カイドウ率いる百獣海賊団大看板の一角クイーンが、ルフィのいる採掘場にやってきた。
気まぐれか、定期巡回か、はたまた誰かの指示でか、そして何をしに来たのかまだわからないが、折しも雷ぞうが手錠の鍵を盗みだし、これからルフィを脱獄させようかというバッドタイミングでだ。
「クイーン」という名を冠するに相応しく、ノリがイワンコフに似ている。(初期のフランキーもこんなだったが、まぁ変態という括りでは間違っちゃいない)カマバッカの出身も疑われたが、発する言葉にはオネエ感はないので、「クイーン」とはあくまで組織内のコードネームであり、彼本来の個性とはあまり関係ないのかもしれない。
そしてこのクイーン、見た目はもちろんだが、ずいぶんとキャラが”丸い”。
あのジャックですら頭が上がらないのに、真打ち:ババヌキからの過失報告に対するリアクションが、なんだかフレンドリーだ。いや、これはババヌキが不敬なだけだろうか…。
ところで余談だが:
百獣海賊団のコードネームは、三災害たちは「キング」「クイーン」「ジャック」と、トランプの絵札になっており、真打ちたちは、カードゲームの名前で呼ばれている者が多い。ページワンは天然悪魔の実の能力者だと思うので、コードネームを授かっているのはSMILE能力者のみとは限らないし、真打ちが全員というわけでもない。百獣海賊団の「生え抜き」か「外様」かで差異が現れているように感じる。
ちなみに、恥ずかしながら「シープスヘッド」というゲームが存在することは、さっき調べてみるまで僕は知らなかった。
こういうネーミングだと、三災害の上に「エース」や「ジョーカー」が欲しいところだが、どちらも既出なので使いにくい。
ま、「ジョーカー」はまったく無関係ということもないので、ときに三人よりも強い立場となりうるワイルドカードと考えて差し支えはないだろう。
だが当然のことながら、「ジョーカー」ことドフラミンゴは、百獣海賊団に属しているわけではない。
そればかりか、自分のファミリーの最高幹部にトランプのスートの名前をつけている。スペイン語で名付けたのはそもそものドン・キホーテに肖ってだと思うのだが、僕にはこれが偶然であるとは思えない。
百獣海賊団とドンキホーテファミリーでトランプ関連の名前が使われていることは、何か共通の、…というかひとつの理由で説明できる気がするのだ。
というのは、
だって・・・カイドウが自分の部下たちにそんな凝ったネーミングの法則考えるとは、僕には思えないんだ。
百獣海賊団ってのは、動物系ゾォン能力者の集団だから百獣海賊団なんだろうと思う。カイドウを指すなら「百獣の王」より「全生命の頂」ぐらいのレベルになってくるから比喩として不自然だ。
となると、当初は天然悪魔の実のゾォン能力者を大勢集めていたかもしれないが、その合理性から、途中からはSMILEありきの海賊団となっていたはずだ。では、その計画の絵を書いたのは誰か。
ドフラミンゴしかいないだろう。
百獣海賊団のおおよその組織体系も、そしてややもすれば、ワノ国乗っ取りもドフラミンゴの企画・提案によるものではないかと僕は考えている。
こうなってくると、「エース」というインパクトと力のある名前を早く使いすぎてしまったことが悔やまれる反面、海賊王の息子でルフィの兄弟という存在に相応しい名前であることも再認識できる。
あとは、カイドウをも巻き込んだドフラミンゴのこの壮大な計画に、エース本人も関係していた可能性があるかどうかが気になるところ。エースのキャラクター的にそれは考えにくいのだが、オダッチ的な「どんでん返し」なら無い話ではない。
スペードのエースって、最悪を意味する不吉なカードだもんな・・・。(これは運命を呪ってエースが自虐的にスペードと名乗ったのだと思うけど…
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盛大に横道にそれたな。
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20年前の花のヒョウ五郎親分。
以前僕は「花のヒョウ五郎親分」のことを、腕っぷしではなく、かつて、その男っぷりで人望を集めていた大人物だろう、と書いたが、かつての花のヒョウ五郎は、彼自身が強靭な肉体と精神を併せ持ち、花の都の裏社会を取り仕切った大親分。同業にも顔が利き、民にも慕われる、力と人望を兼ね備えた本物の「侠客」だったらしい。
お不動様よろしく、炎を背負っているかのような風貌は頼もしいことこの上ない。
見る影もなくちっぽけになってしまった今のヒョウ爺の、頭のてっぺんとアゴにささやかにその名残が見られるが、この迦楼羅焔の様な立ち上る炎が、火災のキングが背負っているものと同じであるなら、ヒョウ五郎の身体的強さや精神力の幾分かはキングに奪われたんだったりしてな…。
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また、
兎丼の囚人採掘場で、労働をさせられることもなく、ただ幽閉され、毎日毒魚を食らってでも生きながらえた謎の人物は、どうやら赤鞘九人男の河松らしい。
男か女かも分からず、この人物が20年間生にしがみつき野生化した日和様である可能性も考えていたが、順当に九人男の一人だった模様。
いや、実は厳密には、赤鞘九人男のメンバーはまだはっきりとしていない。
現状では錦えもん、カン十郎、雷ぞう、菊ですら「ほぼ確定」としか言えない。河松、傳ジロー、アシュラ童子らは100人力と評されているが、「おでん様に仕えた侍」としか表現されておらず、イヌアラシとネコマムシが九人男に数えられていたかどうかには、僕はいささか懐疑的だ。
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あとねぇ・・・
ゾロが「刀を盗まれた」と言って、誰かを追っていったってのは、どうもそのまま受け入れ難い。
たしかに以前もドレスローザで刀をトンタッタに盗まれたことがあったが、あの陽気な人混みとこの活気がまるでないえびす町では話が違う。
ワノ国において「刀」が持つ意味は、他の国とは異なるだろうし、そういう意味でゾロが刀をかすめ取られるようなことが起きるとは考えにくい。
僕が思うに、ゾロはルフィが持っていた「名刀くさい刀」が、ルフィが捕らえられたことによって敵の手に渡った事を危惧して取り返しに行ったのではないだろうか。ここにいてもやることない(そんなことはないのだが、ゾロがそう考えてもおかしくない)しな。
でなければ、ヤスが何やら暗躍している可能性・・・かなぁ