護する祖父のセリフが全面的に変更に。
「お互い様」は加害者が出していい言葉ではない。
そのため、車の空ぶかしに迷惑する”村上のおばあちゃん”なるオリジナルキャラを追加して、男が、さも「社会悪」であるかのような印象を付加、あんたも人様に迷惑もかけたし、ひとの娘をクソアマ呼ばわりもした。ここは多めに見るから、今後気をつけましょうね、だと。ギリアウトだろ、これ。
アンジェロのプロフィール
「強姦」は、そのまま表現どころか、絵付きで解説。
しかし、アンジェロが死刑を勧告されるに至る最後の事件については「便所のネズミもゲロを吐くようなドス黒いもの」とだけ濁された。
ちなみ原作では
14歳の少年ふたりを強姦して殺し、三人目の少年の局部を切り取って殺し、切り取った局部を柱に打ち付けていた と、なっている。なるほど・・・ドス黒い。これはさすがに絵付きで解説できなかったらしい。
アンジェロに襲われた男の連れの女性・・・おそらく死んでいる。
右腕と下半身が不自然な方向を向いているし、血も出てるし、これ・・・ボカシ要らないんだ・・・
まぁ、四部以降はシリーズを重ねる毎に加速度的にグロ表現が増えるからなぁ・・・どこまで規制するかもしっかり考えないと作品にならないわな。四部は自主規制の話あまりしない方向でいくわ。
そして
出会ったコンビニ強盗の口から這い出るアンジェロのスタンド
アクア・ネックレス
どこか、フリーザ様を連想させる
んでラスト、コンビニ強盗を見物している野次馬の中に
虹村兄弟、間田敏和、山岸由花子、岸辺露伴が居る。
東方家に迫る魔の手
次回:東方仗助!アンジェロに会う
オープニングが楽しみだわ。
おことわり)
アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」 のレビューは
「原作準拠」の検証の意味も込め、コミックとの比較をするスタンスで書いています。
基本的に、筆者の好みに応じた揚げ足取り中心の文章となるため
ファンの方には、しばしば不愉快な思いをさせることがあると思いますが、
筆者は決して悪意を持ってはいないことをご理解の上読み進めていただけると幸いです。
また、検証・認識の甘さから、的はずれなことを書くかもしれません。
その場合は、遠慮なくご指摘ください。