カイドウに敗北して収監されてきたが、クイーンに真っ向から反抗するルフィ太郎と、赤鞘の侍三人、かつての闇社会の大親分:花のヒョウ五郎、プラス1の謎の大男(チョッパー)。
暴れはじめた六人を、百獣海賊団の兎丼勢には止める術がない。
そこでダイフゴーが打った手は、疫災エキサイト弾を囚人に向けて撃つことだった。
「疫災弾」は、接触感染する疫病をばらまくウイルス兵器。感染者はまたたく間に拡がり、六人の行動範囲を狭める。さらに、恐怖で支配することで囚人たちに六人を襲わせ、直接「疫災弾」が当たらずとも、そのうち六人にも感染するという手はず。
恐ろしく非道な戦術だが、もとより半分ケモノの百獣海賊団にとっては、理想的に高効率な兵器といえる。そりゃ毒ガスだって躊躇いなく使うわ。
撃たれた箇所から高熱が広がり、焼けるような全身の痛み、血を吹き出し苦しみにのたうち回り、力尽きて干からび腐った植物のようになる。
まさに「火災」「疫災」「旱害」を併せて食らう地獄の責め苦だ。
囚人たちは言う
カイドウは恐ろしい。百獣海賊団には誰も敵わない。ルフィたちが引っかき回さなければ、こんな苦しみを味わうこともなく、この兎丼にもいつもの日常が訪れていたのに・・・。(一部意訳)
それは「せっかくお前らを蹂躙している敵を倒してやろうとしているのに何だその言いぐさは」と腹を立てたのではない。
(ルフィが知る限り)強いはずの侍たちがすっかり心折れて飼いならされ、「悪」の蔓延を見逃し、助長すらしている現状に憤ったのだ。
自分は確かに他所者だが、それの何が悪いのか。この国は20年前におでんが殺されたときから止まったままだ。
おれ達はカイドウに勝ちに来たんだ!!!味方なら邪魔するな。
おれ達につくか、カイドウに従うのか、今ここで決めろ。
伝染病を恐れず自ら体を張った男の数少ない言葉が、囚人たちの頑なに閉じた心に響く。
そして、良からぬことを企んだババヌキを、未来を先読みする能力であっさり倒し、実力と可能性をも見せつけた。
囚人たちの心は決まった。
敵本体に悟られることなく兎丼を制圧。オロチとカイドウに不満を持つ数万人の囚人と、かつてのヤクザの親分たちが(おそらく)手勢になり、その優位性が危ぶまれ一時は失敗とも思われた討ち入りが、一歩現実味を増した。
だが、生来頑丈なルフィはともかく、「奇病ミイラ」に感染した囚人たちはどうなるのか。
クイーンが独自に作ったウイルスをチョッパーがどうにかできるとは思えないし、ここにはローもいない。
もし、たまの「きびだんご」の成分をウイルスに食わせることができれば、ウイルスを体外に排出したり死滅させることも可能かもしれないが、ちょっと無理筋だろう。
ま、ワクチンがあるんだろうな。
ウイルスを研究していたなら、味方が感染したときのことを考えるよな、普通。クイーンの場合、手下がいくら感染しても平気の平左だろうが、いくらなんでも自分やキング、カイドウにその影響が及ぶことくらいは憂慮するだろうから。
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さて、
キッドとしては、一時的にルフィと共闘してでもカイドウに一泡吹かせたい思いがあるはずだが、相棒のキラーがSMILEによって精神がダメになっていて、今はそっちのほうが深刻だ。
だが、もはや8日後の討ち入りは動かないので、そのときには味方になってくれるだろう。キラーはえびす町にでもかくまってもらうかな。着るものや髪型を変えてエモノを手放せばバレやしないだろう。
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ところで、前回から短期集中表紙連載第24弾が始まっている。
Vol.1には、いつもタイトルが付いていないので、特集ページに掲載しながらも紹介しなかったんだが、今回は巻頭カラーだったので残念ながら扉絵連載がない。
ジャンプ本誌は今号に引き続き次号の表紙もワンピで、二枚で一つの絵になるそうだが、巻頭カラーではないので、次号から続きが見れるだろう。
話は、ふんわり島にケーキを置いてビッグ・マム海賊団の追手から逃れたファイアタンク海賊団からはじまる。
サブタイトルが単に「脱出成功」とあるので、彼らのエピソードになると考えていいだろう。このままベッジたちの行方を描くことになるなら、ローラとシフォンの再会もあるかもしれないな。
ルフィとの戦いを経たカタクリのその後にも興味はあるが、ちょっと方向性が違うかもなぁ・・・。