コミックス 44巻10章ラスト2ページと、45巻01章から04章前半 に相当。
前回、早人から宣戦布告を受けた川尻浩作=吉良吉影は、予想もつかなかった展開に焦ったのか、
早人を殺してしまった。
露伴が早人の存在に注目した今、もはや進退窮まったかに見えたが、敵に背を向け怯えて暮らすことをプライドが許さない吉良吉影が、絶望に打ちひしがれていると・・・
よく眠れなかった早人が朝を迎えると、
前夜、正体を暴かれ、あれだけ狼狽していた川尻浩作がなんだかゴキゲンだ。
どうやら、新しく手に入れた「キラークイーン」の能力にご満悦らしい。
通学路に待ち構えていた露伴が声をかけると、早人は逃げ出した。まだるっこしいので「ヘブンズ・ドアー」で本にした。
早人は悪夢にうなされ、ふたたび目を覚ました。
しかし見たのは悪夢ではない。
そして、同じ朝を繰り返していると認識しているのは早人だけであり、「バイツァ・ダスト」の性能上、吉良吉影ですら、繰り返す前に何が起きたかを知り得ないらしい。
昨夜、「バイツァ・ダスト」の能力が発現した瞬間、時間は1時間戻り、早人を殺してしまった事実はなくなった。
クローゼットの早人の死体がなくなっていたことと、吉良親父が同じセリフをもう一度言っていたのは、そのためだ。
この描写は、原作と少し違う。
おそらく荒木先生の構想も同じだったとは思うのだが、描写が足りないため、殺した早人が生き返った理由がいまいち分からなかった。
もしかすると、この時点では、単に「時間を遡る」能力のつもりだったのかもしれない。それならば、展開次第では、仗助の髪型のモデルになった「例の少年」の伏線を回収できた可能性もあるが、それはこの際もういい。
「ヘブンズ・ドアー」で読んだときに、未来のことが書かれていたことと、
二度目の朝に、早人が「何度も…変な夢を見て…」と言っていることから、
露伴以前にも、川尻浩作の正体を誰かに伝えようと試みて、誰かを殺して、すでに一度以上戻ってきたことが伺える。
理解しにくかった「バイツァ・ダスト」による終盤の展開が、かなり分かり易く改変されているようだ。これは有り難い。
おまえは誰にも喋れないッ!
お前を探れる者は誰もいないッ!
吉良吉影が「バイツァ・ダスト」に目覚めた瞬間
たったひとり真実を知る早人自身が、あろうことか、吉良吉影を守る最強の爆弾に変化させられた。
早人から何か情報を知った者は、自動的に排除される。
その、いちいち煩わしい記憶も、吉良吉影には残らないし、何度も失敗して他人が目の前で死ぬさまを見て、吉良吉影に抗うすべなど無いと絶望すれば、子供の心などすぐに折れるだろう。
誰にも脅かされない平穏な生活が再び手に入った吉良吉影が、ゴキゲンになるのも無理はない。
次回:アナザーワン バイツァ・ダスト その2
悪夢はあと何回繰り返される?
余談だが:
原作と同じくペプシの看板が実際に登場し、エンディングには
「協力:サントリー食品インターナショナル」のクレジットが。
ギンビス「たべっ子どうぶつ」以来、2件目かな?こういう例は。
他のブランドやメーカーさんも、協賛すればよかったのに・・・
おことわり)
アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」 のレビューは
「原作準拠」の検証の目的で、コミックとの比較をするスタンスで書いていましたが
第四部は、三部までほど「原作準拠」に拘っていないようなので、比較はもちろんしつつ、
筆者の勝手な推察や持論を、多めに盛り込んで書いてゆきます。
基本的に、揚げ足取り中心の文章となることはこれまでと変わりないので
ファンの方には、しばしば不愉快な思いをさせることがあると思いますが、
筆者は決して悪意を持ってはいないことをご理解の上読み進めていただけると幸いです。
また、検証・認識の甘さから、的はずれなことを書くかもしれません。
その場合は、遠慮なくご指摘ください。
ご指摘・お叱り・応援、あらゆるご意見を歓迎します。