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ONEPIECE 965「黒炭家の陰謀」

おでん、イゾウ、イヌネコと共に、白ひげの船旅に同行したトキは、未だ念願の「ワノ国」へは行くことができていなかった。
両親がワノ国の出身とはいえ、800年前に生まれたトキが、いったい何を求めて、時間を超越してまでワノ国を目指すのかは、今もって明らかではないが、おでんに流れる光月の血に同族を感じたか、おでんと共にいる「今」にやすらぎを覚えているらしい。


死の間際に錦えもんたちに言い残した「長い旅の終着点」を、この時点ですでに実感しているかのようだ。

トキにとって、おでんの一挙手一投足こそが、長く憧れていた「ワノ国」の印象となり、ワノ国を識る上では良くも悪くも多くの誤解こそあっただろうが、それはさぞかし刺激的な経験だったであろうことは想像に難くない。
かたや、ワノ国の現状が気に入らないおでんにとって、ただ外の世界を見てきただけでなく、時代を渡り歩き、大昔のワノ国の在りようまで知る手掛かりとなるかもしれないトキの存在は特別だったはずだ。
ふたりが互いに憎からず思う仲になるには、そう時間を必要としなかっただろう。


出会いから2年が過ぎる頃には、二人の間には長子:モモの助が生まれ、さらに2年後には日和が生まれた。


4年間の冒険は、おでんにとって興奮と感動の連続だったが、それでも、おでんを満足させるには至っていなかったようで、妻を娶り男児を授かった今でも、国に帰る決断をできずいた。(…ってか、満足できればおとなしく国に帰るというつもりがあるかどうかもわからないのだが…

ワノ国は外界との交流が基本的に無いため、航海のさなかでワノ国のことを知る術はない。
ふと故郷に想いを馳せるなんてことも、ついぞしそうにないおでんである。九里のことは、信頼する家臣たちにまかせてある。出発前に病と聞いて駆けつけた父将軍もたいしたことはなかったし、もとより国政に口を出すつもりもなかったので、何も心配していなかった。
冒険が楽しすぎて、ワノ国のことなどすっかり忘れていた可能性も否定できないが、おでんの知らぬ間に、ワノ国が予想だにできない陰謀に見舞われているとは、思いもしなかったことだろう。


その頃ワノ国では、体調がふるわない将軍スキヤキが、おでんの帰国までの「繋ぎ」として、オロチを執政者に任命したのである。


将軍の居城でカミシモを着る地位にまで、いったい何があったらそんな大抜擢があり得るのか?…と、病のスキヤキをおでんが見舞ったときに書いたが、そう、尋常でない「何か」が起きていたのだ。

そもそもオロチの黒炭家とは、かつて、光月家に仕える五大名に数えられる名家だった。
オロチの祖父の代の将軍(光月)家には世継ぎが生まれず、そのときにオロチの祖父は将軍の跡目を廻って他の大名家の跡目候補を次々と暗殺し、しかし折り悪く、将軍家に念願の男児が生まれたことで、黒炭家の野望は潰え、しかも悪事が露見してお家取り潰しとなったらしい。


その、オロチ自身も知らなかった黒炭家の黒歴史を、オロチに吹き込んだ者がいる。
オロチをそそのかし、共に策を巡らし、オロチがおでんの弟分だと将軍スキヤキに信じ込ませた(?

この人物、現段階では何者なのかまるで不明。どうも跡目騒動のときにスキヤキが生まれたことを逆恨みする、黒炭家ゆかりの者のようだが、注目すべきは、


「マネマネの実」の能力者であることを自称している点。30年以上前の話なので、ボンちゃんとの関連はこのさい気にしないでおく。このババアもう生きてないってことだけは分かる。
能力者のことを、一貫して「妖術使い」と称しているワノ国に於いて、この人物は「悪魔の実」を知っている。
「国外で苦労した」というのは、国外に追放された黒炭の一族と考えるのが妥当だが、僕が疑問に思うのは、ここからどうやってカイドウに繋がるのか・・・ということ。

僕はてっきり、オロチに入れ知恵をしたのも、オロチとカイドウに渡りをつけたのも、ドフラミンゴだと考えていたからだ。

このババアが(正体がこのババアの姿とは限らないが…)、カイドウを呼び込む人脈を持っているとは、とてもじゃないが思えない。かと言って、このババアが独自で悪魔の実を手に入れることができるとも考えにくい。
やはりこのババアの後ろにもうひとり黒幕がいると考えるべきだろう。

かくして、オロチの、そして黒炭家の綿密な逆襲がはじまった。


康イエの屋敷の小間使いになったことも、おでんに金を借りたことも、全て計画の一端だった。


ババアがおでんになりすまして、オロチを「おでんの弟分」として将軍の屋敷に紹介し、スキヤキの側に置いた。
「薬が作れる」となると、当然、体調思わしくないスキヤキの薬をオロチが処方したであろうし、思うままに弱らせることができただろう。

というか、病に伏せ、大名たちに跡継ぎの話をした将軍スキヤキが、すでにババアの変装だったとしたら、この時点でスキヤキは用無し。いや、すでに殺されていた可能性もあるな。

「おでんに大恩がある」とは、康イエたち大名がそう言い含められただけで、実際には金を借りる以上の恩など受けていなかったことになる。その借金も計画の地力をつけるための策だったわけだから、そもそもオロチはおでんに何の恩義も感じるはずなどなかったのである。

さて、いよいよロジャーとおでんが出会うことになりそう。


今26年前の回想を巡っているところで、この1年後にロジャーは偉大なる航路を制覇し、2年後に自首し、同時にロジャー海賊団は解散する。
おでんとロジャーは1年間だけの仲間ってことになるな。

あれ…? ってことは、エッド・ウォーの海戦はこの前の年にすでにあったことになる。


0話のロジャーやシャンクスよりも若い気がするけど・・・う〜ん・・・


ロジャーはともかく、0話で12歳のシャンクスが、今回13歳でこれ(チョコ食いながら「えへへ」)ってのは・・・違和感あるなぁ。

ティーチについては・・・まぁいいや。

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