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ONEPIECE 932「将軍と花魁」

オロチのリクエストで三味線を奏でる小紫。


三味線の単独奏で「ため息が出るほど美しい音色」を出すのは、ちょっと常人技ではないように思う。胡弓のように弓で弾くのならともかく、バチでかき鳴らす三味線の音は基本的に濁っているので、力強さを強調したり、悲しみや切なさを叙情的に演出することには適していても、単純に音色だけで「美しい」と感じさせることが難しい楽器である。「チントンシャン」じゃなくて「ベンベンベン」だしな・・・

そこに、ワノ国でただひとり「花魁」の地位に君臨する小紫の、人に真似できない妙技があるのかもしれない。
老若男女を魅了する、女の「完全体」と言わしめるに相応しい数々の素養と手練手管を持っているのに違いない。



小紫は、得意の名曲を演るときは必ず面をつけるという。前述したような常人技を離れた演奏をできる秘密がこの面にあるとも思えるし、もしくは、この曲になにか特別な思い入れがあり、感極まって平静を装えない表情を隠しているとも考えられる。(おそらく後者だよな


ともあれ、ワノ国編に突入したときと第一幕の閉幕時に演奏していたのは、小紫だったらしい。着物も同じだ。
小紫が、ワノ国を象徴するひとつのアイコンになっていることの証と考えられるだろう。



宴席に有力家臣が集ったついでに「光月家要注意」の下知を出すオロチ。
光月家の残党はオロチの首を取る準備を着々と進めている、巷に起きている騒動もその一端かもしれない、と熱弁を振るうオロチに、


家臣たちは冷ややかを通り過ぎて笑いをこらえる始末。


そんな状況で、禿のトコがたまらず吹き出し、笑いが止まらなくなった。怒り心頭のオロチはトコに斬りかかるも、間に分け入ったのは


小紫

とにかく場の鎮静を願った家臣が小紫に謝罪を促すも


小紫はそれを断固拒否。しかも


わちきは武士の娘!! 無様に生きはしない!!!

武士の娘!
ほぅ、そうかそうか。「我が正しきと思わば一歩も譲る必要はなし」とは、誰かの受け売りの言葉っぽいな。父親かね?…誰だかわからないけど…。


怒りのあまり、とうとう八岐大蛇(っぽい)姿に変身するオロチ。
竜というより、一つひとつの顔は獅子か狗に似ている気もするが、角生えてるし舌先は割れてるし、竜なんだろうな。先日のシルエットは鼻が長くてもっと竜っぽかったのにな…。
そもそも八岐大蛇はあくまで大蛇であって竜じゃなかったはずだが、竜っぽく描かれている古典の挿絵なんかも確かにあるらしい。まぁ、ここは日本ではなく「ワノ国」なので、この国の伝説上の生き物はこんな姿なのだろう。

おそらくオロチは「リュウリュウの実」なのか「ヘビヘビの実」なのかはわからないが、その幻獣種「八岐大蛇」の能力者なのだろう。しかし僕はこの能力はさほどの驚異ではないと考えている。


オロチは「オロチ二辺流」の使い手とされている。真似をする童を見たところ二刀流に似た流派と思われるが、それは市井に向けて、英雄として分かりやすい脚色が加えられた架空の剣術、もしくは実在するとしても、オロチの腕前はそれほどではないと、僕は考える。
※コミックスで「オロチ二刀流」に修正されているそうです。

剣の達人のくせに、トコごときを一太刀で斬り伏せられなかったのは、自らの権威を知らしめ、謝罪があれば見逃す寛容さをアピールすることを目論みわざと外したと考えられなくもないが、小紫に一瞬で間合いに踏み込まれて平手打ちを食らったのは言い訳できない。オロチは剣の達人ではない。

さらに、気の強い小紫が許せなければ切り捨ててみろ、と言われて、剣を振るうことなく八岐大蛇に化けてみせたのは、それが剣に勝るオロチの戦力なのではなく、それを見せることによって、これまでの敵は戦意を喪失したからではないだろうか。

いわば、オロチにとってこの姿は大いなるブラフ。ある意味、剣以上の実力といえるだろうが、CP-0に対してはこの姿を見せてなお「自分のバックにはカイドウがいる」と凄むなど、カイドウの「龍」というバケモノの驚異に乗っかっているだけの気がしてならない。

それと同時に、この時点でオロチには小紫を殺すつもりはなく、恐れをなして前言を撤回し謝罪することを求めているのだと思う。
しかしたぶん小紫はオロチのこの姿にも慄くことなく、主張を変えることもしないだろう。どちらも引っ込みがつかなくなった。


狂死郎親分が言うように、まさに修羅場でござる。

さて、狂死郎親分である。


町で起きた騒動の鎮圧に、容赦なく最強戦力「飛び六胞」の派遣を要請したことは、仁義からくる親分の信念に基づく行動だったそうで、


業界では有名らしい小紫の裏の顔の怖さを指摘された折も、それを深く懐抱できる大きな器を示す発言をしている。思っていたよりもまともな人らしい。

小紫は狂死郎一家が運営する遊郭の出だそうで、「出た」と言っているので今も所属しているのかどうかは不明だが、回想シーンで小紫の部屋に親分がいた理由は理解できた。

どうやら狂死郎親分こそが、小紫が大金を貯め込んでいる「たくらみ」の後ろ盾になっているように思える。
モモの助や錦えもんが生きていることをオロチだけが確信し、手下の誰一人それを信じていない現状も、狂死郎が「光月家は全員死んで滅びた」とまことしやかに喧伝してきた成果なんじゃないかと思うね。「いつでも自分が倒してやる」とオロチにいい顔してる裏でな。

何のためかというと、そりゃもちろん、光月家復活への備えをさせないためだ。ただ一人真実に驚異を感じるオロチを「妄想ばかりの臆病者」として求心力を低下させる目的もあるだろうな。
小紫が、モモの助の妹:光月日和その人か、もしくはそれに近しい人物だとして、オロチへの復讐と光月家復興を目論んでいるのだとしたら、それをバックアップしてる人物が狂死郎なんじゃないかな。


この修羅場に刀に手をかける狂死郎親分。
その刃の向く先は、はたして小紫か、それともオロチか。


余談だが:


今回、おロビとおナミ、ホネ吉が使っている通信装置は、電伝虫だと思うのだが、何やらマテ貝みたいな形状をしている。
盗聴用の黒電伝虫みたいに小型の亜種もこれまでに登場したが、これは新しいな。
確かに腕時計型だと和装の場合目立つので、なるほど棒状であれば着物や日本髪(アフロも)に忍ばせやすいのかもしれないな。これSBSで言及ありそうだね。

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