一味全員がスマートにブランド物のスーツでビシっと決め、
マナーや規律に厳しそうなファイアタンク海賊団において、
ただ一人異彩を放っていると、初登場した813話で感じたヴィト。
「相談役」という役職も、その不躾な佇まいも、
違和感を覚えるに充分だったのだが、規格外のが他にもいた。
ファイアタンク海賊団
「殺し屋」ゴッティ
813話の時点では、その違和感から
ヴィトはビッグ・マム海賊団からの出向ではないかと考えていたのだが
ヴィトの額と手の甲にあるものと同じマークが
ゴッティの左肩のMS-06風の盾にも描かれている。
これは、ファイアタンク海賊団の「F」と「T」をデザイン化したものっぽいので
ふたりともファイアタンク海賊団の純構成員で間違いなさそうだ。
また、813話では
マフィアの「ゴッドファーザー」ともあろう男が「ママ」の部下という地位に
甘んじていることが、僕には不自然に思えてならなかったのだが
その疑問にも、わずかながらの解答が。
ヴィトですら持て余すゴッティの暴走を、一喝で震え上がらせた人物。
ゴッティはこの人物(おそらく女性)のことを「おかみさん」と呼ぶ。
ペコムズ曰く
ママは傘下につく者たちと必ず「血縁」を結ぶという。
ということは、この人物は
シャーロット家からカポネ・ベッジに嫁いできた「嫁」に違いない。
いや、ひょっとしたらベッジの方が「入婿」なのかもしれないが。
ベッジの「強さ」の美学は「数の優位」。
少数の精鋭よりも、総合戦力と組織力のアドバンテージを重視しているらしいので
ベッジは、ビッグ・マム海賊団における、確固たる地位を狙って傘下に下ったのだ。
後継者を狙っている可能性もあるな。
しかしこれで、スリラーバークで出会った
ローリング海賊団のローラ船長の母親がビッグ・マムであることが
ほぼ確定になったと言っていいだろう。
ナミが持つビブルカードが役に立てばいいがな・・・。
しかしなんだ・・・
傘下につく海賊との「血縁」と
世界的な戦争屋ファミリーとの「血縁」では
ずいぶんと・・・ゲフンゲフン・・・充てがわれる嫁のレベルが・・・
その・・・なんだ・・・差がつくものだな・・・と・・・
いや、決して女性を見た目で判断するワケではないんだが、
そうは言っても・・・ねぇ・・・?
こうなってくると、
たとえばベッジにとって組織の掟は絶対だろうが
個人的に自分の婚姻に不満がある場合
サンジの胸中を理解してもらえる可能性が、微粒子レベルであるのかな・・・と
また「おかみさん」自身も思うところがあり、
ローラの口添えが在ったりなんかしたら、事態は色々と変化するのかもしれないな。
数日後
一切の食料を失い、灼熱の海で干からびかかっていたルフィ一行は
なんとか釣り上げた巨大魚で飢えを凌いだ。
しかし、その皮には猛毒があるそうで、
シーザーの毒ガスでも平気だったルフィが
泡吹いて死にかかってるwww
マゼランとの戦いで抗体ができなかった別種の毒か、
よほど強力な毒かということだろう。
そんな折、
サニー号はビッグ・マムの勢力圏に突入。
いきなりはち合わせた船は、ビッグ・マムの偵察船ではなく
「ジェルマ66」の船だった。
乗っているのは、グルまゆの男。
こいつは誰だ!!
次週、休載。
ジェルマの船に乗っているグルまゆの男なんだから
まぁ、ヴィンスモーク家の誰かだよな。
サンジの兄弟か、近しい親戚か。顔はどちらかというとゾロに似ているが。
呼びかけの話し方が、まだ紳士的なので
いきなり揉め事にはならない気がするが・・・
さて、どうだろうねぇ・・・
ところで、
サブタイトルの「世経の絵物語」とは、
「海の戦士ソラ」という、世界経済新聞に連載されていた絵物語のことらしい。
悪の軍団「ジェルマ66」と戦う、ソラという海の英雄の物語だが、
その実態は、海軍マンセーの児童向けプロパガンダ作品だったらしい。
ナミはその絵物語だけを知っていたから、
「ジェルマ66」を架空の「悪の軍隊」だと思っていたようだが、
これが一般人の認識ということだ。
実在する特定の集団を、一方的に、恣意的に「悪」と決めつけて
思想啓蒙のネタに使うなど、
一国単位ならともかく、世界を統率する組織が絶対してはならないこと。
しかし、世界政府も海軍も、清廉で品行方正な絶対正義ではないことは明らかなので
何かしらの意図があってやっていることであることは間違いないし、
なぜ、より大衆向けな「ニュース・クー」ではなく
経済新聞に子供向け啓蒙(洗脳)小説が連載されていたのかも、どこか腑に落ちない。
政府・海軍には、世界中の民間人がその存在を知りもしない「ジェルマ66」を
「悪」と認識させねばならない理由があったのだ。
ラストに登場したヴィンスモーク一族の男は、果たして敵か、味方か。
まだ「悪の組織」とは決めつけられないんだよなぁ。