コミックス 32巻04章最後~09章までに相当。
康一が消えた。
翌日康一が学校を休んだことを気にした仗助と億泰がようやく動き出す。
このシーン、原作ではわざわざ広瀬家まで来て確認しているところを、アニメでは電話で確認をしている。
確かに、一刻を争うこの事態に「まずは電話で確認」というのが正しい行動と思えるのだが、原作でそういう表現をしなかったのにはおそらく理由があり、この後「公衆電話」を救援要請のアイテムとして使う事を見越して、康一の判断の機知と、行動の意外性を際立たせるため、あえて回避したのだと思う。
しかし、アニメ放送中の現代には携帯電話が当たり前に溢れ、若い世代の視聴者にとっては、公衆電話の生活へ親和性すら「?」であろう。
そのため、いかに救援要請の重要アイテムだからといっても、突然登場させては戸惑いが生じる視聴者がいる・・・可能性がある・・・と判断したのではないだろうか。
どうみても学校の敷地内なので、通常であれば職員室や事務員室の近くに1台置いてあるとか、玄関や階段下などに2〜3台以上の電話を並べて「電話コーナー」が設置してあるとかするのがせいぜいで、電話ボックスを私有地内に置くことはないはずだ。
「学校敷地内に、どう見ても不自然に設置された電話ボックス」が登場する意図は、やはり「公衆電話」と「電話ボックス」に対するイメージを定着させるためだと思うのである。
広瀬康一拉致事件対策本部
このシーンは原作にはない。ふたりが仗助の家で待機していることをあらかじめ印象づけるためだろう。ここは仗助の家だが、億泰が食べているカップアイスは仗助の分がない。おそらくはここへ来るまでの道すがら、どこかの店で購入して持参したのだろう。小遣いの乏しい学生なので自分の分だけ買うこともあるだろうが
さっきはしおらしいことを言っていて「けっこう友達思いの良い奴じゃないか」と感じていたのに台無しだ。その緊張感のなさが、億泰らしいっちゃ、らしいんだが。
救難サインは送った。
しかし同時に、康一がスタンド使いであることがバレてしまった。
思い込みが激しすぎて「人の話を聞かない」という人が実際に居るが、そのために「声」も「轟音」も脳で知覚するに至らない。というよりも、都合の悪い情報を遮断するように脳の回路ができているのだろう。
原作で、崩れるように剥がれ落ちたエコーズの文字が、アニメでは水にふやけるようにボヤけて無力化される表現は面白い。
エコーズが死んでしまったァー!
いや、エコーズが死んだら康一も死ぬから。
視聴者もそれはわかってる。とはいえ、
アイキャッチで「エコーズ ACT1」って書いちゃダメだろ。
このあと「ACT2」に進化するのね。ってバレちゃうよな。
マッケレルか、ニコラエフか、はたまた・・・
なんだか大河原メカみたいなのに進化した。
さっきまでのエコーズの能力は、描き文字を「音」として再現するものだったが、進化した「エコーズ ACT2」の能力は、「実感」として相手に伝えるもの。
「ドヒュウウウ」という感覚があの女をふっ飛ばした。
とても漫画的な能力である。
描き文字の効果音にとても特徴があり、読者にもそれが認知されている荒木マンガだからこそ許される能力と言っていい。
生まれ変わったエコーズ、そして新たな自信に満ち溢れる康一は、もはや仗助を頼ることなく、由花子との対決を決心した・・・んだが
凛々しくない・・・
髪型もう少しなんとかなりませんか・・・
ちなみに、そのハサミじゃあ握っても刃が閉じないから切れないぞ。
熱づぁぁぁぁぁ!!
イベントを簡素化したため、由花子がやけどした原因の文字が読めない。
ここには「ドジュウウ」と書かれている。
原作では、手すりの文字にうっかり触ってしまう瞬間に由花子は文字の存在に気づいたが、反応できず勢い触れてしまいやけどする、という表現がなされている。
気づいたのに回避できなかった「忌々しさ」をつのらせ、「触れなければ平気」と、エコーズへの対策に由花子が気づくシーンなのだが、アニメでは、ただ「トラップに嵌った」だけになってしまったのは残念。
髪の毛が真っ白に
まさか死んだんじゃあないだろうな、って・・・
口汚いセリフは全部再現。しかしなんか訛ってるww
最初は「清楚な良家の子女」だとも思えた由花子が、実は田舎者だった、と受け取れるこの表現は、僕的には意外とアリかも。都会的なブリリアントライフ(w)に憧れがあり、そのコンプレックスが、彼女をこういう性格にしたとか考えられるな。
原作には描かれていなかったが、アニメではたしかに心臓の音のあとに異音が一つ確認できる。康一がそれをどういう分析で「地面にヒビが入る音」と認識したのかは知らないが。
由花子が康一を殺そうとしている時も康一は由花子を救うことを考え実践していた。
あたしは出会ったときから康一くんにすでに負けていた
自らの死を自覚する瞬間を経て、はじめて理解できないものを受け入れることができたが、秘めた思いをますます強める由花子であった。
次回「イタリア料理を食べに行こう」
余談だが:
今回のことがきっかけでできた杜王町の新名所「ボヨヨン岬」。
エコーズが貼り付けた「ボヨヨォン」という文字が引き起こした事象とはいえ、離れたところから見ていた漁師にも「ボヨヨン」と知覚されているのが面白い。
そういう効果音が聞こえたのか、視覚的な印象なのか・・・。
ただ、エコーズは「文字に触った者に効果音を実感させる」スタンドなので、岩が物質的に柔らかく変形することはないと思うんだ。
またそれ以前に、由花子が斬り落としたエコーズの尻尾は、岩に弾かれて海に「ポチャン」と落ちているので、文字が岩に貼り付いているのもおかしい・・・よな。
おことわり)
アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」 のレビューは
「原作準拠」の検証の目的で、コミックとの比較をするスタンスで書いていましたが
第四部は、三部までほど「原作準拠」に拘っていないようなので、比較はもちろんしつつ、
筆者の勝手な推察や持論を、多めに盛り込んで書いてゆきます。
基本的に、揚げ足取り中心の文章となることはこれまでと変わりないので
ファンの方には、しばしば不愉快な思いをさせることがあると思いますが、
筆者は決して悪意を持ってはいないことをご理解の上読み進めていただけると幸いです。
また、検証・認識の甘さから、的はずれなことを書くかもしれません。
その場合は、遠慮なくご指摘ください。
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