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ジョジョの奇妙な冒険 第四部 #34「7月15日(木) その4」

コミックス 44巻03章〜04章と、07章中盤から10章まで に相当。

敵スタンドが背中に取り憑いてしまった露伴。


背中を他人に見せると自分が死んでしまうし、見た人物に取り憑いてしまう。

スタンドの被害を拡げないためにも、露伴が死なないためにも、背中を見られずに何とかしたいのだが、八方塞がりで、もはやどうしていいか解らず、信頼できる人物で、ほぼ唯一心を許せる康一に助けを求めた。

先日もハイウェイ・スターにヤラれたばかりだし、こんな弱みを仗助に知られたくない。康一なら内緒で処理してくれる。という邪なプライドも幾分か働いたのだろう。

ところが康一は、背中に憑いているスタンドを見せようとしない露伴に「からかわれているに違いない」と疑念を抱く。


写真の親父が本当にぼくたちを狙ってる。
だから先生にも何かあったんじゃあないかと思って急いで来たのに・・・

そう。
原作ではひとりずつバラバラに襲ってきたので、この日の康一の気分は朗らかに通常営業だったのだが、アニメでは、吉良親父が突然、三点同時侵攻と攻勢を強めてきて、ついさっきまで康一も仗助も敵スタンド使いと出会って死にかけていたのだ。

しかし、そのせいで他人をかまってる余裕がないというならまだしも、「先生にも何かあったんじゃあないかと思って急いで来た」
そこまでの可能性を考えながら、いざ話を聞いても信じないってのは…アニメの康一、ちょっとヒドいぜ。

とにかく露伴ひとりではどうにもならない。
助力を求めて外へ出る露伴。


大きな道に人々が行き交う交差点を、通行人と背中合わせに渡るなど、衆目の白眼視に晒されながら、それでも露伴が外へ出たのには理由がある。

原作では、喋るしか能がない「チープ・トリック」の攻撃を封じるために、耳を塞いだはいいが、そのまま疲れてウトウトした露伴に対し


なんと「チープ・トリック」が方方へ電話をかけ、デリバリーや消防署員が駆けつけ、危うく背中を見られるところだった。

スタンドが物理的に受話器をつかめることも一般人に「チープ・トリック」の声が聞えることも、別に不自然なことではないが、残念ながらこのシーンはカットされた。

どのみちこのままひとりでいては、いつか疲労でやられてしまう。だが、恥を忍んで、さほど親しくもない承太郎に助けを求めるつもりになったのなら、承太郎に電話すればいい。
スタンドの件だといえば、承太郎は必ず話を聞いてくれるはずだ。

原作では、承太郎を待つその僅かな時間すら一人でいることが危険と感じる演出があったため、意を決して外へ出たのだが、アニメにはそれがない。

結果、露伴は承太郎のもとへ向かっていたのでは無かったのだが、それを読者(視聴者)に、より信じ込ませるためにも、デリバリーのくだりをカットしたことはマイナスだと僕は思う。

余談だが:


このロン毛のチンピラが振り向かないように書いた「ヘブンズ・ドアー」の記述が原作と異なっているのは、原作のままだと、彼は一生振り向けなくなってしまうから。

・・・ではなく、
おそらく制限をもうけることで緊張感を残したのだろう。


露伴のピンチに再び駆けつけた康一。

事実、露伴は救われたし、その判断と行動は尊敬すべきだが、康一の行動に感激した露伴の

「やっぱり君は親友だった」には答えず。www


気になったのも「ちょっぴり」がやけに強調されているし、何よりさっき「信じてくれッ!友達だろーッ!!」と懇願したときの


この軽蔑の眼差しwww
やはり康一からの友情は薄いようだ。

だが、康一の「エコーズ ACT3」でも
「チープ・トリック」を引き剥がすことはできなかった。

肉体と精神の疲労、絶望、諦念の淵に立つ露伴は

気がふれたように背中を康一に向けた。

「チープ・トリック」は背中を見た康一に宿主を替えるべく、こちらを振り返る。しかしこの場所は・・・


絶対に振り返ってはいけない、あの「謎の」小路。

「チープ・トリック」は「あの世」へと連れ去られた。

一方・・・

あれだけ辛抱した殺戮衝動を、解禁してしまった川尻浩作吉良吉影。
その様子は、すべて川尻早人に目撃・盗撮されていた。

挙動のおかしい早人を問い詰めるため、風呂場で恫喝してみたら

逆に宣戦布告されたでござる。

どうする、早人。いや・・・どうする吉良吉影!!!

次回:アナザーワン バイツァ・ダスト その1

さぁて… いよいよクライマックスだ!

大倉美那子とその彼氏

前回登場したSWG財団の「杜王町の行方不明者」リストによると、美那子は父親とケンカして家出をし、交際相手の部屋に潜伏中。母親はその所在を把握している。ということだった。
原作では、電車の中で川尻浩作と揉めるのが初登場で、美那子が彼氏と同棲しているという事実はない。

アニメで、美那子について事前に情報を出していた理由は

承太郎を、この現場へ来させるため。

完全に韜晦していた吉良吉影が、ふたたび行動を開始したと
気づかせるためだった。

そうなのだ。
・吉良吉影がふたたび動き出した。
・吉良親父が攻勢をかけたスタンド使いたちは悉く敗北し
・吉良吉影は、仮の息子:川尻早人に証拠を握られてしまった。


かつてない激動の一日。
それが1999年7月15日(木)という日だったのだ。
日付を強調していた理由が、やっとわかった。

ひょっとすると、この月に現れると、かつてノストラダムスが予言した
「恐怖の大王」こそ、吉良吉影=「キラークイーン」であると
あえて言及していない原作よりも、はっきり言いたいのかもしれないな。

おことわり)
アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」 のレビューは
「原作準拠」の検証の目的で、コミックとの比較をするスタンスで書いていましたが
第四部は、三部までほど「原作準拠」に拘っていないようなので、比較はもちろんしつつ、
筆者の勝手な推察や持論を、多めに盛り込んで書いてゆきます。
基本的に、揚げ足取り中心の文章となることはこれまでと変わりないので
ファンの方には、しばしば不愉快な思いをさせることがあると思いますが、
筆者は決して悪意を持ってはいないことをご理解の上読み進めていただけると幸いです。
また、検証・認識の甘さから、的はずれなことを書くかもしれません。
その場合は、遠慮なくご指摘ください。
ご指摘・お叱り・応援、あらゆるご意見を歓迎します。

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