それぞれ市井にとけ込んで情報の収集と拡散を受け持つ者たちが集まって、仲間の安否や現状を共有するのにふさわしい。ただ、「芸者」としてそこに在ることそれ自体が仕事である今のロビンが、庶民的な立ちそばを人目をはばからず啜っているのは不自然に思えてならないが、そこは、日本とワノ国は同じではないと理解するしかない。
ルフィがワノ国に到着したことを、かわら版の見出しで知ること自体に驚きはなかったようだし、暴走してけんかを売って返り討ちにされた…くらいなら「やべぇじゃん、どうすンのコレ」的反応のはずだろ。あの「は!!?」は「一体なんでそんな事になってんだ?」という全く想定外の現状に対してっぽかったし、実際どうだったかは、ローを介してサンジから聞けそうなものだ。(ローがあのあと合流したという描写はないが)
サブタイトルにまでした「は」にどんな意味があったのか、とても気になる。かわら版には、いったい何が書かれていたのだろうか。
許可を取らないサンジの繁盛店に「みかじめを払え」と難癖をつけに来たゴロツキは、居眠り狂死郎の配下。
居眠り狂死郎とは、以前919話でロビンの芸を肴に呑んでいた「両替屋」だ。
「両替屋」とは金融屋、物品を扱わず金銭の流れによる利鞘で儲けるいわゆる「金貸し」のことだと思う。非生産的で人の足元を見たコスいこと極まりないビジネスだが、いつの世も必要とされない社会はない手堅い商売だ。(ただし情に厚いとやっていけないため、自ずと「ひとでなし」になる)
多分に漏れず、この狂死郎もろくな人間ではないようで、日々恩恵を受けているはずの将軍様を陰で罵倒していたりする「スネ夫野郎」だ。
いつの世も金貸しと闇社会は繋がりが深いものだが、直接自分の名前を冠したヤクザ一家を構えているとは恐れ入った。これはイメージを大切にする必要がないということ。すなわち、庶民を相手にちまちま小銭を稼いだり、あくせくと新規顧客を開拓する必要がない証左だ。それだけ上客との太いパイプがあることを意味している。
実際、将軍の宴に名指しで招待されたり、カイドウの懐刀「クイーン」に面倒ごとを依頼できるほどの地位にいるのだが、権力者ではあっても、狂死郎自身は戦闘に於いては大した実力者ではないように思わせて、忍者刀のような鍔が四角い刀を持っていることが少し気になるのも事実である。
まぁ、さほどの重要人物ではないと思うのでしばらく放置だ。
ゴロツキは撃退したが、狂死郎一家を敵に回したことで客足がぱたりと途絶えたし、注目を浴びてしまったため、サンジの屋台は、麦わらの一味の情報交換の場としては使えなくなった。この屋台の次なる展開は「クイーン」の刺客が来たときになるだろう。
だが、事態は地味に大きく動き、どうやら将軍主催の宴に有力者が集まってくる。そこにロビンも「芸者」としてお呼びがかかったが、そこで話されたことや起きたことを、ロビンがただ見てきて終わりということはあるまい。なにか大きな展開があると思いたい。
そのカギを握るのがこの人物だ。
現在ワノ国に唯一人存在するトップアイドル、全男の憧れ、全女のカリスマ、美貌はもちろん教養に気高さを併せ持つ完璧超人だそうな。
本来の花魁といえば遊郭のトップスター、すなわち「性」を売る女性の最高峰のことだが、ワノ国では少し違うらしい。
その娘をバックアップすることが「粋な遊び」である芸者とはいささか趣きが異なり、その女を言うなりにすることが権威や富の象徴である花魁であるが・・・、
将軍は、熱愛して止まない小紫をいまだ落とせていないという事実が気になって仕方ない。
少年誌なので、ワノ国にはおそらく遊郭が存在しない。※後注 遊郭はあるそうです。ご指摘ありがとう。 花魁はトップアイドルでスーパースターだそうだし、花魁や禿が属する組織は芸能事務所みたいなものなんだろうか。いずれにしても、遊郭も芸能事務所も古来より日本ではヤクザと切っても切り離せない業界であり、将軍ほどの有力者をソデにし続けることは容易では無いはずだ。
この花魁「小紫」は、なにやら強い意志をもって、ともすればなにか果たすべき目的があって、この地位を維持しているということだ。それを支持する組織がある可能性もある。
何が言いたいかというと、小紫は「超重要人物」に違いないということ。
ぶっちゃけ、日和様だろ。
20年前に天涯孤独になって、色街で拾われて禿として育ったんだろ。それから身一つで成り上がった。おそらく野心を持ってな。
オロチが油断するその時こそ、小紫太夫が行動を起こすその時なのかもしれない。
今回のサブタイトルが「おトコ」なのは、現代の少年誌読者に馴染みがあまりない「禿」を印象づけるためだろう。たぶんおトコ自身は重要じゃないと思うね。
え〜と・・・
じゃあ牢に繋がれてるのは、いったい誰なのかな・・・
あと・・・僕は大して気にならなかったけど、オロチ将軍のシルエットが何だって?