名だたる戦力を引き連れて、宣告通りワノ国にやってきたのは…
ビッグ・マム海賊団
ルフィたちが入国したのと同じ、巨大な鯉に導かれて滝を登るルートで侵入してきた。
どうやらこのルートは正式な入国ルートではなく、その手法は確立されているものの、知る者も使う者もほぼいないらしく、カイドウ軍も全く警戒していなかった模様。
サニー号が無事(?)入国できたのはラッキーだったいう他なく、ママの「クイーン・ママ・シャンテ」はでかいしうるさいから見つかったとでも考えようか。
なお、このルートを通る際の「イヨーッ! ポンポン!」という”効果音”が今回も鳴っている。この”効果音”は謎の大ダコが発しているのだが、この大ダコの掛け声(?)が鯉たちに滝を登らせるトリガーではないかと推測する。
サニー号のときは、ルフィは巨大鯉に夢中、ナミたちは船を守ることに精一杯で、いつの間にやら乗船していた大ダコにかまう余裕がなかったが、ビッグ・マム海賊団の船に謎の大ダコが突然乗り込んできたら、それを撃退するくらいの余裕はあるはずだ。
今回は、掛け声のみで大ダコの姿が確認できないが、この入国ルートを知っていたママが、大ダコと巨大鯉を捕らえて使役していると考えるのが妥当だろう
カイドウは、ママとその息子たちの上陸を許せば、どれだけ面倒なことになるか理解しているらしく、なんとしても上陸を阻止したい考え。その必死さからは、ルフィたちがどれだけ軽く見られていたかが同時に分かる。
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そして、ビッグ・マム海賊団の入国を阻止したのは…
百獣海賊団の大看板のひとりキング。
前回僕が密かに期待していた翼竜の能力者だった。・・・おや?
お不動様の光背(迦楼羅焔)にも似た炎が背後に燃え盛り、漆黒の翼をたくわえていた。この翼は、色はともかくウルージと同じ形状なので、空島出身なのかなぁ…くらいに考えていたのだが、もともと翼を持つ者が「翼竜」の能力者になるという点が非常に興味深い。
もちろん悪魔の実は、図鑑に載っているもの以外は、食べてみるまで何の実かわからないので、そこにキングの意志はないはずだが、そこは漫画的演出として運命的な縁があると考えたい。
今のところ、有翼人たちがその翼で空を飛んだ描写はないので、翼を持って生まれながら飛ぶことができないことに対する渇望、飛翔に対するハンパない欲望が、キングをこの実に巡り合わせたと考えたほうが楽しい。
また、キングは”三災害”の”火災”のキング。背後に燃える「迦楼羅焔」は、彼の能力由来のものかと思っていたんだが、プテラノドンと炎はどうにも繋がらない。※迦楼羅焔を吐き出す迦楼羅天は鳥みたいな顔してるけど鳥じゃないし、もちろん翼竜でもない
そうなると、おそらくこの炎は彼自身の体質によるもので、身体から高熱が漏れ出て自然発火しているものと推察する。全身を覆うレザー様のスーツは、高熱を封じ込めるためか、もしくは高熱で自ら損傷した皮膚を保護するために着ているのだ。
ま、有り体にいうと志々雄真実みたいなものだな。師匠のネタ拝借してきたのかな?
