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ONEPIECE 948「”河童の河松”登場」


「窮地にこそ、力は開花する!」

覇気進化の最良の練習台となるはずだったビッグ・マムは鬼ヶ島へ連行され、次点のクイーンはそれに随行して行ってしまった。(どうやらモモの助も…?


もはや兎丼の囚人採掘場にはルフィの敵となりうる強者は残っていないが、それでも今は仲間のピンチが迫っているわけでもなく、討ち入りは仕切り直された(ルフィがどれほど理解できているかは少し怪しいが…)ので、ザコ相手だろうが何度も試し撃ちをして、弾いて触れずに当てる覇気をなんとか修得するぞ。とポジティブに息巻くルフィ。

しかし、クイーンに留守を任されたババヌキが声を挙げるや、それに呼応してルフィの邪魔をしはじめたのは、誰あろうカイドウの部下に虐げられてきた囚人たちだった。


この囚人採掘場こそ、今は解放されたも同然で支配者と呼べる者が居ないが、彼らがかつて激しく抵抗しながらも無惨に敗北し、辛く悲しく苦しい思いをさせられたカイドウとオロチによる支配は、兎丼だけに逗まらずワノ国全土に及ぶ。ここから逃れたとて、彼らには帰る家は当然のこと、行くところなどなく、食べるものすら手にいれることは困難だ。

カイドウ憎しで地下に潜るよりも、カイドウが怖いから、そして「あの」惨劇をふたたび味わいたくないから、おとなしく言われるまま為されるがままを選択した者たち。
彼らは、どうやっても敵うわけがないカイドウと自分たちとの揺るがぬ力量差に絶望したのだ。心を折って従わせるとは、まさにこういうことだ。


今の彼らにとって、ルフィはあくまで異邦人。気まぐれにカイドウの部下を倒して見せても、命を賭して最後までカイドウやオロチと徹底的に戦う道理があると思えるはずもない。
彼らにルフィを信じさせ、自らの意思でふたたび立ち上がらせるには、絶望を覆すほどの「希望」を示すしかない。

この場合の「希望」とは、カイドウを打ち倒すほどの戦力と、ワノ国民を纏めあげる求心力、未来を照らす一筋の燈火、すなわち「カリスマ」だ。

幸いスマートタニシの電波障害のせいで、ここで起きたことが外へ漏れ伝えられるには時間がかかる。今こそ、(とりあえずこの場限定で)その存在を明らかにするとき。


赤鞘九人男がひとり、横綱河松
意外とかわいい・・・

そして、


雷ぞうは、現在オロチ御庭番衆を束ねる福ロクジュのライバル忍者。

菊は・・・


ワノ国一の美青年剣士「残雪の菊の丞」。

さぁ、巻き返しはここからはじまる!

まぁ・・・菊については・・・他所で散々言われるだろうから、僕は何も言うまい。
そこまで期待してなかったしな。

雷ぞうは、忍者なのにすげぇ有名なのな。もちろん赤鞘九人男として名が知れていたんだろうが、姿かたちまできっちり記憶されてるなんて・・・、忍者なのに・・・と思ったら、


ここの囚人たちのほとんどは、オロチに反抗し、おでん様の仇討ちと称して20年前にカイドウに立ち向かった者たち。自分が命をかける殿さまの筆頭家臣のことくらいは知っていて当然か。

だが時系列的に、おでん様の処刑の後すぐに、おでん城でトキ様の能力で未来へ飛ばされた雷ぞうや菊は、その民衆の命を賭けそして敗北した戦いを知らないはず。
彼らにしてみれば、主君の仇討ちの戦いに参戦しなかった裏切り者、もしくは腰抜けと語り継がれていてもおかしくはない。


同じ採掘場で、彼らが心折れるさまをリアルタイムで見てきたヒョウ爺だからこそ、彼らの絶望の深さと、そこから脱却する術が理解できた。囚人たちの「赤鞘九人男」への信頼は、果たして健在なのか。

一番肝心なモモの助が居ないけど、いいのか。・・・それも、もともとここには居ないはずが、勝手に着いてきて勝手に居なくなってるけど、どうすんだ、これ?


さて、河童の河松である。
赤鞘九人男。モモの助たちが未来へ飛んだ後、残された日和を保護していたが、13年前に囚われの身となっていた。

少量のきびだんごしか食えなかったヒョウ爺は、以前の面影もなくなるほど衰えていたが、毒の魚を食い続けた河松は、吐き気こそもよおしているものの、やつれた様子がほとんどなく、実に若々しく肌ツヤも良い。
河松がほんとうに「河童」という生物なのかどうかは分からないが、水かきがあるので人間でないことは明らかだ。河童の世界ではまだまだ若造なのかもしれないな。

また、河松は「横綱」だったという。民間伝承でも河童は相撲をとるのが好きと言われているが、それはごっこ遊びのようなもの。
しかし「光月家家臣:横綱河松」と名乗るということは、人間社会の大相撲において、正式に横綱を努めていたと考えていいだろう。
力士はマゲを結えなくなったら引退しなければいけない。髪はフサフサに見えるが、河松は河童である。サカヤキではなく、種として生来頭頂部に毛がなさそうなんだが・・・マゲ結えていたんだろうか。

いやいや、そんなことはどうでもいい。


河松は「流桜」が使えるらしいぞ。
ヒョウ爺が教えられるレベルを越え、停滞していたルフィの覇気レッスンが捗りそうな予感がするな。

あと余談だが:


クイーンが趣味でこしらえた「細菌兵器」

クイーンはカイドウの懐刀と言われる「三災害」のひとり、「疫災のクイーン」。
「疫災」とは、伝染病が蔓延する災厄を指す言葉。それが悪魔の実の能力に由来するのでないとしたら、人為的に伝染病をばらまき、人びとが苦しむのを見て楽しむ趣向の人物ということになる。そうなると化学兵器を研究開発する知識と技術をもった化学者である可能性があり、その風体や初登場時にビスや歯車を弄っていた様子からはそれが想像できない。
と、以前書いたのだが、クイーンは「ウイルス」作りだけでなく、「カラクリ武器」を作ることも趣味としているらしく、今回ダイフゴーが使った「疫災エキサイト弾」もその作品のひとつ。

実際の戦闘においてクイーンが疫病をばらまくわけではなく、趣味として「ウイルス」を作り、それを効果的に使う武器の開発も自分でしているということか。
扱っているのが細菌兵器というのは実にエゲツないが、「疫災」という二つ名に対するエクスキューズがこれだけになりそうな気がして、僕としてはなんだか物足りない。

まぁ「旱害」のジャックも単なる比喩であり、実際に土地の養分や水を干上がらせるようなことはなかったので、これでいいのかもしれないが、だとすると今度はキングの「火災」という二つ名がずいぶんショボく見えてくるのな・・・。

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