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ONEPIECE 866「NATURAL BORN DESTROYER」

100年前、二人の船長を失った巨兵海賊団残党の公開処刑の折、無罪放免を訴えマリンフォードに突如現れた流浪の修道女が、天の意志と博愛を説き、奇跡の福音を見せた。


あらゆる種族の和解を求める美貌の修道女、シスター・カルメル。
やがてカルメルは「聖母マザー」と呼ばれ、


身分種族を問わず行くあてを失った子供を保護する施設をエルバフに開いた。


今から63年前、カルメルの噂を聞きつけた両親によって、エルバフに捨てられた5歳のリンリンは、巨人サイズで過ごしやすいこの島で、同じ境遇の仲間たちや、何よりも自分を理解してくれるはじめての人に巡り会った。
だが、エルバフの巨人たちとも打ち解け、平和に暮らして10ヶ月あまりの頃、不幸は起こった。

エルバフの伝統的風習「冬至祭」で断食を続けるなか、7日目にリンリンが「食い患い」を起こしたのである。

断食前の行事として食べた「甘くて美味しい」エルバフの伝統菓子セムラを求めて、リンリンは村を壊滅させた。


「とうとうやったな、リンリン」とは、巨人族の英雄ヨルルの言葉。これまでにも予兆があったことが伺える。
断食が始まって7日、仮に誰かが隠し持っていたセムラをリンリンに与えたとしても、「食い患い」が収まるほどの満足が得られるとは考えにくい。


もはやリンリンを放置できない英雄の剣が迫る。この上さらにどんな悲劇が起こるというのか。以下次号

さて、
普通に考えたら、いかなかつての巨兵海賊団船長であろうとも、寄る年波に勝てない344歳の英雄は、わずか5才のリンリンにくびり殺されてしまう臭いがプンプンする。
伝統行事を台無しにし、村を破壊し同族を傷つけ、英雄を殺したとあればエルバフとの確執は絶望的に深い。

今このとき、もしくは取り返しの付かないことをしでかした後だとしても、リンリンを赦し、周囲に理解を求めてくれるのはカルメルしかいない。37年前に同族を救ったカルメルの言葉なら、エルバフの人々の心に届くはずだ。


しかしカルメルは居なくなるのである。あるとき、突然に・・・。

死ぬよね・・・たぶんリンリンの手によって。

ところで、
これだけの偉人が歴史に名を残していないはずがないのだが、現在カルメルのことを知る者がひとりも居ないのは何故か。それは、社会からその存在を抹消されたからとしか考えられない。
リンリンがしでかすことは、カルメルの命と尊い偉業を表沙汰にできなくするほど、ヤバいことである可能性がある。
もしそこに政府までが絡んでくるのだとしたら、ウソップが敬愛して止まないエルバフの崇高な誇りにも、なにやら闇の部分があるのかもしれない。そんなことは考えたくないが・・・・。

余談だが:

ここはエルバフなので、僕たちが見知った顔がいくつか確認できる。


オイモとカーシー

63年前であるこの回想から、さらに遡ること37年ほど前に決闘を始めた船長のドリーとブロギーを迎えに、この10年後に船を出し、海軍に捕まってキッカリ50年目だったのが2年前。見事に辻褄が合ってる。


ハイルディン

現在でもまだまだ若造扱いの81歳。巨人の寿命が300歳であることからざっくり計算すると人間の寿命を80歳と仮定して、このとき18才のハイルディンは人間換算で4.7才。なるほど全寿命に比する巨人の成長速度は人間と同じと考えていいらしい。すなわち、このとき5才のリンリンと対等な子供だったということだ。

巨兵海賊団が散り散りになり、カルメルの説く「略奪より交易」に理解を示すことで、多少おだやかになったエルバフの巨人たちの中にあっても、「戦士の誇り」を忘れない正当なる巨兵海賊団の継承者こそハイルディンだと言ってよさそうだ。あとは彼には、生涯の研鑽を共にする相棒であり宿敵となる同族の存在が必要となるだろう。

ところで、年齢の話が出たのであくまでついでだが・・・


シスター・カルメル、このとき43歳!!! 驚いたね。

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