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ONEPIECE 834「おれの夢」

いろんな面々の「今」。

天竜人が奴隷につける逃亡防止用の首輪と同じものを両手にはめられたサンジ。
逃げたり、強引に外すと爆発するというものだ。
シャボンディ諸島で見たものはもっと肉厚でゴツかったが
2年の間に薄型軽量化に成功したのだろうか。
まぁ奴隷の枷を軽量化してもあまり意味が無いので、
同じ技術を転用した、ビッグ・マム海賊団のオリジナル拘束具といったところか。

ケイミーがはめられた首輪はレイリーが素手で外して(壊して)いたので
カギ以外にも外す方法がないわけではない。
その辺も「改良」されていなければ・・・の話だが。

当のサンジは、まだ観念した訳ではなさそうだが、なんだか黄昏れている。
「妻を娶らなければならないこと」は、さほど問題ではないが
繋がりや存在そのものを否定したいヴィンスモーク家に、結局反抗しきれず
現状、生家を利する道具に成り下がっている自分が情けない。
ちなみに、今回のサブタイトル「おれの夢」とは、
あとで出てくるビッグ・マムの「夢」のこと・・・と思わせて、
実は、サンジの「夢」の方が比重が重いと思う。
その夢の内容について具体的には語られていないが、
そう題するほどに、大きな障害にぶち当たったサンジの夢に
改めて思いを馳せるほどの危機感とやるせなさ、
また、達成しなければならない使命感などが垣間見える。
昔は食材を平気で無駄にする半人前コックだったサンジに
料理人の「道」を教えてくれたゼフに対して、
おそらく、手を料理以外に使わない「誓い」か何かを立てているのだと思われ
このままでは自分の夢を追うことができない。
それはゼフの夢を叶えることでもあり、ゼフに恩を返すことでもある。
それらがまるっと叶わないかもしれない、
そんな自分の諸々の不甲斐なさに腐っているのだろう。
中心街に潜入したブルックとペドロは一味の行動がすべて筒抜けであることに驚愕。
そして、新聞と住人たちの噂によると
ジンベエがビッグ・マムに呈示された「落とし前」にビビって離脱を取り下げたという。

えてして、新聞の報道というものは、間違っておらずとも正確でもない。
これは、やはりあのルーレットの「目」が
払わねばならない犠牲の規模を表していた、ということなのだと思う。
自分ひとりの我儘が原因で、
例えば大勢の仲間の手や脚や首を差し出すことができるジンベエではないだろう。
このシリーズ中に、本人の意志とは裏腹に
ビッグ・マムの配下=敵として登場する可能性があるな。
ペコムズは再びカポネ・ベッジに追い込まれていた。
ベッジの嫁については、今回は触れない。Jr.についてもな。

ここのやり取りは興味深い。

ゾウで「恩人」の情にほだされ、ママの指令を放棄しようとしたペコムズを
この世界に向いてねェ というのは分かるんだが
ゾウではママの命令を遂行し、
問題行動を起こしたペコムズを今始末しようとしているベッジに対し

てめェママをナメすぎなんだよ!!と吠えたペコムズ。
話が噛み合わない・・・条件がいろいろ抜け落ちているようだ。
これらのやり取りから分かることは
まず、どうしても従えない命令はあったが
ペコムズは気持ち的にママを、以前と変わらずリスペクトしている。
しかし、ベッジはママを軽く見ているところがある、ということ。
ペコムズを人知れず抹殺しようとしているところから分かるように
ママに対して、正面切って訴えられる程の罪状が、ペコムズにはないのだろう。
また、家族を何より大事にしている(っぽい)ママと血縁を結んでおきながら
そして生まれた自分の息子を溺愛しているくせに
「人情なんかクソの役にも立たねェ」というセリフからは
ママに対する忠誠や尊敬、趣旨への賛同なども持ち得ていないことが分かる。
ベッジは、ペコムズに何やらチャンスを与えたというが
ペコムズはそれを活かさなかった、
すなわちベッジが出した条件を呑まなかったということだろう。
それは、ママを裏切る行為だった可能性が高い。
だから、ママの耳に届かないよう、人知れず始末されるのだ。きっと。
では、サニー号に残されていた「引き返せ」のメッセージは
ファイアタンク海賊団に拉致られる際に
ルフィたちへのせめてもの温情で、良かれと思ってペコムズが残したのか。
だとすれば、ビッグ・マムにすべて情報が筒抜けであることや
カポネ・ベッジの良からぬ企みのことを含んでいたのかもしれないが、

情報が筒抜けであることなどで、
僕はもうひとひねりカラクリがあるように思う。
サニー号に乗っているメンバーの中に、
ビッグ・マム側に情報を流している者がいる可能性。
そんなの、ペドロかキャロットしかいないじゃん。
とすると、消去法でキャロットがスパイ・・・・う〜ん・・・あるな。
次にシーザーは、
心臓を盾に取られ、研究の続行、そして必ず結果を出すことを
ビッグマムに強要されている。

ママの理想、それは世界中のあらゆる人種が家族となり
同じ目線で食卓を囲むこと。
「家族を巨大化させる」それがシーザーに求められた研究成果だ。

人類巨大化は何百年も世界政府に研究され続けている人類の悲願。
シーザーは一朝一夕でどうなるものでもない事を知りながら
ママの期待を煽るだけ煽って莫大な研究費を出させ
「宿題はやったんですけど忘れました」
みたいな子供の言い訳で完成しないことを言い逃れてきた。

しかし、完成は不可能に近く、ここへ来て時間の猶予を切られてしまった。
もう後がないけど、前にも進めないぜ。どうするシーザー。
ここでシーザーが繰り出す最後の「詭弁」もしくは「反乱」が
後々何らかの形でルフィたちの役に立つ気がするな。

最後にルフィは、誘惑の森で、増え続ける「仲間の姿をした何か」に翻弄されていた。
なんだこりゃ!?

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