ルパン三世 PART5の放送が始まった。
今作がPART5ということは、2015年から2016年にかけて放送された前作は、作品名こそシンプルに「ルパン三世」だったが、正式に第四シリーズと認定されたことになる。
2012年の「峰不二子という女」は、冠が「LUPIN the Third」だったし、TVシリーズとはいえ、あくまでもスピンオフ作品だったということだな。
これまでTVシリーズでは、緑→赤→ピンク→青とジャケットの色を変え、その度キャラクターのイメージも一新してきたのだが、今回は前作と同じ青いジャケットだ。サンマリノから舞台はフランスに代わったが、一話完結のオムニバスではなく、シリーズを通して共通の敵・1つの大きなテーマを解決していくスタイルであることは、前作に通じるものがある。
前作から製作期間に大きな隔たりもなく、ルパンたち主要キャラクターのタッチや雰囲気もさほど変わらない。
新シリーズと気負うことなく前作から(さほど)変わらぬルパンたち。
これはもう、新シリーズ製作決定!などといっていちいち大騒ぎするのではなく(いちいち騒いでいたのは僕だ)、1クールや2クールというスパンで、今後も「いつもの」ルパンが観れるということではないだろうか。こうなったら、ジャケットの色などもう何色でもいい。
年に一度の愚にもつかないTVスペシャルにうんざりしていた僕には、天恵とも言える製作スタンスの変化である。
前作のときにゴールデン枠でやらないことを不満だと書いた気がするが、ゴールデンだと気負うなという方が無理というもの。今作のように、これからも続編が作られるのなら深夜枠の強みを戦略的に活用していると讃えられる。僕は大歓迎だ。
物語の方は、まだ一話を視聴したばかりなのでなんとも言えないが、ネット社会の奥深くにはびこる闇通販サイトが溜め込んだ仮想通貨をハッキングしようと企んだルパンが、逆に、スマホやタブレットでネットに繋がるあまねく周囲の一般人にまでリアルタイムで顔バレする「ルパンゲーム」に巻き込まれる、という導入。
時勢に乗ってる、…乗りすぎてる。仮想通貨のハックとかこれ、数ヶ月早かったらお蔵入りしてたかもしれないネタやん。
ということで、ネット社会を大きく扱うことになりそうな今作。皆は何かを思い出さないだろうか。
1987年に製作され、後にTVスペシャル第一作として放映された「バイバイ・リバティー・危機一発!(一髪ではなく一発)」。
この作品は、ルパンの過去の犯罪歴やその手口、好みや思考の方向性など、あらゆる情報がデータ化・即事分析され、データ社会に対応できない旧時代の泥棒が淘汰されていく中、ルパンも泥棒廃業を宣言するというもの。
「バイバイ・リバティー〜」の頃は、専門知識を持ったエンジニアでなければコンピュータを使いこなすのは難しかった。しかし今や最新ITテクノロジー満載のツールを万人が持ち、当たり前に活用する時代が到来した。
あれから実に30年。今も変わらず若々しいルパンは最先端ガジェットを使いこなして裏技を使い、数々の修羅場を潜り抜けるが、同時に、万人が「普通に」使いこなす汎用ツールのネットワークが最大の障壁となる。
まさに新時代の「ルパン三世」を見る思いだ。大いに期待したい。
何か言いたいことができたら、また後日記事を立てます。
追記:
舞台がフランスということで、おなじみの主題曲がアコーディオンを使ったシャンソン風にアレンジされ、タイトルも「LUPIN TROIS(ルパントロワ)2018」とフランス語になっているんだが、CMアイキャッチの「ルパン・ザ・サ〜〜d」といういつものジングルも「LUPIN TROIS」という女性の囁きになってる。なかなか洒落ているんだが…違和感がすごいな…。