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ONEPIECE 839「クソお世話になりました」


ヴィンスモーク家勢揃いの朝食。

イチジとニジが、ブロックコリーの戦争を終結させた「戦果」についての
評価が話題に登るのはまぁ当然として、話してる内容が浅すぎて笑えない。
通常、どんな簡単な仕事にも反省点はあるし、今後に活かす分析だってできる。
曲がりなりにも世界政府加盟の独立国。
その国家の首脳たる一族が
このレベルの思想や知識で動いているというのは、
こいつらにしてみても、周りの国々にしてみても、実に不幸極まりない。
幼稚で蒙昧な自己中心的思想「のみ」を振りかざし
「腕力・暴力」という一方的な力と、「権力」という理不尽な力を有するバカ者共。
まさに「キチガイに刃物」。ジェルマ66は「ジャイアン国家」である。
世間の表舞台から隠れているとはいえ、
長い歴史を持ち、世界政府ともどうやら懇意らしい「こいつら」が
なぜ、この体たらくなのか。
それは、国家の在り方に問題があるからだ。
ジェルマは他人の価値観に一切迎合しない。
協調すらしないし、もちろん敬意を払うこともない。
おのれのジャイアニズムのみに従い行動し、
他者は基本的に見下す対象であり、自分たちの(上滑りの)繁栄さえあれば
世の中の出来事になど興味も無いのだろう。
自分の身体ひとつで身を立てている個人ならば、それもよかろう。
しかし「こいつら」は、一国のリーダー。
本来であれば、個人や一族の繁栄にとどまらず「国」の繁栄・発展を望み
国と国民を豊かにする責任があるのが当然なのだが、
ジェルマには経済活動の地盤となるべき、富ませる「国土」がないし、
あろうことか「こいつら」は国民を使い捨ての駒にすることを日常としている。
「こいつら」の国家運営には、
国民への愛や感謝、また国民に対する責任感がまるでない。
それもそのはず、

ジェルマの国民たちは、「こいつら」に都合よく調整、または培養された
まさに「駒」だったようだ。

「食」に敬意を払えねェバカも、女に手を上げる男も、
部下を人とも思わねェ王族の驕りも、お前らの全てがおれの思想に反する。
ヴィンスモークに属することが、おれにとっての恥なのだ。


それに対するイチジの言葉は
お前の言い分は多数弱者の戯言で、王には王たる条理がある。
多数弱者の言葉が意味を持たないというのは、独裁者の理屈である。
先程の国家首脳=家族の会話を見ての通り、
絶対王政に民主主義的思考は根付かないのかもしれない。
それにしても、カケラも理解できないとは・・・
「こいつら」の言い分もまた、間違っているわけではない。
この理不尽な条理は「こいつら」に限定すれば真理なのだから。
「こいつら」は、サンジを(おそらく今だけ)
都合よく「自分たちの側の存在」と位置づけているので、
「こいつら」にとっては、サンジがそれに従う…というか、
言うまでもなくそう考えるのが当然だと思うだろう。
これでは、いくら話してもまず解決しない。
しかし・・・やはり気になるのは
同じ日に生まれ、同じ環境で育った4人の中で
なぜサンジだけがマユゲが逆巻きで、
なぜサンジだけが異なる感情を有するようになったか・・・である。
また、ヨンジもそうであることから、
サンジが女好きであることは生まれつきなのだと仮定しても、
「女は蹴ったらいかんもんだとたたき込まれて”育った”」のは、どこでの話だ?
このサンジ一流の「騎士道」の源流は、ヴィンスモーク家ではありえないし
ゼフもちょっと違うよな〜と、僕は思っている。
まだ何も語られていない「母親」が何か関係しているのか、
サンジが料理に目覚めるきっかけを作った人なのか、
サンジに「優しい心」を植え付けた人物については、過去編で語られるに違いない。
余談だが:

ゼフの存在を盾に取り、サンジを半ば脅迫するジャッジ。

どうやら、ゾウにてヴィトに囁かれてサンジが顔色を変えたネタは
ゼフの身の安全に関することだったらしい。
サンジには、ゼフに返しきれない大恩があることは
読者なら皆知っていることだが、ゼフとサンジの関係は、
バラティエの古株であるパティとカルネですら知らないことだし
表向きは反目していたので、無関係の者には、本来知り得ない情報だ。
それが侮れない「四皇の情報力」なのだろうが、
少し腑に落ちないことは
ビッグ・マム本人は、ゼフの腕を買っているらしいこと。
ママがゼフの料理の腕を大事に思うなら、ゼフは保護されて然るべきなのだ。
それをサンジの「弱点」として利用するというのは、
この婚姻をスムーズに成功させるべく、ママには内緒で、
たまご男爵が独断でしていることである可能性もあるが、もうひとつ
ママが、ゼフの腕は評価しているが、ゼフ本人を必要とはしていない
という可能性がある。
そこに、無理やりドラマを妄想するならば
昔、ママは、ゼフの料理の才能を継いだ子どもが欲しくて
ゼフに求婚したが、こっぴどく振られたことがあり、
今ではゼフ本人には何の未練もないが、
その技術を受け継いだ男なら、是非とも婿にほしいと考えている・・・とかね。

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