「武装色の覇気」のレクチャーをヒョウ爺から受けるルフィだったが、ああでもない、こうでもないと、苦悩することしきり。なかなかイメージ通りの結果が出ない。
力むのではなく、不必要な場所の「覇気」を拳に流すのだという。
あぁ・・・、これはアレか。
蛇口を絞れば水は遠くまで勢いよく飛ぶ。がむしゃらに目一杯放出するのではなく、局所に集中させれば威力は増すから、力を拳に集めて、打撃のインパクトを拳より先に持ってくればいいということだろうか。
まぁ、たしかに細かい仕組みを理解したり、小器用な調整をするのは、ルフィは苦手そうだけど、ギア3rdでは独学で筋肉の移動集中をしてたし、ギア4thの各形態フォームだって、レイリーに覇気の基本を教わったあとに独自で編み出したものだろう?
ルフィなら感覚的にすぐマスターできそうだけどなあ…
レイリーは覇気の基本だけを教えてひとまず島を離れ、ルフィひとりの研鑽に任せていたら、普通の人には思いもよらない特殊な技を編み出していた。それがギア4th.
面白い化学反応が生まれたものだが、それでは巨大な獣に通用しないとルフィが難を述べたとき、レイリーは武装色の覇気を別ルートで強化させるヒントを、ちゃんと与えていた。
ギア4thは体への負担が大きすぎる。
別の方法を考えるべきだ。
おそらくは、それが「武装色の覇気」のスタンダードな有効活用法なのだと思う。
だからレイリーも、戦桃丸も、マリーゴールドも似たような使い方をしていたし、剣や弓による攻撃を強化するのもその延長と考えられる。
だが、触れずに少しくらい強めの攻撃を当てることができたとしても、それだけでカイドウの硬いウロコを貫けるとは考えにくい。
そこで、だ・・・
これまでのルフィのギアアップはすべてゴムの特性を活かしたものだった。
ギア2ndは、足や腕をポンプにして血液や神経伝達物質の流れを激的に加速するというもの。血管や神経組織もゴムでできているルフィだからこそ耐えられる強化だった。
ギア3rdは、空気を吹き込んで肥大化させた筋肉組織を、身体の一部の密度を高めるように極所集中して破壊力を強化するもの。(空気を入れているのに硬くなるのは謎)
ギア4thは、武装色の覇気で強化した固い(強い)ゴムの反発を利用した、覇気とゴムの特性を見事に融合させたもの。
いずれのギアもルフィにしかできない戦法だった。
この、触れずにぶっ飛ばすパンチが打てれば…というルフィの閃きは、単に「武装色の覇気」のより正統な強化を目指すのではなく、やはりゴムの身体を持つルフィならではの…、すなわち「ギア5th」に違いないだろう。ルフィにはそのイメージが見えているのだ。
レイリーが正統な覇気の強化法をルフィに教えないまま2年の修業を終えたことは、時間の都合もあったかもしれないが、基本を身につけたあとなら正統な強化を学ぶ機会は何度か訪れるだろうし、ギア4thを生み出したルフィの自由な発想と成長そしてその独自性を尊重したからなのだと思う。
ワノ国編の終盤で「ギア5th」出るで!必ずな!
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また、
雷ぞうと再会し、モモの助や錦えもんたちの帰還を知ったヒョウ爺は、ほぼ失いつつあった希望を取り戻し、オロチへの反逆、光月家復興に全力を寄せると誓ってくれた。
兎丼には囚人採掘場が他にも四つあり、かつてワノ国各地の裏社会を取りまとめていた親分たちをはじめ、オロチに従わない者たちが何万人と捕らえられているという。
彼らへの渡りはヒョウ爺がつけてくれるらしい。
なんだか討ち入りに必要な戦力があっさり揃ってしまいそうだが、
その頃、チョッパーたちとともに「おしるこ」を求めてはるばるやってきたリンリンが、兎丼まで辿り着いていた。
・・・、そうはすんなり事は運ばなさそうだな・・・。
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さて同じ頃、
えびす町潜伏中のサンジたちのもとにひょっこり現れたトの康が、カン十郎としのぶ相手にやけに訳知りに話し出す。
カン十郎たちはヤスのことにまるで心当たりがないものの、自分よりも身分の高い人物であることを疑い「あんた誰」とは聞くに聞けなかったそうだ。
だが町人に聞くところによると、ヤスは一人娘のトコによる都からの仕送りを、自分のことを省みず、すべて町の人々に施しているらしい。
やはり、トコはヤスの娘だったか。
禿に給料なんてものは無いはずだが、立ち食いそばを食おうと思うくらいの金は持っているんだから、景気のいい客に心付けを貰ったり、姉さまたちから小遣いをもらったりしてるのかな。まぁ大した金額じゃぁないだろうなぁ。
「一人娘」というのは、(町の人々が知る限り)であろうから、ヤスの子供が本当にトコ一人かどうかは根拠に欠ける。
まだ、ヤスの正体がスキヤキである可能性も、実は死んでなかったおでん様である可能性もゼロではないのだ。
「昔から」ってのが、いつ頃からのことなのか気になるね。町の人々はヤスの正体知ってるかもね。誰かなぁ・・・