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ONEPIECE 863「義侠派」


ウェディングケーキの中から一斉に飛び出した無数のルフィ。

ルフィが計画した「おもしろい登場の仕方」とは、ブリュレの能力でルフィに化けさせた動物たちを、一斉に解き放つ、というものだった。

いきなり横道にそれるが:


チョッパーとキャロットに捕まってからというもの、情報は喋らされるわ、「どこでもドア」替わりに使われるわ、タクシー替わりにされるわと、ブリュレとディーゼルには良いことがない。まぁ、捕虜なんてそんなもんだ、と言ってしまえばそれまでだ。

しかし、ママの性格もその恐ろしさも、そしてウェディングケーキをどれほど楽しみにしているかも、当然熟知しているはずのブリュレが、

この期に及んで「ごめんよママ、いう事聞くしかなかったんだ!」とは片腹痛い、いや実に興味深い泣き言である。

これはただの裏切りではない。ママの暗殺計画なのだ。

平時でも、裏切り者はママに始末されることをブリュレは知っている。今回手を貸すことを拒絶すればベッジに殺されたかもしれないが、この計画に協力してしまったら、計画の成功失敗の如何を問わず、全家族を敵に回すことになることをブリュレは分かっているのか。

仮に計画が成功して、もっとも恐ろしいママが居なくなったとしても、兄弟の誰かに始末されることは間違いない。今を無事乗り切ったとしても、茶会のあとで許しを請うて通用する相手ではないのだ。
しかもブリュレは、ルフィたちがビッグ・マム海賊団の「歴史の本文」の写しを取ることに密かに成功したことも知っている。

その上で「ごめんよママ、いう事聞くしかなかったんだ!」とは、
一時的に家族に害する行動を取ることになるけど、大丈夫!起死回生の手をすでに仕込んである、とか、あとで汚名を返上する策を持っているとか、そういうことでない限り、これはもう家族の元へ戻ることを諦めたと考えるしかない。

すなわち、ママの命、家族との絆、信頼、ママの庇護下での地位や待遇それらすべてをかなぐり捨ててでも、自分の命ひとつが大切だと、ブリュレは判断したことになる。
・・・こいつバカだろ・・・。

〜閑話休題〜



混乱する会場で、マザー・カルメルの写真立てを狙うルフィだったが、それを先読みしたカタクリに阻止された。

カタクリは「モチモチの実」の・・・デンプン人間? とにかく自然系ロギアの能力者だ。水気があれば脱出できるが触れると固められるという謎仕様。覇気では逃げられないのか。


カタクリに襲われたルフィを助けに入ったジンベエは、正式にママの傘下からの離脱を宣言。しかもジンベエは逃げも隠れもしない。先だっての「落とし前」という名目のルーレットは理不尽な悪意に塗れていたが、筋の通った落とし前ならいくらでも付けてやる。


いくらでも寿命を取るがいい。


しかしジンベエからは魂がこぼれ出ない。


未来の「海賊王」の仲間になろうっちゅう男が、「四皇」ごときに臆しておられるかァ!!!
これにてビッグ・マム海賊団をやめさせて貰う!!!

チョッパーが男泣きするほどカッコいい!!これぞ「義侠派」。漢ですわ・・・。
図らずも大勢の立会人が見守る中での、正式な脱退となった。これを今さら覆すことはママのメンツが許さないだろう。

そんな騒動を他所に、こっそりひっそり

任務完了。


これはカタクリが、おそらく「見聞色の覇気」をもって、ルフィの気とケモノの気を判別しそれを皆に伝えたことで、ルフィ本体以外の「ルフィの姿をしたもの」はすべて警戒の対象から外れていたせいだ。
今回のシリーズ、ブルックが地味に、しかしめちゃくちゃ重要ないい仕事してる。

さぁ、こっそりひっそりはいいけれど、皆この好機を見逃していないだろうな。
そして本当にママは正気を失うのだろうか。

続きはGW明け!

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