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ONEPIECE 833「ヴィンスモーク・ジャッジ」

イチジ・ニジ・サンジ・ヨンジは同じ日に生まれたらしい。

幼いサンジが「王族」という地位を、どう捉えていたかは定かではないが
「料理」に興じるサンジのことを、他の兄弟や父親ジャッジは
「王族」らしからぬ振る舞いをする「落ちこぼれ」として扱い、

誰ひとり味方のいない中で、
サンジは、何ひとつ「家族」らしい待遇を受けられないばかりか
蔑まれ、虐げられ、傷つけられてきた。
幼い四兄弟を見た感じでは
サンジだけが、優しい心=他人を尊重する心を持っていたため
非情になりきれず、その結果弱かった、とも考えられるが、
一方で、他の三人と比べて、先天的に肉体のつくりが脆弱だったようにも見える。
心も体も貧弱、意識が低俗で、国民の頂点に立つべき「王族」に相応しくない。

どうやら、サンジはそんな理由で「落ちこぼれ」認定を受け
以後、筆舌に尽くしがたい虐待の数々を受けてきたようである。
「ジェルマ」という特殊な国に生まれ、
閉鎖的な空間で、当然のごとく権威に胡座をかくことしか知らぬ他の兄弟たち。
これは父親が「ああ」だから仕方ない事だが
そんな環境で、同じように育ったはずのサンジだけが
「人間らしい」情操教育を育んでいることは、なにか理由があったのだろう。
いや、まだこの時点で、
当時のサンジが人間らしい価値観を持っていたとは断定できないのだが
権力を常識としない価値観の相違から「落ちこぼれ」認定されたのか、
不遇な扱いを受けたから価値観が変わったのか、
いずれにせよ
何か、サンジに影響を与えた人物や出来事があったのだと思われる。
あるいは「料理」との出会いがそれだったかもしれない。

父王:ジャッジは、サンジのことを歯牙にもかけなかった。
そしてそれは、今でも同じだった。

ジャッジは「北の海征服」という悲願のためにビッグ・マムと手を組みたいが
大事な息子を婿にやる気はない。大事ではないサンジは体のいい人身御供だ。
イチジ・ニジ・サンジ・ヨンジは同じ日に生まれた。
では四人は「四つ子」なのか?
それは果たしてどうなんだろうか・・・。

サンジがイチジの顔を殴りつけてもイチジはまったく動じず
殴ったサンジの拳の方が痛かった。
逆にイチジがサンジを殴ると、サンジの顔はみるみる腫れ上がるのである。
8歳にも満たない少年とはいえ
「武装色の覇気」を纏うこともあるかもしれないし、
それができないからサンジは「落ちこぼれ」だった可能性は、確かにある。

しかし、現代のサンジとヨンジの喧嘩でぶっ飛ばされたヨンジの顔を
ハンマーやプレスで治すというのは、どうなんだ。
サンジは相手の骨格を作り変える技を持っているが
これは骨格云々の問題ではなく、完全に板金加工。

施術する者も医師というよりは技術者のようだ。
ヴィンスモークの兄弟たちは、
科学的に特殊能力を身につけた「デザインベイビー」ではないか、と
以前書いたことがあるが、こうなってくると
そもそも人間なのか? と疑問に思えてくる。
サンジは普通に怪我するし、Dr.くれはの治療も受けたことあるし
血液型が珍しいというのは少し気になるが
サンジのみが普通に生まれたジャッジの息子で
他の三人はサンジをベースに強化改造、
もしくは機械的に生み出された人造人間だったりしないか。
ジャッジは、例えばビッグ・マムとの「組織的な」血縁が
強い結束を産むなどと微塵も考えていないばかりか、
血を分けた実の肉親の繋がりにすら、何ら価値を見出さない。
仮にサンジだけが実の息子だったとしても、
強く、役に立つ「人造の」息子の方を重用するだろう。
ジェルマの組織体系に何の疑いも持たずに
無条件で命を投げ出す兵卒たちを「有用」と評価することからも分かるように
人間性豊かで、いちいち反論・反抗するサンジは、
ジャッジにとって本来価値の無い人間なのだ。
さて、ところが・・・である
まだ予想の範疇を出ないが、ビッグ・マムという大海賊は
家族を愛し、家族に愛され、だからこそ提携組織に血縁を求める、
ヴィンスモーク家とは真反対のファミリーのように思う。
前回も書いたように、
ジェルマの考え方は、ワンピースの世界では、ことごとく邪道なのだ。
ビッグ・マムが、ルフィたちの味方につく要素が
少しずつだが増えているように思う。どうなるのかねぇ・・・

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