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ONEPIECE 955「閻魔」

日一日と迫る討ち入り決行の日。


同心は、事前の招集で4200人まで集まったが、一方のカイドウ・オロチの手勢は約30000人。
しかも錦えもんたちは、カイドウ軍にビッグ・マムが合流したことを知らない。


もっとも血気に逸る戦力となりうる侍たちが、羅刹町の牢屋敷から解放されたとしても、戦力差は歴然。
数の総力戦にはならないだろうが、条件は圧倒的に不利な状況だ。

そもそも勝負事に「必ず勝てる保証」なぞ存在しないとはいえ、気持ちで乗り切れるレベルの逆境とはとてもいえない。光月家の復興だけを掲げて、4000人の民を敗色濃厚の戦に巻き込むのは単なるエゴだ。
これはカイドウとオロチを打倒し、ワノ国そのものを取り戻す戦い。それを国民一人ひとりが感じて立ち上がってくれれば、せめて数字の上だけでもひっくり返すことは可能かもしれない。

ドレスローザのケースでは、騙されていたと気づかされた国民が全員考えを改めたが、それは「このまま騙されたままでもいい」という選択肢がなかったからだ。


だが翻ってワノ国では、都に住む選民たちは現状に不満はなかろうし、虐げられる囚人たちも、兎丼がそうであったように、もはや牙を失い隷属に平穏を求めている。これでは革命は起こせない。


しかし日は来た。


ルフィたちより一足先に、集合場所である常影港へと出立する九人。
赤鞘九人男はネコマムシと傳ジローが揃っていないが、モモの助としのぶを加えて九人で行くことには意味がある。


知る人ぞ知る「トキ様の予言」になぞらえれば、同心たちの士気も上がろうというものだ。

しかし・・・


変更した新たな討ち入りの計画も、オロチには筒抜けとなっていた。そればかりか、日和の潜伏場所までが漏れている。

まぁ、あれだけ広く拡散しては討ち入りの情報がどこから漏れてもおかしくはないのだが、単にビラを配った中にスパイがいた、ではなく、ここは意外な人物がオロチに通じていた…と考えた方が面白い。
計画の変更と、日和の生存を知っていて、兎丼の現状も知っている人物・・・。う〜ん・・・狂四郎親分が激しくクサイんだが、狂死郎は表向きオロチの手下なので意外性が少ないな。

実は、僕はいまだにカン十郎を仲間と信じきれていない部分があるんだが・・・まさか・・・なぁ?

一方ルフィは、


覇気の修行にそれなりの手応えを得たようだ。


さて、今回の本題:光月おでんの愛刀「天羽々斬」と「閻魔」。

この二本の刀は、20年前から飛徹が預かっていたそうで、トキの能力で20年後へと飛んだモモの助と、河松に密かに保護された日和に手渡す日を、飛徹はずっと待っていたのだそうな。


これらの刀は、日和によると、父おでんが処刑される前にすでにふたりに譲渡されていたらしいが、なにせその当時ふたりは8才と6才で、大刀を託されても持て余すことは必至。
おそらくは公開処刑に臨む前におでんは、刀の所有権を明らかにした上で、信頼できる飛轍に預けたのだろう。
「返納」という言葉が使われているところからも、刀を正式な所有者であるふたりの御子に返す日を待ち続けてきたことが分かる。


しかしモモの助は現在もまだ8才のまま。人を斬ったこともない小僧が父の威光宿る大刀「天羽々斬」にビビるのも無理はなく、返納を先送りにした。

そして「閻魔」は、日和からの正式な権利の移譲を受けたゾロの手に渡った。


「閻魔」とは、持ち主の流桜(覇気)を勝手に放出し、必要以上の力で斬る暴れ馬であり、かつておでん様以外に使いこなした者はいないという。


だがゾロは「閻魔」を気に入ったようで、世界一の剣豪になるための、いいトレーニングアイテムが手に入ったとでも考えているのかもしれない。

良くいえば、「閻魔」は持ち主の覇気を、溜め込んで一撃に乗せることができるMAP兵器だが、制御できなければそれは燃費が悪いだけの「きかん坊」である。

ゾロの師匠:コウシロウは言った


「最強の剣」とは守りたいものを守り、斬りたいものを斬る力。

一対一の決闘ならば一撃必殺も結構だが、一撃で力を使い果たすような剣術はゾロが求める「最強の剣」には程遠いはずだ。これを手なづけコントロールしてこそ「最強の剣」の高みを目指せるのだろう。


また「閻魔」と、ゾロが持つ「和道一文字」は同じ刀鍛冶の手によるものだそうで、その名工は、50年以上前にワノ国を違法に出国した霜月コウ三郎。

なるほどねぇ・・・

92巻のSBSで、何十年か前にワノ国の船が東の海に到達し、その子孫のひとりが我々の知るある人物だ、とオダッチから発表された、その「ある人物」は、コウシロウでもう間違いないな。

ゾロの故郷は「シモツキ村」、コウシロウの着物には霜月家と同じ家紋が付いていたし、50数年前に違法出国した「霜月コウ三郎」が鍛えた「和道一文字」を持っていたのが「コウシロウ」。コウシロウはコウ三郎の息子と考えるのが妥当だろうな。

あと、余談だが:


鍔や鞘の拵えがいかにも一対の刀のようだが、「天羽々斬」と「閻魔」は、それぞれ別の刀工が打った刀である。「閻魔」は霜月コウ三郎の作で、「天羽々斬」はどうやら飛徹の作らしい。
日和曰く「いずれもかつてワノ国で名を馳せた名工」だとのこと。おでん様が飛徹に絶大な信頼を寄せていたことも理解できる。


また、ルフィが持ち出した「二代鬼徹」を「我が先祖”古徹”が打った」と言っていたことから予想できたとおり、「三代鬼徹」は飛徹の作品だった。
「三代鬼徹」は業物だが、「和道一文字」「二代鬼徹」「秋水」「閻魔」「天羽々斬」と・・・大業物21工に位列する刀が5本もここに・・・。21工ってのは、大業物に数えられる刀が全部で21本しかないという意味だと思っていたんだが、違うのかな?

さぁて、いよいよ火祭り当日・・・というところで、ワノ国編第二幕が終了したわけだが、この続きはすぐにはじまるのか、それとも幕間を挟むのか、はたまた世界会議へ舞台を移すのか・・・。

幕引きの鳴り物は、これまで狐の面をかぶった小紫の三味線だったのだが、


おや? 顔が描かれていないがこの着物は・・・日和だ!
実は作中では、小紫は生死不明で素性も不明のまま。僕は「小紫=日和」とは、現状ではまだ考えていないんだが、ん〜これは・・・そうか・・・やっぱりそうなのか・・・

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