キングに滝を真っ逆さまに蹴り落とされたビッグ・マム海賊団。
だが、まさかこれで撤退なんてことはあるまい。息子たちの中には宙を駆けることができる者も居るし、ママは波にすら命を与えて傀儡にできる。海に落ちた状態で、魂を分け与える能力が使えるかどうかは甚だ疑問だが、そこは異常な生命力を持つママのことだから、ちょっと想像で測れない部分があるわな。
僕個人的には「海」は能力者の絶対的な弱点であって欲しいとずっと考えているが、そうでもないみたいなのでね。
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さて、狂死郎一家に恥をかかせた「そば屋のサン五郎」に対する報復としてやってきた「飛び六胞」のページワンが、サン五郎を探して町で傍若無人な破壊活動をはじめた。
たまらず飛び出したサン五郎=サンジは、顔を知っているホーキンスやドレークならともかく、自分を知らないページワンだけならば、一瞬で倒せば正体もバレずに済むだろうと、一計を案じる。
へぇ・・・あれほど嫌ってたジェルマの科学を使うのか。いや、しかし・・・それ、余計に正体バレるんじゃね? サンジの今の手配書は「ヴィンスモーク・サンジ」名義だ。ジェルマ66は裏社会の伝説の組織だとて、カイドウレベルならジェルマのレイドスーツを知ってるかもしれないぞ。
おそらく「どんなに元の姿に似ていようと変身しさえすれば正体不明」というヒーローものの不文律に則っているのだろう。サンジは自分の手配書がヴィンスモークになっていることを失念している可能性もあるな。
でもな、僕の予想ではその心配はいらない。
このスーツを持っていたのはニジ。ニジがサンジのためにまともなスーツを予め用意していたとは、僕には考えられない。たとえばものすごいブサイクな容姿になるとか、ニジなりの嫌がらせが込められているはずだ。
今問題なのは、サンジの強さではなく正体がバレる危険。仮にこれが強くなるアイテムではなくブサイクに変身するだけの仮装グッズだったとしても用を成すのである。
嫌がらせとして、以前のサンジの手配書の似顔絵そっくりに変身するってのはどうかとも思ったが、それだとやっぱりサンジだとバレちゃうよな・・・。
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ところで余談だが:
ページワンの悪魔の実は「リュウリュウの実 古代種 モデル:スピノサウルス」。
額に、前回はなかった(修正案件?)角のような突起があるのだが、僕が軽く調べた範囲では、実際のスピノサウルスの想像図にはそんなものはない。なので、この角はページワン本体の特長なんだろうけど・・・ ・・・ハンニャバルに似てない?
ハンニャバルは、か弱き市民が抱く不安まで憂慮する「正義の人」だった(野心はともかくww)けど、もし身内だとしたら、ずいぶんと性格が違うもんだな。
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あと、サブタイトルの「えびす町」な。
「おこぼれ町」はワノ国各地にあるらしく、栄えた町にそれぞれ付随するように存在するらしい。
ゾロが太鼓持ちのヤスと一緒に訪れたのは、オロチが住む花の都のそばにあるおこぼれ町のひとつ「えびす町」。えびす町と呼ばれる所以は住民がみな笑っているから。
お鶴がいた九里のおこぼれ町と同じように貧しく、食うものも食えず健康も保てないが、この町の住民には悲壮感がない。
泣いても貧乏、笑わにゃ損♪ 損♪
苦境に負けない逞しい精神に、ゾロも笑みをこぼす。
無理に作った笑顔で悲壮な感情を隠しているのかもしれないが、この町では子どもたちも純粋に笑顔で、小さな幸福を全員に分配する心のゆとりがある。幕末の「ええじゃないか」より現実的で健全だ。
まぁ他ならぬ花の都のそばだけに、おこぼれの量や質もまだ恵まれているだろうし、丑三つ小僧の恩恵に預かれるのも花の都に近いせいだとすれば、やはり住民の幸福度(非不幸度)は、地方のおこぼれ町よりも相対的に高いのだろう。
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それはそうと、やはり気になるのは禿のトコがえびす町の出身なのかどうか、だ。
えびす町の育ちであれば、食ってるそばをひっくり返されようが、泣きながらでも笑っていたことの説明がつく。もともと禿とは金で売られた少女の成れの果てなので、えびす町の「笑い=幸福」の精神を持つ親が金のために子を売るとは考えにくく、そこにどんなドラマが隠されているのか、もはや決めつけで期待したい。
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ところで、太鼓持ちのヤス。
「卜の康」と書かれているが、「”と”のやす」なのか「”うら”のやす」なのか、はたまた「”ぼく”のやす」なのか今のところ読みが不明。
カタカナの「ト」と漢字の「卜」は別の字なので、書体によってはかなり差異があるんだが、トコの”ト”と同じ字が充てられているところを見ると「”と”のやす」なんだろう。
漢字の方の「卜」には「占い師」などの意味があるので、見た目によらず実は侮れないスキルを持っているのかもと期待してみたり、トコの父親ではないかと疑ってみたりもする。
ただの太鼓持ちでは終わらないだろう。・・・スキヤキ様・・・なワケはないよな・・・