サイトアイコン 我思う故に・・・新館

ONEPIECE 928「花魁小紫登場」


雷ぞうはルフィとの接触に成功。脱獄の準備を着々と進めている模様。

ここには善良で貧弱な一般人も多く収容されているので、インペルダウンのときのように「大脱獄」というよりは「大解放」という趣になりそうな予感だ。

ずっと気になっていた、キッドが失くした左腕について。
2年前にいち早く新世界に進出していたユースタス・キャプテン・キッドは、「最悪の世代」として再登場したとき、顔には大きな傷を負い左腕が義手になっていた。


ビッグ・マム傘下の海賊船を2隻沈めたことは明らかにされており、そのときにビッグ・マム海賊団の「将星」のひとりに手傷を追わせたが、キッドの左腕はその時ではなくそれ以前に赤髪海賊団との抗争で失ったそうな。

ほほう・・・、キッドが善戦した相手の将星って誰だろう?
ビッグ・マム海賊団の将星は4人。次男カタクリ、10男クラッカー、25男スナック、14女スムージー。このうちスナックは怪僧ウルージに敗北し、その後将星は3人になったそうだが、後の麦わらの一味討伐戦にはスナックも参加していたので別に戦闘不能になったわけではない。それなのに「将星」の位を剥奪されたままというのは、たとえばママの顔に泥を塗るような、よっぽどひどい負け方をしたとか、連敗したとかだろう。
また、ウルージの強さを詳しく知るわけではないとしても、ウルージが将星を倒したと聞いて違和感を覚えたことも事実。

たとえば…だが、
まず赤髪海賊団との諍いで左腕を失くしたキッドがスナックと戦い、片腕、もしくは慣れない機械の腕に苦戦しながらも、スナックが持つ「目的のなにか」を奪い取ったが、戦闘自体は痛み分け、とにかく倒すには至らなかった。
スナックは、その「なにか」を奪われた不始末をママに咎められ、汚名をすすぐべくウルージを迎撃したが、キッドとの戦いでの負傷も著しく奮闘虚しくウルージに敗北。更迭の憂き目を見た。
その尻拭いに派遣されたクラッカーに、スナック戦ですでに消耗しきったウルージはあっさり敗北。
という流れなら、それぞれの強さの相関にも、スナックが「将星」の地位を剥奪されたことにも納得がゆく。


ただ、あれだけ強いクラッカーの顔には大きな傷跡があったので、あれがキッドが将星の誰かを手負いにした証とも考えられなくもない。

キッド・アプー・ホーキンスの同盟は赤髪のシャンクスをターゲットとしていたのだが、その理由が腕を失くしたキッドの私怨なのだとすると、…いや私怨が悪いとは言わないが、新世界で四皇を敵に回して海賊として名を挙げるための指針というか計画性というかグランドデザインというか、あまり錬られていなかったんだなぁ…と、改めて思ったわ。
キッドって無鉄砲なイメージだもんな。

さて、本題の花魁小紫だ。


美しさはもちろん知性・品格に優れ、男女問わずワノ国すべての一般人を虜にしてやまない当代随一の絶世の美女、小紫太夫。※厳密には「太夫」と「花魁」は別の分類らしいが、これはワノ国の話なのでよしとする。


手練手管で上客を拐かし、超法外な「見請け料」を払わせて、何人もの男を破滅させてきた。


縁切りを言い渡すときには、その男が逆立ちしても逆らえないヤクザの親分を傍らに置いて、反論をねじ伏せる徹底ぶり。

実に非道。
ハンコックの「何をやっても許される。なぜならそれは妾が美しいから」に通じる傲慢さだが、全く違う。ハンコックの場合はその美しさを理由に、本当に被害者が許してしまうからだ。

小紫を我が物にできることだけを信じ、家も家族も金に換え、すべてを失った男に、希望のカケラすら残さず奈落に叩き落とす非道ぶりは半端ない。


小紫は金の亡者なのか?…違うな。
金と権力が好きなら、小紫はとうにオロチに下っているはず。オロチが望んでもそれがこれまで実現しなかったのは、小紫がそれを望んでいないからに他ならない。

人を騙して金を巻き上げ破滅させるのは、言うまでもなく悪いことだ。
だが、その相手が悪人だったらどうだろう。


今回の回想で小紫に騙されたのは、よりにもよって僧侶。しかも袈裟から想像するにかなりの高位の僧と見た。
乱世に安寧を説き人々を常楽我浄の境涯へ導くべき僧侶が、遊女にうつつを抜かして身を持ち崩すなど、まっとうな話ではない。そもそも太夫と差し向かいで飲むだけでも莫大な財力がなければできることではない。この男は高僧としての権威や人脈をMAX動員するだけでは飽き足らず、私財をなげうち、家族もその身の健康も打ち捨てた。衆生済度のためにすべてを捨てた仏の弟子として、風上に置けない人間のクズだ。

花魁と酒が飲めるような金持ちにろくな人間は居ない。
小紫はそうやってろくでもない金持ちから大金をむしり取り続けてきたのだと思う。その金が本当になにかに使われてしまったのか、それとも何かの準備に貯め込まれているのか、はたまた貧乏長屋にばらまかれているのか(そしてそれが丑三つ小僧なのか?)はわからない。

とにかく小紫は、権威にあぐらをかいた金満ブタ野郎に、都の外の地獄のような世界を味わわせ、このアンバランスで不条理な社会を破壊しようとしているのだと思う。

さて、そこで狂死郎親分だが・・・


ウソップが配る密書に反応した浪人が狂死郎に似ているという意見があった。・・・う〜ん、似てるような、似てないような。狂死郎親分の左足首に月の印があれば分かりやすいのだが、ギリ描かれていない。たぶん別人だ。

ま、この狂死郎という男が光月家のシンパかどうかはさて置き、小紫の味方のような気はするんだ。
オロチの誘いを袖にし続けたり、成金をカモったりする小紫の行動には、バックアップする組織があるように思えるから。


一方その頃、編笠村のモモの助から、妹の日和が生きていれば、現在26歳だが素性を隠しているであろうことが示唆された。
これは小紫の正体が日和である可能性をぐんと高める貴重な証言だが、当然、フェイクの疑いも捨てきれない。
前回は否定したけど、おトコが日和って可能性もあるような気がしてきた。牢の中の野性的な人物もあやしい…
さぁて…、どいつが日和かなぁ・・・。

すんごく余談だが…:


扉絵のフランキーの「スーパーポーズ」。

拳の向きが逆だ。「左手が右手の男」になっちゃってるぞ。
…まぁ、フランキーの腕は生身じゃないから付け替え自由なのかも知らんが、わざわざ逆にする意味がわからないからな。怪人役ならいざしらずヒーロー役でその特徴は不要だわ。
何度も描いてるポーズだろうに、なんで間違うかね。

モバイルバージョンを終了