たかだか十数時間絶食したとて人間は死んだりしないものだが、ママの消耗は異常なレベルで著しい。身軽なママを見て、息子たちがそれを好意的に解釈していることが不自然に感じるのは、僕のほうがおかしいのか!?
確かにSBSで描かれた28歳や48歳のママには「アゴ」があった。
今、消耗することで余分な脂肪がエネルギーに変換されたのか、ややほっそりしたママは、なるほど「若返った」とか「全盛期の輝きを取り戻した」と感じなくもない。
そりゃあ目に見えて細くなってるんだから、身が軽くなるのは当然だ。しかしパワーが落ちているかどうかは言及されていない。パワーも平時より高くなっているように見えるとしたら、それは「食いわずらい」のバーサク状態がそうさせているだけで、逆に消耗を加速させる要因となって危険じゃないか、と誰も考えないのが僕には不思議でならない。
リンリンは5才の頃からいわゆる「百貫デブ」だった。それが現在68歳までずっと継続していたのなら気にはならなかったのだが、28才のリンリンはモデル並みに美しい。いったい、かつてのリンリンに何があったのか。
普通に考えれば、幼少期はただ美しく在ることに興味がなく、女盛りには天性のフェロモンとシュトロイゼンの栄養管理も手伝って絶世の美女に、そして閉経したのちはすっかり「花より団子」の生活になった・・・と想像できる。
だが、それだけではないはずだ。
リンリンは、いつの頃からか「あらゆる種族が平等に暮らせる」と嘯いた国を作り、民からは寿命の租税を徴収してその寿命=魂の分配で国を豊かにしてきたのだ。その膨大な量の「魂」は、ママ一人の能力によって制御されている。国が大きくなればなるほど「魂」の制御はママの負担となってきたに違いない。
ママはそれを意識しているのかそれとも無意識か、その負担による消耗を、大量の菓子の摂取と美味の追求による充足感で満たしてきた。
今やママが四皇となり、その庇護を受けに幾千・幾万の民が集うようになったトットランドを維持するためには、十数時間の絶食といえども命取りとなりかねない。早くなんとかしないと、取り返しの付かないことになるんじゃないかと僕は思うんだがなぁ。
サニー号に踏み込んできたママは、手当たり次第に「ケーキを探す」という名の破壊行動を繰り返す。このままではサニー号が保たない。ジンベエたちのギリギリの攻防でなんとか船から引き剥がしたものの、ママを乗せたゼウスはもうナミの言うことを聞こうとはしない。
サニー号を横薙ぎに削いでしまおうと考えたママが迫る。そこで今シリーズでは地味にいい仕事を重ねてきたにも関わらず、今回はあたふたするばかりだったブルックが、いよいよ前に出る。
全力のソウルキングは、ママには敵わずとも、ママの魂ソウルの傀儡であるゼウスには打ち勝った。
そして・・・電気を使いきり、捕虜となったゼウスは、ナミの恐ろしさを思い知った。
ナミさん、素敵です。
しかし、これからも時間が経過するほどママは消耗するだろうし、ママのガーディアンの一角であるゼウスは陥落した。プロメテウスも先ほどジンベエの「海流一本背負い」で一時的に火勢を失い萎んでいたし、逃げきる光明が見えてきたような気もしないではない。メインマストを焦がされたサニー号は無事逃げきることができるのか。
ジャンプ巻末の次号予告では「VSカタクリ白熱!」と書いてあるが、前号も似たような予告書いてたので信用しない。
ところで余談だが:
今回のカラー扉絵は、新年をテーマに十二支を模したキャラクターが集められた。
子…マンシェリー姫/丑…獄卒獣ミノタウロス/寅…藤虎(イッショウ)/卯…キャロット/辰…モモの助/巳…蛇姫ボア・ハンコック/午…キャベンディッシュの愛馬ファルル/未…カリファ/申…モンキー・D・ルフィ/酉…不死鳥のマルコ/戌…イヌアラシ公爵/亥…シャーロット・リンリン というラインナップ。
子がマンシェリーというのは苦しいが、小さいからなんだろうか。もっと相応しいキャラがいたような気もする…(思い出せないが)
さらに輪をかけて謎なのは、亥年のビッグ・マムだ。猪突猛進ババアとでも言うつもりかオダッチ…殺されるぞ!
あと、まぁ…かなりどうでもいいことだが、ルフィとファルルが干支の漢字表記じゃないのは、なぜなんだろうか。(モモの助もでした。