鬼ヶ島が崩壊しそうな勢いで、今なお、激突を続けるカイドウとビッグ・マム。
夜通し続いたらしい”災害”にすっかり辟易&ビビりまくりで、とっくに屋内に避難しているクイーンたちには、外でふたりがどんな埒外の戦いを繰り広げているのか想像すらできない。
雲を裂き、天を割るかのような凄まじい打ち合いは、前回のファーストインパクトしか描写されていないため、現在も島じゅうに轟く轟音が果たして四皇ふたりの殺し合いの音かどうかは分からないのだ。
たとえば、もうとっくにマジな殺し合いには飽きて、酒を酌み交わし(ママはお茶かな)昔話に花を咲かせ、ゴキゲンでちゃぶ台を叩く音かもしれないし、極端な話、旧交を温めたふたりの超人が獣のように睦み合った”ギシギシ”音が、あの尋常ならざる衝撃だったりするかもしれない。
…って、のっけから下ネタかよ!
いやいや、カイドウが何者かを考えたら、トットランドに居ない種族の残り一つに当てはまるのがカイドウって可能性はあるかな…と。
というのも、カイドウの正体は「龍の実を食べた鬼」か「鬼の実を食べた龍」だと僕は考えているから。どちらにしてもトットランドには居なかったんじゃないかなあ。(人魚の肉食った説も気になるね)
で、そうなると、ママは今でもカイドウが欲しい訳だ。ただしそれはカイドウ本人じゃなくても構わないし、むしろ違う方がママとしてもやりやすい。
ママは18で初めての子供:ペロスペローを産んでから腹を休めることなく年子を産み続け、合計46男39女を授かって、年齢的にも今はもう閉経していると思ってたけど、この出会いに賭けてみた、なんてのもロマンが…ねェか。
カイドウの種族がトットランドに居ないとして、それはキングと同じ種族である可能性も、またあるかもね。
で、キングに素っ気なく拒絶されたんで、じゃあってんで、せめて「子種よこしなァ!」…なんてな。
・・・いやぁ、ゲスい妄想は捗るわ。
しかし、マジな話、地上最強生物:カイドウの遺伝子だったら、闇マーケットで高い値がつくだろうな。
ところで、この場から逃げたがってるクイーンはともかく、キングとジャックはどこ行ったんだろう。
その頃兎丼では、チョッパーが疫災弾のウイルスをあっさり攻略し、ルフィをはじめ感染した侍たちが次々に復活し、忠心と戦意の高揚に燃えていた。
ルフィはここに3500人の同心を確保した。当初の目標は5000人だったので、それは十分凄いことなのだが、たしか兎丼の囚人は数万人で、そのほとんどがオロチへの反逆罪で捕まった者たち。
ヒョウ爺は「何万人という囚人が“いる”」と言っていたので、おそらくすでに死んでしまった者は除外されての数万人のはずだ。そのほとんどがかつてオロチに反逆した者と、その容疑をかけられた者だが、現在戦えるのはわずか3500人だという。・・・ちょっと少なくね?
そして、かつてワノ国を裏で支えたヤクザの親分たちも解放され、その権威と人脈を駆使して力となることを誓ってくれたのだが・・・、この人たちって、ヒョウ爺よりも「下」なんだな。こんなに明確な序列があるとは思わなかった。生を諦めるほどに落ちぶれていたヒョウ爺の頭頂の炎(毛髪なのか!?)も、心なしか以前より強く燃えているように見える。
なんとなく…だったんだが、5人に上下関係はなく、ただ強烈なリーダーシップを発揮していたのがヒョウ爺というイメージを僕は持っていた。喩えるなら、シャッフル同盟のキングオブハートがヒョウ爺って感じ。
なんだか、そんな与太話をしていると・・・4人がモビルファイターに見えてきたわ・・・。
弥太っぺとか、綱ゴローとか、Gガンならこんなガンダム出てきそうじゃないか。
いや、すまん。話を戻そう。
兎丼では3500人の仲間をゲットし、同心はまだまだ順調に増える予定。しかし問題は、
現在カイドウがワノ国の武器工場で隠密理に製造しているのは、海外向けの「兵器」の類がほとんど。侍たちが使い慣れた「刀」や「槍」が完全に不足している。
まぁ、単純に殺傷能力の高さや合理性を考えたら、その外国向けの兵器を奪って使えば十分戦えるとは思うが、なにせこの戦いは「ワノ国を取り戻す戦い」だ。
侍の矜持を持って、誇り高くカイドウを倒さない限り、本当の意味でカイドウに踏みつけられたプライドを取り戻し、このオロチ暗黒の時代に幕を下ろすことはできないのだろう。
そんな中、通行人の武器を奪い続けてきたらしい「おいはぎ橋」の牛鬼丸のもとへ、ゾロがふたたびたどり着いた。もちろん奪われた「秋水」を取り戻すためだ。
空腹も腹痛もケガもなければゾロの優位は確実のようだが、牛鬼丸は「秋水」が持つ意味を語り食い下がる。
つまるところ、「秋水」が盗み出されたからワノ国はカイドウに支配された、とでも言いたげだ。
神憑り的な強さのシンボルを失ったことを敗北の理由としたい気持ちは分からないでもないが、それは随分情けない言い訳ではないか。
まぁ、おそらくは「秋水」があれば負けなかったと考えているわけではないのだ。刀神様の怒りを買ってワノ国はすべてが上手く回らなくなったというのは、ワノ国では、それだけ「刀神様」が絶対的信頼を得ていたということ。「刀神様」とは剣豪リューマのことだ。
ワノ国の侍たちは、侍としてのはるか高い目標であり、手本であると同時に精神の拠りどころでもある「象徴」を23年前に失っていたのだ。
本当に心が強い者は自力を頼りとすることができる。しかし未知の兵器を携えた強大な敵に立ち向かうには、大多数の標準レベルの侍には、心の拠りどころが必要だったのだろう。そうして敗北や失敗の理由を探しては士気を下げていくと、ある者は勝機を待てずに無謀な戦いに挑みそして散り、ある者は心折れて隷属に平穏を求めた。
その轍は二度と踏まない。
牛鬼丸は、今、ワノ国に何が起ころうとしているのかおそらく知らない。しかしオロチ、そしてカイドウに反旗を翻すその時のために、密かに武器を蓄え続けてきたに違いない。
「秋水」があれば、大多数の侍の士気が上がる。手に入った以上は二度と手放すわけにはいかないのである。
牛鬼丸とて、殺されようともここは引くことはできない。
そこへ分け入ったのは
河松。
河松と日和、13年ぶり涙の再開に、秋水の話がうやむやになりかけるが・・・
突如襲来したヒャッハー軍団。
彼らは牛鬼丸に武器をさんざん奪われた復讐に来たという。・・・う〜ん・・・こいつら「刀」や「槍」使わなさそう・・・。こいつらから奪った武器って使えるのかね。
まぁ、当然というか、こんな雑魚どもはゾロや河松の敵ではなかったのだが、手負いの身でなぜだか全力でこの場から走り去る牛鬼丸。
牛鬼丸は河松を知っているようだ。
しかし河松の生存と再会を喜ぶより先にするべきことがあるらしい。それはいったい・・・何だ!?
さて、兎丼から解放後「急ぎ行きたい場所がある」と言って雷ぞうと別れた河松だったが、再会の様子を見た限りでは、どうやら日和に会いに来たのではなかったようだ。
では、河松が行きたかった場所とはどこなのか。そこは牛鬼丸が今向かっている場所なのだろうか・・・。