前回の続き。
第五話「激突!ヤマト対アンドロメダ」
アンドロメダ、アルデバラン、アポロノーム、アキレス、アンタレス
アンドロメダ型5隻をはじめとする最新鋭の戦力を率いるのは、沖田・土方の後輩である山南。前作2199では、沖田の下でキリシマの艦長を務めていた人物だ。旧作では「ヤマトよ永遠に」でヤマト艦長を務めた人物なのだが、残念ながらあまり印象に残る活躍をした覚えはない。(まぁ、人材育成一筋といわれていたので実務畑の人ではなかったんだろう)
旧航空隊のメンバーもアンドロメダ艦隊の演習を無断で離脱し一路ヤマトへ。
遊星爆弾症候群という難病に苦しむ息子を抱えているためヤマトの蜂起を知らされていなかった加藤も、妻:真琴に背中を押されてヤマトに乗る決心をする。
行って来い。カッコイイ父ちゃんでいてよ。
ここで少し気になるのは、テレサのメッセージを加藤は受け取ったのに、真琴は受け取っていないこと。
今のところ、旧ヤマトクルーでテレサのメッセージを受けていない事が判明しているのは、雪と真琴の二人だけ。雪についてはその正体すら謎のままなので、テレサに「地球人」と認識されなかった可能性もあるんだが、真琴が選から漏れた理由が「母としてするべきことがあるから」であるなら、個々人の事情まで慮って対応を変えるとは、いかに高次元の存在であるとて、テレサ恐るべし・・・。
余談だが、佐渡先生は、先代ミーくんからいったいどんなメッセージを貰ったのだろうか。
「載せろ!いいから。」
山本以下8名のコスモタイガー隊と共に、ガミラスのキーマンが合流。
なんだかアッチの方面で人気が出そうな構図だと思ったら、声がエルヴィン団長とリヴァイ兵長だったわ。
ヤマトに立ちふさがるのはアンドロメダ一隻。
緊急の発進で整備が完全ではなく波動防壁もワープも使えないヤマトは、その場しのぎの策として、電磁誘導によって小アステロイドを防御に使用。
これは言うまでもなく、旧第1作劇場版とTV版で登場したアステロイドリングの引用だ。第1作のリメイクである前作2199には登場しなかったが、ここにきて「イズモ計画の遺産」として使用された。
そして、あわや衝突の場面で道を譲らない両艦。
これは旧作「ヤマト2」第01話での試験航海に出るアンドロメダとのニアミスへのオマージュ。今回は敵として対峙しているのだから当然だが、ギリギリ感や緊張感、「譲れない」という本気度はより強調されている。
艦隊総力を持っての実力行使ではなくアンドロメダ単艦での迎撃となったのは、ガミラス大使バレルから藤堂長官への直訴があったから、そしてその後、ヤマトの追撃自体が撤回されたのは、バレル大使が地球連邦大統領に働きかけたからだが、これって地球とガミラスの今後の力関係に影響を及ぼすのでは?
結果、ヤマトはお咎めなし。まぁ旧作でも途中で有耶無耶になるんだけど・・・なんだかなぁ・・・
アンドロメダの艦長室にからヤマトへ贈呈された沖田十三のレリーフ
凛々しい・・・。やはり納谷悟朗の声が似合う気がするなぁ・・・。
第六話「死闘・第十一番惑星」
十一番惑星に突如侵攻したガトランティス。
波動砲艦隊構想に反発して辺境へ更迭された土方の元に最新鋭艦があるはずもなし、戦況は圧倒的ジリ貧。
「降伏」という苦渋の決断を告げるも、ガトランティスは取り合わない。そもそも彼らには「降伏」という概念が存在しないらしい。
戦いを終わらせたいのなら、戦って死ね。さすればこの星にも安寧が訪れる。という物言いは、なにか宗教的な倫理観の違いを思わせる。
救援の依頼と戦況の報告に、単身シャトルで脱出した空間騎兵隊の永倉を保護したヤマト。
主任務とも本部の意向からも大きく逸脱するが、古代の判断で第十一番惑星における救出作戦を決行。
目の前で溺れているものも助けられないで宇宙の危機になど対処することはできない。
極めて困難だが、バラン星のときの無謀さとは比較にならない。
なんと甘い理想論か。しかしそれが「古代の戦術論」「古代のヤマト」なのだな。
キーマンが言う「今のヤマトが抱える重大な弱点」とは、波動砲のことだろうな。
果たして彼女にはどんな役割が待っているのか。・・・2199で、シュルツの娘ヒルデが意外に人気だったから、その枠かもしれないが・・・。
無事、軍関係者と避難民を収容したヤマト。
しかし、そこに現れたガトランティスの増援は
第01話冒頭に岩の中から現れ、アンドロメダの拡散波動砲で沈めそこなった大戦艦、それが複数。
最低2時間は波動エンジンをまともに使えないヤマトは、この場をどう切り抜けるのか、撃つのか波動砲!? 乞うご期待!
