コミックス 36巻04~06章に相当。
仗助は金欠に悩んでいた。
あのクソじじいのせい!とは、第13話で現金を持っていなかったジョセフに、ベビー用品を買うためにカードを使わせたことだが、使った13万はすでに弁済されており、ジョセフのせいとするには無理がある。
ジョセフに使わせたのはクレジットカードだったようなので、銀行口座の残高以上の高額な買い物ができてしまったのだとしても、その弁済された13万円は一時的に仗助の口座に入れられようとも、道理として右から左へ引き落とされるもの。「ちょっとぐれー使ってもいい」ハズがない、1円たりともな。
感覚がマヒとかそういう問題ではない。
それをこういう風に考えるということは、13万以上の金額を貰ったということさ。
例えば「迷惑料」という名目などで、ジョセフも仗助に小遣いを与えるチャンスが欲しかっただろうしな。
引き落とされる予定がある13万より少しばかり余計に貰ったのなら「ちょっとぐれー使ってもいい」と考えることも理解できる。
いずれにせよ、どう考えてもジョセフのせいではないが、「他人のせいにしてしまいたい」気持ちはわからないでもない。そういう等身大で下世話な悩みを抱える身近なキャラクターたちが主人公であることも第四部の大きな魅力といえるのだが、前回は、内容的にも、今後の展開においても、すごく緊張した話だったので、こういう弛緩しきった導入部は、実に巧いと思うね。
ATMの下から1円玉を拾って逃げた謎のスタンドを追うと
たくさんのスタンドに硬貨を集めさせている少年に出会った。
矢安宮重清(重ちー)とハーヴェスト
重ちー役の山口勝平は、三部のエテ公に続いて二役目。
一人の声優が複数のスタンド使いを演じるのは、はじめてではなかったか。
はじめて自分以外のスタンド使いに出会った嬉しさに、精一杯の自己紹介をする重ちーをよそに、仗助と億泰の意識は「現金」に釘付けだ。
正義の味方vs.悪の秘密結社のようだった三部の戦いとはまるで異なり、四部はスタンド能力を自分のために使うキャラクターが多い中、ここまで自分のためだけに能力を使う者も珍しい。
考えもしなかった「スタンド能力を使った小遣い稼ぎ」。
しかも誰にも迷惑がかからない。
厳密には、たとえ1円であろうともネコババすれば犯罪に当たるそうだが、交番のおまわりさん判断では、100円未満(500円という人もいるらしい)はいちいち届けなくていいと言われるケースがほとんどだそうだ。なんとも羨まけしからん。
重ちーは同じスタンド使いの仲間として、集めたお金を半分くれるというが、それにホイホイ飛びつくのは仗助のプライドが許さない。正しくは「中学生にお金を恵んでもらう」ことに抵抗があるのだろう。
そこで「もっとたくさんの分け前を、重ちーと対等の立場で受け取る」作戦をひらめいた仗助。
今よりもっと稼げる作戦の「アイデア料」として、稼ぎの半分を仗助と億泰に分配するよう約束させた。
その作戦とは
カメユーデパートのブルースタンプをはじめとする各種商店発行のサービス券や補助券を集めてくるというもの。たしかにこの手のシールなどは、集めずに捨てたり、集めている間に紛失したりすることが多い。
お洒落にこだわる仗助の革財布に、こういうサービス券が何種類も突っ込まれているのは、あまり想像したくないが自分が常日頃集めているからこその発想なのだろう。
そして待望の戦果、カメユーのシールは
61500円に換金できたのだが・・・
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はい、分け前の1万円だよ…
あまりに高額の現金を実際に手にしたことで約束の分け前を払いたくなくなったらしい重ちー。
こいつはグレートに困った・・・
仗助も納得はいかないが、精神的に未熟な重ちーを小難しい理屈で言い伏せても後味が悪い。
ここは1万円でも手に入ったんだからひとまず良しとして「今回は」おれたちが大人になって引いてやろう。次からは、重ちーにも少しずつ理解できるようにすればいい。
仗助の計画にはなかったが、億泰がハーヴェストに集めさせたお年玉付き年賀はがきや福引券。
当たったら今度こそ半分もらうかんな!
いいよ、半分ね。 ←言質取った
その中にあった宝くじが当選!500万円!!
ゴゴゴゴゴ
しかし、精神的にガキな重ちーは・・・
次回「重ちー」の収穫(ハーヴェスト) その2
余談だが:
途中、億泰と知らない少年を見かけたが、自分をストーキングする由花子の姿に気づいた康一が、億泰に声をかけずに逃げるという、原作にはない描写があった。
重ちーの次の次のエピソードで、由花子の恋心は再燃するのだが、そのネタ振りにしては、少し早くないか?
ま、次のエピソードは今回とうってかわって「真面目」で重要な話なのでそこに差し込むのは難しかったと思うけど・・・
そういや、由花子は初登場のときもフライング出演してたな・・・
おことわり)
アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」 のレビューは
「原作準拠」の検証の目的で、コミックとの比較をするスタンスで書いていましたが
第四部は、三部までほど「原作準拠」に拘っていないようなので、比較はもちろんしつつ、
筆者の勝手な推察や持論を、多めに盛り込んで書いてゆきます。
基本的に、揚げ足取り中心の文章となることはこれまでと変わりないので
ファンの方には、しばしば不愉快な思いをさせることがあると思いますが、
筆者は決して悪意を持ってはいないことをご理解の上読み進めていただけると幸いです。
また、検証・認識の甘さから、的はずれなことを書くかもしれません。
その場合は、遠慮なくご指摘ください。
ご指摘・お叱り・応援、あらゆるご意見を歓迎します。