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ONEPIECE 854「何やってんだ」

ルフィと別れ、逃げ道を捜していたナミとジンベエは
前回のペドロと同様に、チョッパーによって
目下の安全地帯である「鏡の中の世界」へ引き込まれた。

恩あるママに仁義を通すことなくビッグ・マム海賊団を離れることはできない
と考えていたジンベエだったが、
ママから宣告された「道理にもとる理不尽な仕打ち」を受けることはできなかった。
もしも、ジンベエ単身で済む話であったなら、それでケジメとしたかもしれない。
しかし、あのルーレットを受け入れることは、
タイヨウの海賊団の全クルーの命運をも握っており、
ジンベエが離脱したいと考えるそもそものキッカケである
麦わらの一味への助力ができなくなるばかりか、
その麦わらの一味が、今まさに目の前で窮地に陥っている状況を見過ごすことができようはずもない。
無条件で権力におもねる心づもりがないのだから、
紳士的な話し合いで解決できない場合は、少々強引な手段や
ともすれば力づくになってしまっても、そこは海賊同士の問題である。
自分の信念に逆らうことさえなければ
誰に遠慮することもなく、また後ろ指を指されることでもないだろう。
あとは明確に反目することを宣言しさえすれば良い。
その頃サンジは、

ビッグ・マムの計画通りにすることで、大切なものを穏便に守れると信じ
自らも明日の処刑を甘んじて受け入れると、すでに心に決めていながらも、

無意識に仲間のための弁当を作っていたちぐはぐな自分の心に苦悩していた。

そして無断でその弁当に手を付けようとしたボビンに反射的に怒りを覚え
ボビンをぶっ飛ばしてしまった。
本来の計画通りなら、サンジは今頃、用意された自室で就寝中のはず。
サンジが今ここにいる、それだけで、ビッグ・マム海賊団にとっては一大事なのに、
その一員に明確な敵意を向けてしまっては、申し開きは難しい。
バスケットを掴んで、脱兎のごとくその場を立ち去るサンジ。
まだ、言い訳が不可能なレベルではないと思うが、
それほど冷静でもいられないだろう。
客観的に見れば、レイジュが諭した通りルフィとともに逃げるのが吉である。
産んでくれた以外に何の恩も存在しない生家:ヴィンスモーク家にサンジが義理立てする必要はないし、
一番の目的であるジェルマの科学力さえ手に入れば
ビッグ・マムは逃げたサンジにも、その恩人にも何の損害も被っていないのだから
今さらゼフの命に興味などないだろう。
何よりルフィたちもゼフも、サンジの犠牲によって命を拾うことを望むはずがない。
さて、はたしてサンジは、己の心の赴くままルフィの元へ向かうのか。
明日の結婚式の計画の全貌が明らかになった。


プリンがレイジュに話していた通り、
サンジを射殺することを合図に、ヴィンスモーク家を皆殺しにすることで
ママはジェルマの全てを手に入れる。これらはすべてママの計画のようだ。
綿密に計画され、一家総出で事に当たっているが、
人数の多さが災いしてか、仲の良さそうなこのファミリーの連携はいまいち杜撰だ。
すでに計画通りに運んでいない部分は
・サンジが真実を知っていることと逃亡したこと、
・レイジュもまた真実を知っていること。
そして、結婚式とは直接関係ないが
・ルフィとナミの逃亡を許したことと、ジンベエが謀反を起こしたこと。
・そしてそれをオペラが隠秘していること。
・チョッパー、キャロット、ペドロが無事で、全員真実を知っていること。
おまけに
・ブルックにすでに「ロード歴史の本文」の写しを取られていること(たぶん)
もう穴だらけだ。こうなると、むしろうまくいく方がおかしい。
残る最大の不確定要素は、ヴィンスモーク家。

ママは「酒場の女たちを充てがってあるので酔い潰れているはず」と言っているが
まず、腐っても改造人間である彼らがどれほどのアルコールで潰れるのか。
という疑問もあるし、
そもそも、ジェルマという国の特性上、
計画の詳細は知らずとも、ママが何か企んでいる疑いくらい抱かずして、
のこのこ四皇のテリトリーまで来ることはないと思うのだが。
ジャッジは自分の野望のために視野狭窄している可能性があるが
イチジやニジは、端から何か企んでいる気がしてならない。

とにかく、自分から身動きの取りようがなかったサンジの周りで
事態が動き出した。もう走るしかない。
誰も喜ばないのに身を捧げて犠牲となるか、
リスクと等価の自由を取るか、
まだ心定まらぬサンジの、明日はどっちだ!
余談だが:
ボビンって、もっとプリティなイメージだったんだが、
なんだかキモいな・・・。

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