さて、そろそろ「僕が第二章を純粋に楽しめなかった理由」を語らねばなるまい。
いや、ここまで引っ張っておいてなんだが、そんな大層なことじゃないんだ。
なんだか枝葉の描写に拘りすぎて、肝心の幹がしっかりしていない気がするって、それだけ。僕の感受性の問題なので作品を否定する気はない。
たとえば、スターシアとの約束を破ってまで軍拡路線に舵を切ったことや、急速な復興の謎、ガミラスとの同盟関係、前作ですでに登場してしまったガトランティスの立ち位置、土方の立場、旅立ちの決意、etc.etc…。
言い出すとキリがないので全部書くことはできないが、細かい部分部分は、素直に感心するくらい実に練り込まれていると思う。しかしそれらは、如何にして辻褄を合わせるか、如何にして更なるサプライズに発展させるか、に拘りすぎるあまり、もはや「さらば〜」でも「2」でもなくなってしまっている気がしてならないのだ。
2199のときは「生まれ変わった」と思えたリメイクが、2202では「別物になった」と感じている。
ただね、旧作の「さらば〜」はすごく短い旅だし、TV版の「2」は無駄にダラダラしててつまらないんだ。不要な部分を削ぎ落として、必要な新しい描写を加えることで全26話を構成しようというのなら、そりゃ別物に感じるのも仕方ないことなのかもしれない。
第三章・第四章が、とてつもなく待ち遠しい。
次の章は「純愛篇」。となれば密航していた雪が出てくるだろうが、「純愛」が古代と雪のことだけとは限らない。新見、岬、桐生、真琴がリタイヤしているので、めぼしい女性キャラが少ないが、いったいどうなることやら。
レドラウス教授と一緒にいた桂木とかいう女性も謎が多そうだし、しかしあとは永倉、イリィくらいしか居ないな・・・。あ、山本と西条が居た。
西条は、耳の上に髪を掻き上げる仕草がイイね!
それから、ガミラスの反政府勢力が出てくるらしいとか聞いたんだが、まさか・・・まさかデスラーを担ぎ上げたり・・・しないよね・・・ね!
あと、余談だが:
2199では、ガミラス軍はワープのことを「ゲシュタム・ジャンプ」と呼称していたんだが、本作のガトランティスは普通に「ワープ」言ってるな。
メルダをはじめとする2199でのガミラス人は、ドイツ語っぽい耳触りのオリジナル言語を話しており、地球人との会話は基本的に翻訳機を通していた。太陽系のことを「ゾル星系」、地球は「テロン」、木星は「ズピスト」など、独自言語体系の描写が、生半に心まで通わせることができない異種族を象徴していて良かったのだが、本作のガトランティスにはそういうのがない。いや、細かいこというと、太陽系のことはガミラスと同じく「ゾル星系」と言っているが、地球は「地球」とそのまま呼んでるのよな。
「星巡る方舟」では、ロシア語っぽい響きのオリジナル言語を話していたので、そういう、ガミラスとは別の新しい描写がなされるものと思っていたんだが、本作ではなんだかいいかげんだ。
確かに、有史以来、地球人がはじめて遭遇した文明型知的生命体であるガミラスと、ガミラスの文明下では当たり前の他星系人であるガトランティスでは、その排他性の表現も変わってくるというものか。